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【メインストーリー第63話】闇に舞う桜

投稿者:
【運営】鶏太朗

〇転送装置

 

 

白百合

「では、準備も出来たことですし

わたくし達もグレートウォールに向かいましょうか。」

 

 

 

スプーキー

「ヘイ ラッシャイ!

…ナンカヒサシブリダナ。」

 

 

 

ニーナ

「鳥なのに人間の言葉を喋るのか…?」

 

 

スプーキー

「オイラハ トリ ジャネエ!」

 

 

 

ジェシィ

「あはぁ、可愛い鳥さんねぇ。」

 

 

 

スプーキー

「ダ カ ラ!

 

 

モウ ハンロンスルノモ ツカレタゼ…。

デ、ドコニイクンダ?」

 

 

 

ドクター

「グレートウォールのキャンプAに転送をお願いできる?」

 

 

 

スプーキー

「ガッテンショウチ!

 

ヒサシブリニ トバスゼー!」

 

 

 

スプーキーが装置のスイッチを押すと

白百合達は白い光に包まれた。

 

 

〇グレートウォール キャンプA

 

光が消え、転送された先は

指定通りグレートウォールの人喰い砂漠の

近くにある『キャンプA』だった。

 

 

ニーナ

「ふぅ…。どうも転送は苦手だ。

身体が妙にフワフワする。」

 

 

 

ジェシィ

「転送事故が起きなくて良かったわねぇ。」

 

 

白百合

「ここには久しぶりに帰って来ましたね。」

 

 

 

ドクター

「そういえば、白百合ちゃんと紅葉ちゃんは

カベノオクで生活していたのよね?」

 

 

 

白百合

「ええ、そうです。

新統合軍解散後、故郷のセンゲンには帰らず

ここで紅葉と暮らしていましたわ。」

 

 

 

ニーナ

「なぜ故郷に戻らなかったんだ?」

 

 

 

白百合

「…センゲンに戻らなかった理由は、

元軍人の父に…合わせる顔が無かったからです。

 

『エルピス作戦』で大敗し、同じ軍人として

恥ずかしい醜態を晒してしまいましたから…。」

 

 

 

ドクター

「気にしすぎだと思うわよ、白百合ちゃん。

状況が状況だっただけに仕方無かったと思う。」

 

 

 

白百合

「…はい。その一言で少し心が救われました。」

 

 

 

ドクター

「いいのよ。

いつまでも過去に囚われてちゃ前に進めないわ。

 

…ふぅ、私もそろそろ進まないといけないわね。」

 

 

 

白百合

…?

 

 

 

ドクター

「ううん、何でもないわ。ただの独り言よ。」

 

 

 

白百合

「は、はい…。」

 

 

 

ジェシィ

「じゃぁ、ちょっと旧統合軍に関する施設について

みんなに聞いてくるわねぇ~。」

 

 

─ 十数分後…

 

 

ニーナ

「う~ん、なかなか戻ってこないな…。」

 

 

 

ドクター

「そうねぇ。

そろそろ戻ってきても良い時間だと思うけれど…。」

 

 

 

白百合

「あ、戻ってきましたわ。」

 

 

ジェシィ

「はぁ…はぁ…。みんな、ごめんねぇ。

 

情報だけを聞くつもりがぁ、

みんなに握手とかサインとか求められちゃってぇ…。

お話をしてたらこんな時間にぃ~…。」

 

 

 

ドクター

「さすがは人気トレーダーね…。

で、どうだったの?」

 

 

 

ジェシィ

「関係がありそうな施設は東の壁を越えた雪原地帯にある

天候制御研究所、超未来発電所とぉ、

ここから南西にある湾岸ビルの3つが怪しいみたいよぉ。」

 

 

 

白百合

「天候制御研究所、天候制御研究所っと…。」

 

 

 

ドクター

「白百合ちゃん、その端末は?」

 

 

 

白百合

「あ、これですか?

