このページはJavaScriptを使用しています。JavaScriptが無効になっている場合は、有効にしてください。

【メインストーリー第5話】少女の記憶

投稿者:
【プロデューサー】KAZ

○サロン

サロンでくつろいでいると
深刻そうな顔をしたフェローがやってきた。

 

フェロー
「君! ちょっと話を聞いてよ!」

 

フェロー
「今、アマモ跡地を調べてるんだけど、
ちょっと問題があってさ。
調査が進められなくなっちゃったんだ。」

 

フェロー
「え、なんでアマモ跡地を
調べてるのかって?」

 

フェロー
「ほら、エリシアちゃんが見つかったのが
アマモ跡地だから、まだ何か
手がかりが残ってないかって…。」

 

フェロー
「でもアマモ跡地には
アレがいるから調査できなくて
困ってるんだよ。」

 

フェロー
「アレっていったらアレだよ!
バズーカ背負った4本足のアレ!」

 

エンジニア
「…ひょっとして
バズーカドッグのことかな?」

 

フェロー
「そうだよ、それそれ!
あたしは死ぬほど犬が苦手なの!」

 

エンジニア
「ふーん、フェローさんって
犬が苦手なんだ?」

 

フェロー
「そうだよ! 悪い!?」

 

エンジニア
「別に悪くはないけど…
ボクも動物にはあまり興味ないしなあ…。」

 

エンジニア
「でも、1度くらい犬を飼ってみたら
犬に対する印象も変わるんじゃないかな?」

 

フェロー
「犬を飼うなんて!?
そんなことをするくらいなら
あたしは死を選ぶ!」

 

エンジニア
「そ、そこまで嫌いなんだ…。」

 

フェロー
「だから君がなんとかしてよ!
アマモ跡地から
犬を絶滅させてほしいんだ。」

 

フェロー
「え、絶滅はさすがに無理?
それでもとにかく、犬の数を
減らしてよ!」

 

 

─ 数時間後…

 

○司令室

 

フェロー
「犬を追い払ってくれた?
これで一安心だよ。」

 

フェロー
「君が奴らの数を減らしてくれたなら
ようやく調査を進められるよ。」

 

エンジニア
「それにしてもフェローさんって
どうしてそんなに犬が嫌いなの?」



オペレーター(あっさりサバサバ系)
「私もそれは疑問ですね。
犬はよく人に懐いて、可愛いと思いますが。」

 

マスター
「それに、訓練された大型犬は
戦場でも頼りになる存在だぞ。」

 

フェロー
「みんな、うるさい!
あたしは過去にトラウマがあるの!」

 

エンジニア
「やっぱり、全身に生肉を縛り付けられて
飢えた犬の群れの中に放り込まれたとか
そういう過去かな…。」

 

フェロー
「その発想が怖いよ!
そんな事されたら
犬嫌いになるより前に犬の餌食だよ!」

 

エンジニア
「じゃあ、なんで犬が嫌いなの?」

 

フェロー
「…。」

 

フェロー
「…昔、犬にお尻を噛まれた。」

 

エンジニア
「お尻を? 犬に?
あははははははっ!」

 

マスター
「ふん、ふふっ…。」

 

オペレーター(あっさりサバサバ系)
「ぷっ、くくくく…。
いえみなさん、笑ってはいけないですよ…。」

 

フェロー
「みんなで笑うなー!」

 

フェロー
「すっごい大きな犬で
すっごく痛かったんだから!」

 

フェロー
「今でも噛まれた跡が残っているくらい
ひどく噛まれたんだ。」

 

オペレーター(あっさりサバサバ系)
「きっと犬から見て
美味しそうなお尻だったんですよ。」

 

フェロー
「美味しそうなお尻ってなんだよ!?」

 

エンジニア
「そうだ、フェローさん
その噛まれた跡をみんなに見せてよ。」

 

マスター
「恥ずかしがることはない。
傷跡は勲章だぞ。」

 

フェロー
「傷跡を見せたくないんじゃなくて
お尻を見せたくないんだよ!」

 

フェロー
「もう、みんな!
からかわないでよ!」

 

サロン中は笑いに包まれ
時は過ぎていった。

 

○ラボ



眠り続けるエリシアは夢を見ていた。

 

エリシア
(ここはどこ? あなた達は…?)

 

目覚めた直後に見たのは
見知らぬ医務室のような部屋と
白衣を着た女性と知らない人たち。

 

それが一番新しい記憶。
それだけがはっきりしている記憶だった。

 

エリシア
(わたしは…?)

 

夢の中に断片的な光景が浮かんでくる。
それが記憶なのか夢なのかも判らない。

 

男性の声
「おい!! エリシア!!
死ぬな!! エリシアー!!」

 

女性の声
「エリシア…
うう…エリシア…
なぜこんなことに…。」

 

男性の声
「何か…まだ何か…
方法があるはずだ…。」

 

女性の声
「あなた…
変な考えはやめて…。
エリシアはもうっ…!」

 

エリシア
(この人たちは誰…?
わからない…。)

 

夢の中に浮かんでくる光景もやがて消え去り
エリシアは一人、闇の中にとり残された。

 

エリシア
(わたしは…どうなるの…?)

 

To Be Continued…

【メインストーリー第4話】エリシアのために

投稿者:
【プロデューサー】KAZ

○ラボ

意識を失ったエリシアはラボの
医療プラントの中に移された。

 

ドクター
「…しばらくは
エリシアちゃんとは面会謝絶よ。」

 

ドクター
「それに、どうもエリシアちゃん、
自分の名前以外の記憶が無いみたいね。」

 

フェロー
「え、それって記憶喪失って事?
だ、大丈夫なの!?」

 

ドクター
「大丈夫なわけないわよ。
でも、まずは身体の回復を優先しないと…。」

 

サルーンガール
「やっほー!
噂の謎の少女に会わせてよー!」

 

ドクター
「はぁ…
どこでエリシアちゃんの事を聞きつけたか
知らないけど面会謝絶よ。」

 

サルーンガール
「ちょっとくらい、いいでしょドクター!
その少女に会わせてよぉ!」

 

ドクター
「ダメよ。
面会謝絶って言ったでしょ。」

 

サルーンガール
アナタ、そしてフェローちゃんも
一緒にドクターに頼んでよぉ。」

 

サルーンガール
「カプセルから出てきたっていう
謎の少女ってどんな子なのよぉ?
気になって仕方ないわ。」

 

ドクター
「誰が頼んでもダメ。
この面会謝絶は船長命令よ。」

 

サルーンガール
「船長命令?
なんで船長さんがそこまでするのぉ?」

 

ドクター
「あの子が衰弱している原因が
まだ判らないからよ。」

 

ドクター
「そういうわけだからサロンちゃんは
もう帰ってくれないかしら。」

 

サルーンガール
「せっかく来たのにひどいわぁ!
ドクターの鬼! 悪魔! メガネ! 巨乳!」

 

○サロン



サルーンガール
「なんで会わせてくれないのよぉ…。」

 

フェロー
「まあまあ…。あたしたちが
知っている事なら話してあげるから。
君も、いいよね?」

 

フェロー
「あの子… エリシアちゃんについては
君とあたしが第一発見者なんだから!」

 

フェローに促されるようにして、
「エリシアについて一通りの事を
サルーンガールに語った。」

 

サルーンガール
「ふーん、エリシアちゃんって名前なの。
記憶喪失なんて可哀想だわぁ。」

 

サルーンガール
「もっと聞きたいわ。
エリシアちゃんのスリーサイズとか
どれくらいかしら?」

 

フェロー
「そんな事まで判らないけど…
そういえば、服はボロボロだったね。
スカートとか破れていたし。」

 

サルーンガール
「そうだわ!
フェローちゃんも知ってるでしょ。
アタシは裁縫が得意なのよ!」

 

フェロー
「ああ、そういえば
その自分の服も自作だって
聞いた気がするよ。」

 

サルーンガール
「エリシアちゃんの服を
アタシが作ってあげるわ!」

 

サルーンガール
「…でも、考えてみると
今は手持ちの布が足りないわ…。」

 

サルーンガール
「そうだ、アナタ
布キレを調達してきてくれない?」

 

─ 数時間後…

 

○サロン

 

サルーンガール
「布キレを調達してくれたのね!
これで服が作れるわ!」

 

サルーンガールは
ものすごい勢いでミシンを回して
服を作り始めた。

 

フェロー
「すごい…。
ミシンガールに改名してもいいくらい!」

 

サルーンガール
「できたわ! 完成よぉ!」

 

フェロー
「早すぎる…。
しかも一着じゃなくて
いろいろ作ってるし…。」

 

サルーンガール
「まずは鬼のブラと鬼のパンツ!
虎の毛皮でできていて
強くて10年はいてもやぶれないわぁ。」

 

フェロー
「なんで布キレから
そんなものができるの!?」

 

サルーンガール
「次はさらし巻きとふんどしよ!」

 

フェロー
「今度はほぼ布キレのまま!?
というか、女の子に何を着せる気なの!」

 

サルーンガール
「最後はこのセーラー服。
おそろいでアタシのぶんも作ってみたわぁ。」

 

フェロー
「エリシアちゃんはともかく
サロンの人がセーラー服着たら
それはもう、いろいろとヤバイよ!」

 

サルーンガール
「これでエリシアちゃんも
喜んでくれるかしら?」

 

フェロー
「それは微妙…
というか病人に着せる服じゃないし…。」

 

サルーンガール
「そう、残念ねぇ。
でもせっかく作ったんだから
届けに行くわぁ。」

 

フェロー
(こんなもの届けていいのかな…。)

 

○ラボ

 

…

 

「ドクター
また来たの?
エリシアちゃんは
まだ会える状態じゃないわよ。」

 

サルーンガール
「今回は会いにきたんじゃないわぁ。
エリシアちゃんのために作った
服を届けにきたのよ。」

 

ドクター
「服…?
なんだかすごい服もあるけど…。」

 

サルーンガール
「エリシアちゃんが目覚めたら
これを渡しておいてねぇ。」

 

ドクター
「ま、まあ、一応、受け取っておくわ。」

 

サルーンガール
「じゃあ、アタシはサロンに戻るわね。
アナタもいろいろ手伝ってくれて
あ・り・が・とねぇ!」

 

…

 

○司令室



その夜、司令室に
オフィサー、ドクター、マスターの
三人が集まっていた。

 

オフィサー
「彼女の… エリシア君の様子はどうかね?」

 

ドクター
「容態は落ち着いているわ。
じきに意識も戻るはずよ。」

 

ドクター
「でも記憶が回復するかは疑問ね。
どうも普通の記憶喪失では
ないような気がするのよ。」

 

マスター
「俺はあのエリシアとかいう娘は
危険だと思う。」

 

ドクター
「…危険とはどういうことよ?」

 

マスター
「根拠があるわけじゃない。
ただの俺の勘だ。
嫌な予感がする。」

 

ドクター
「非科学的ねえ。」

 

オフィサー
「いやドクター、私もマスターと同じ意見だ。
エリシア君の置かれた状況そのものに
うまく言えないが不穏な気配がする。」

 

ドクター
「二人がそこまで言うなら
何かあるのかもしれないわね。」

 

オフィサー
「危険があるかもしれないが、だからこそ
エリシア君の存在は重要だ。
ドクター、彼女を頼んだぞ。」

 

ドクター
「ええ…。」

 

To Be Continued…

【メインストーリー第3話】謎の少女”エリシア”

投稿者:
【プロデューサー】KAZ

○ラボ

 

ラボのドクターから
生命維持カプセルの少女について
話があるから来てほしいと連絡があった。

 

フェロー
「やぁやぁ、君も
ドクターに呼び出されたの?
あたしもだよ。」



ドクター
「あら、二人ともようこそ。
でも、どうせ来てくれるなら
大怪我のひとつでもしてから来てほしいわ。」

 

フェロー
「あのドクター…。
あのカプセルの子の話があるっていうから
来たんだけど…。」

 

ドクター
「判っているわ。
今のはいつもの軽い冗談よ。」

 

フェロー
「ドクターの冗談は
なんか笑えないんだよ…。」

 

フェロー
「それでドクター
ひょっとしてあの子が目覚めたの?」

 

ドクター
「…いえ、残念ながら
目覚めてはいないわ。
衰弱して眠ったままよ。」

 

ドクター
「私も生命維持カプセルを軽く調べてみたけど
どうしてあの子があんなに衰弱したのか
判らないのよ。」

 

フェロー
「ええっ?
ドクターでも
判らないことってあるの?」

 

ドクター
「そもそも生命維持カプセルを
実用化したという話は聞いたことがないわ。」

 

ドクター
「だから、あれは高度な技術をもった誰かが
誰にも知らせずに独自に作り出したもの
ということになるわ。」

 

ドクター
「未知の技術が使われてる部分もあるし
私でも、時間をかけてじっくり調べないと
詳しいことは判らないわよ。」

 

フェロー
「うーん、あれって
そんなに大したものだったんだね…。」

 

ドクター
「時間のかかりそうな調査は後回しにして
それより、あの少女のことよ。」

 

ドクター
「衰弱した理由は判らなくても
対症療法的に治療はできるわ。
単純に体力を回復させればいいのよ。」

 

ドクター
「そのために薬を作ろうとしてるんだけど
ちょっと材料が足りないのよね。」

 

フェロー
「薬の材料?
何が足りないのかな?」

 

ドクター
「レンギョウの花よ。
昔から漢方薬とかにも使われてる薬草ね。」

 

ドクター
「でも、それがどこにあるかは
私にはちょっと判らないんだけど…。」

 

フェロー
「それは大丈夫!
ランドシップ一番の調査員のあたしなら
レンギョウのある場所を知ってるよ!」

 

フェロー
「東の森でレンギョウを見たって
ついこの前に聞いたところだよ。」

 

フェロー
「そう、東の森だよ。
そこで手に入るはず。
多分、ね!」

 

ドクター
「あら、それならアナタたち
レンギョウを採ってきてくれないかしら?」

 

フェロー
「もちろん。
というわけで、君!
がんばってね!」

 

─ 数時間後…

 

○ラボ

 

ドクター
「レンギョウは取ってきてくれた?」

 

フェロー
「ばっちりよ!」

 

ドクター
「それなら、さっそく薬を作ってみるわ。」

 

フェロー
「でもドクター
そんな普通の漢方薬が
あの子の回復に役立つの?」

 

ドクター
「そのまま使うわけじゃないわ。
レンギョウから体力回復の成分を抽出して
それをアレとかコレとかと合成して…。」

 

ドクターの操作でラボの機械が
怪しげな音と光を放ちながら動き出した。

 

ドクター
「うふふ…これはいいレンギョウね…。
いい感じに薬が三身合体されていくわ…。」

 

フェロー
「なんかドクターが怖い!?
大丈夫なの!?」

 

ドクター
「大丈夫よ。
合体事故なんて滅多に起きないわ。」

 

フェロー
「たまには事故起きるの!?
というか、薬で合体事故って何!?」

 

ドクター
「ふーん。こんなものかしら。」

 

ドクター
「さあ、ちゃんと薬ができたわ。」

 

フェロー
「ドクター、それ本当に大丈夫な薬?
飲んだら1日に30時間鍛錬したような
ドーピングモンスターになったりない?」

 

ドクター
「あら、失礼ね。
そういう薬も作れないこともないけど、
これはただの体力回復薬よ。」

 

フェロー
「ドーピングモンスターもできるの!?
それ本当!?」

 

ドクター
「大丈夫よフェローちゃん。
もし、そういう薬が元で
大勢が犠牲になる惨事が起きたとしても…。」

 

ドクター
「私が全員生き返らせてあげるから
何も問題は無いわ。」

 

フェロー
「そ、そういう問題かな…?」

 

ドクター
「それより、早くこの薬を
あの子に投与しましょうか。」

 

…

 

しばらくすると衰弱して眠る少女の顔に
わずかな生気が戻った。

 

ドクター
「呼吸と脈拍が安定してきたわ。
安静にしていれば大丈夫よ。」



謎の少女
「……う。」

 

フェロー
「あ、ドクター!
この子、目を開けたよ!」

 

謎の少女
「ここはどこ? あなた達は…?」

 

ドクター
「ここはランドシップ…
と言っても判らないかしらね?
まあ、ここは安全な場所よ。」

 

ドクター
「アナタの名前は?」

 

謎の少女
「…わたしは…エリシア…。
…あとは…あとは…。」

 

フェロー
「エリシアちゃん?
あと? あとは? どうしたの?」

 

エリシア
「…わからない…わからないの…。」

 

エリシア
「…っ!」

 

ドクター
「そこをどきなさい!
急に脈拍が乱れだしたわ!」

 

フェロー
「エリシアちゃん! しっかりして!!」

 

エリシア
「……」

 

エリシア
「…お父さん…。助けて…。」

 

エリシア
「……」

 

少女はそう言うと再び意識を失った。

 

To Be Continued…

【メインストーリー第2話】謎のカプセル

投稿者:
【プロデューサー】KAZ

○ガレージ

エンジニアからアマモ跡地で見つかった
例のカプセルについて判った事があるから
ガレージに来てほしいと連絡があった。

 

エンジニア
「やあ、ようやく来てくれたね。
待ってたよ!」

 

エンジニア
「判ってる、このカプセルの事だよね。
あれからいろいろ調べて
すごいことが判ったんだよ!」

 

エンジニア
「これは、生命維持カプセルと
呼ばれているものなんだよ。」

 

エンジニア
「いわゆるコールドスリープとは
ちょっと違ったものだけど…。」

 

エンジニア
「この中に入っている者を
長期間眠らせて生命を維持する
ことができるんだ。」

 

エンジニア
「そして、この生命維持カプセルは
今も稼働中なんだ…。
つまり…。」



フェロー
「つまり、この生命維持カプセルの中には
誰かが入ってるって事だね!」

 

エンジニア
「ちょっとフェローさん!
ボクのセリフを取らないでよ!」

 

フェロー
「だってさ~ 黙って見ていたら
エンジニアはいつまでたっても
あたしを紹介してくれないし!」

 

エンジニア
「…ああ、そうだったね。
この人はフェローさんって言って
この調査を手伝ってくれてるんだよ。」

 

フェロー
「まあ、調査ならまかせてよね
なにしろあたしはランドシップで一番の
調査員なんだからね!」

 

エンジニア
「一番ってランドシップの調査員は
フェローさん一人だけしかいないはず…。」

 

フェロー
「それはいやその…
そ、そうだ、まだ生命維持カプセルの
説明が途中だったでしょ!」

 

エンジニア
「まあ、そうだけど…
でもその辺のことはフェローさんのほうが
詳しいんじゃないかな?」

 

フェロー
「じゃあ、後はあたしから説明するよ。
この中に誰かが入っていることは
さっき説明があったけど…。」

 

フェロー
「この生命維持カプセルは、
厳重にロックされていて
開けることができないんだ。」

 

フェロー
「ロックを解除するには
キーとなるものが必要なんだけど…。
君、持っていたりしない?」

 

フェロー
「うーん、持っているわけないよね…。
じゃあ、探しに行かないとね。」

 

フェロー
「カプセルはアマモ跡地にあったんだよね。
そこにキーみたいなものなかったかな?」

 

エンジニア
「キーと言っても電子的なロックだから
たぶんカードとかだと思うよ。」

 

フェロー
「そう、カード!
カードみたいなのだよ!」

 

フェロー
「何か心当たりあるかな?
とりあえずアマモ跡地に行ってみようよ!」

 

フェロー
「あ、今回からあたしが同行するからね。
船長さんもこの件は重要視していて
君に協力しろって言ってたんだよ。」

 

フェロー
「これからよろしくね。
ナンバーワン調査員のあたしを
頼ってくれていいよ!」

 

エンジニア
「だからナンバーワンもなにも
調査員は一人しかいないって…。」

 

フェロー
「さあ、アマモ跡地に出発!」

 

 

○ガレージ

 

アマモ跡地でICカードを見つけ、
ガレージに戻って来た。

 

エンジニア
「ICカードが見つかったんだね?
それなら生命維持カプセルを開けられるよ。」

 

フェロー
「ちょっと待って!」

 

エンジニア
「どうしたのフェローさん?」

 

フェロー
「いや、考えてみたらこの中に入っているの
人間と決まったわけじゃないよね?」

 

フェロー
「モンスターとか犬とかが
入っていたら危ないかも…。」

 

エンジニア
「なんでモンスターと犬が
同列なのか判らないけど…。」

 

エンジニア
「大丈夫だよ。
人間用の生命維持カプセルなんだから
中にいるのも人間だって。」

 

フェロー
「じゃあ、死体だったりするかも…。」

 

エンジニア
「生命維持カプセルは稼動中なんだから
中の人も生きているよ!」

 

エンジニア
「もう、邪魔しないでよフェローさん!
キミ、ICカードをここに入れて。
それだけで開くはずだから。」

 

言われた通り、ICカードを
生命維持カプセルに差し込んだ。

 

フェロー
「…あれ?
ICカード入れたけど開かないよ。」

 

エンジニア
「ちょっとは時間かかるんだよ。
眠っている中の人を覚醒させるんだから。」

 

フェロー
「なるほど、解凍中ってことだね。
あ、生命維持カプセルが開く…!」



謎の少女
…

 

エンジニア
「女の子…?
生きているよね?
まだ眠ってるみたいだけど…。」

 

フェロー
「…おかしいな。
生命維持カプセルが開くと中の人も
目覚めるはずなんだけど…。」

 

エンジニア
「たぶんだけど、長く眠りすぎて
衰弱しているのかもしれない。」

 

エンジニア
「人の体はボクの専門外だよ。
ドクターを呼んでこよう。」

 

生命維持カプセル中にいたのは謎の少女だった。
少女は目覚めないまま、ドクターのラボへ
移されることになった。

 

フェロー
「あの子の首の装飾…首輪…?」

 

フェロー
「気に障る事なんてないはず…なのに…」

 

To Be Continued…

【メインストーリー第1話】謎の女

投稿者:
【プロデューサー】KAZ

メタルサーガ~荒野の方舟~
メインストーリー 第一章「人類再生への軌跡」

○酒場

ある日、酒場に行ってみると
小柄な姿が目に止まった。
エンジニアだ。



エンジニア
「やあ、キミも食事?
ボクもいつもここで食べているんだけど
どうせなら一緒にどうかな?」

 

サルーンガール
「やっほー、ここなら席空いてるわよ~!」

 

エンジニア
「うーん、どうやら
空いている席あそこしかないみたいだね。」

 

サルーンガール
「エンジニアちゃんはお食事だけ?
ここは酒場なんだけど…
でもお子様にはお酒はまだ早いかしらぁ。」

 

エンジニア
「ボクはこれでもハタチは超えてるよ!」

 

サルーンガール
「はいはい、わかったわよぉ。
それよりエンジニアちゃんとアナタ、
あの噂は聞いたかしらぁ?」

 

エンジニア
「噂…?
知らないよそんな事。
噂話とか興味ないし。」

 

サルーンガール
「噂って言っても出所は確かなのよぉ。
知り合いの友達の妹の同僚の同級生の
恋人のお母さんが確かに聞いたって…。」

 

エンジニア
「ほぼ他人だよねそれ…?
すごく、うさんくさいよ。
特に最後のお母さんというあたりが。」

 

サルーンガール
「ちょっと、そういうこと言うのは
せめて内容くらいは聞いてからにしてよ。」

 

エンジニア
「まあ、聞くだけならいいけど…。」

 

サルーンガール
「じゃあ教えてあげるわ。
アマモ跡地って知ってるわよね?」

 

エンジニア
「たしか、大きな街の跡地だよね。
今では廃墟も崩れて
瓦礫しかないはずだけど。」

 

サルーンガール
「地上はそうなってても
地下にはまだ何か残ってるらしいのよ。」

 

サルーンガール
「噂によると大破壊後に破棄された
戦車や兵器があるんじゃないかって…。」

 

エンジニア
「うーん、怪しい…。
怪しい噂だけど戦車や兵器か…。」

 

サルーンガール
「アナタはどう?
ハンターのアナタなら戦車とか
興味ないわけないはずよねぇ?」

 

サルーンガール
「噂どおりに戦車や兵器があるのなら
きっと価値があるもののはずよ?」

 

エンジニア
「ボクだって興味あるよ!
見たことない戦車や兵器があるなら
さわって調べてみたいよ!」

 

サルーンガール
「エンジニアちゃん
なんか急にやる気になったみたいね。」

 

エンジニア
「うんっ!
よし、アマモ跡地に行くんなら
ボクが案内してあげるよ!」

 

エンジニア
「え、わざわざ案内しなくてもいい?
いや、ボクも技術者として
現地を見てみたいし行くよ。」

 

こうして、エンジニアの案内で
アマモ跡地に行く事になった。

 

○酒場

アマモ跡地で探索を終え、
酒場でサルーンガールと話をしていた。

 

サルーンガール
「やっほーエンジニアちゃん!
それで結局、まともな戦車は
見つからなかったんだってぇ?」

 

エンジニア
「見つかったのは欠片だけだったよ!
せっかく行ったのにね。」

 

エンジニア
「でも、くたびれ損ってわけじゃないよ。
戦車はダメだったけど
別にすごいものも見つけたんだ。」

 

 

サルーンガール
「え、なになに?
なにを見つけたのよぉ?」

 

エンジニア
「うーん、あれは…
なんというか…。」

 

サルーンガール
「ケチケチしないで教えてよぉ。
そうだ、アナタも見たんでしょう?」

 

サルーンガールに迫られるが返答に困る。
確かに見たには見たが
あれはいったい何なのだろう?

 

…

○アマモ跡地(回想)

 

エンジニア
「戦車の欠片はあれだけしかないのかな?
もっとよく探せば他にも…。」

 

老朽化した地下施設の壁が崩れ
隠されていた部屋が見つかった。
その中にあったものが…。

 

エンジニア
「あ、危ないよキミ!
そっちは天井が崩れそうだって…
え、何かがある?」

 



 

エンジニア
「これは…いったい…?」

 

それは、カプセルのようなものがついた
大きな機械装置だった。

 

エンジニア
「この機械、まだ稼動してるみたいだね。
ひょっとしたら、すごいものかもしれない。」

 

エンジニア
「この大きさなら
なんとか運び出せそうかな…。」



フードをかぶった女
(……。)

 

エンジニア
「だ、誰!?」

 

フードをかぶった女
「……ッ!」

 

エンジニア
「あ、待ってよ!」

 

エンジニア
「ダメだ…すごい早さで走って行っちゃった。
とても追いつけないね…。」

 

エンジニア
「なんだったんだろうあの人?
ボクたちの後をつけてきたみたいだけど…。」

 

…

 

(回想終わり)

 

○酒場

エンジニア
「別に意地悪で教えないわけじゃないよ。
あのカプセル… かな?
あれがなんなのかよく判らないんだ。」

 

エンジニア
「でも、高度な技術で作られたものなのは
間違いないかな。」

 

サルーンガール
「ふーん、たいしたものなのねぇ。」

 

エンジニア
「でも、あのカプセルが何なのか
もうちょっと調べてみないと
詳しい事は判らないよ。」

 

サルーンガール
「さっきからカプセルとか言ってるけど
お薬が入ってて飲むアレ?」

 

エンジニア
「そういうのじゃないよ!
こっちのカプセルは人間より
大きいくらいだし。」

 

エンジニア
「でも中に何か入っているというのは
一緒かもしれないかな?」

 

サルーンガール
「何が入っているのよぉ?」

 

エンジニア
「何のカプセルかも判らないのに
そんなことが判るわけないって。」

 

エンジニア
「これからもっとよく
調べてみるつもりだから
詳しいことが判ったら教えるよ。」

 

エンジニア
「あ、何かキミの協力が
必要になるかもしれないから。
その時はお願いするね。」

 

To Be Continued…

新しい記事 »