何かと便利かと思いまして、

フェローさんがいつも持ち歩いていらっしゃる

タブレット端末と同じ物をオフィスから借りてきました。」

 

 

 

ニーナ

「なるほど。それがあれば

データベースから色々調べられるな。」

 

 

 

白百合

「ありましたわ。では、読みますね。」

 

 

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天候制御研究所 (Weather Control Center)

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ベールウッズのすぐ近くにある森林地帯に存在する遺跡。

 

大破壊前の「地球環境問題の解決を目的とした国際的プロジェクト」の一環として

「流体エネルギーによる広域天候制御機構の開発研究」が行われていた施設。

 

この施設の中枢の『天候制御システム』が暴走してる影響で

壁を越えた東側が寒冷地化してしまった。撒菱重工の技術者やカンパニーの有志によって

正常化あるいは完全停止が研究されていたが、未完に終わり今は放置されている。

 

記録:GW調査再生班

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白百合

「…と書いてありますね。

ここはカベノオクに近い場所にありましたので

中に入ったことはありませんけれど、近くで見たことはあります。

ここの記述通り、廃墟になっていました。」

 

 

 

ドクター

「壁の向こう側が雪原地帯なのはここの施設が原因だったのね。

しかしなぜ放置されたのかしら…。」

 

 

 

ジェシィ

「大破壊前に研究が行われていたって書いてあるから

『大破壊』が原因じゃないかしらぁ。」

 

 

 

ドクター

「仕方ないにしても

周りの町の人達からすると迷惑な話よね…。」

 

 

 

白百合

「超未来発電所もありました。読みますね。」

 

 

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超未来発電所 (Super Future energy Power plant)

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鉄道組合本部すぐ近くの川沿いに存在する遺跡。

 

『天候制御研究所』と同じく「地球環境問題の解決を目的とした国際的プロジェクト」の

一環として、大破壊前に各国家が合同で設立した施設。

 

完全無公害・完全再生可能な代替エネルギーの開発」というテーマを掲げた

チームが研究開発にあたったみたいだが、謎の生命体が発電炉に寄生し、

エネルギーを吸収された影響で発電量が低下し発電所として機能しなくなり放置された。

 

記録:GW調査再生班

———————————————————-

 

 

白百合

「…と書いてあります。

天候制御研究所と同じ理由で建てられた施設のようですね。」

 

 

 

ニーナ

「2つの施設は国が関わっているようだが、

軍事関連の施設ではないようだな。」

 

 

 

ジェシィ

「そうねぇ。湾岸ビルはどうかしらぁ?」

 

 

 

白百合

「少しお待ちくださいね…。

えーっと…。あ、ありました。」

 

 

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湾岸ビル A棟/B棟/C棟 (GuLf Bbuildings)

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南西部の海岸沿いに立ち並ぶA棟/B棟/C棟の3つのビルから成り立っている。

ういう用途で使用されていた施設かは不明だが、軍の戦車や装備等が

カンパニーによって発見されている事実から

人類統合軍の駐屯地だったのではないかと推測されている。

 

記録:GW調査再生班

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ジェシィ

「人類統合軍!ビンゴねぇ。」

 

 

 

ドクター

「じゃ、さっそく湾岸ビルに向かいましょう。」

 

 

通りすがりのメカニック

「あなた達、湾岸ビルに行くの?

やめといた方がいいわよ~。」

 

 

 

ニーナ

「そのつもりだが、どうかしたのか?」

 

 

 

通りすがりのメカニック

「あそこのビルは随分前からモンスターの住処になっているんだけど、

どうも最近やばい賞金首が住み着いているみたいなのよ。」

 

 

 

白百合

「”やばい”賞金首…ですか?」

 

 

 

通りすがりのメカニック

「うん。『マンイーター』と呼ばれている

超大型カメレオンがいてね、何人か湾岸ビルに忍び込んで

お宝を拝借しようとしたごろつき共が丸飲みにされたらしいのよね。

逃げ帰ったやつらに聞いたんだけど~。」

 

 

 

ドクター

「カメレオンと言うとスターフォールに居る

ビルカメレオンとかカメレオンテと同系種かしら?」

 

 

 

ニーナ

「マンイーターか。噂は聞いたことがある。

睡眠ガスを吐くそうだが、カメレオン型モンスター特有の

光学迷彩を使われると厄介だな…。」

 

 

 

通りすがりのメカニック

「あと、最初に発見された時は茶色い姿だったけど、

今は変色して赤色になってるみたい。

理由はよくわかんないんだけどね。」

 

 

 

ドクター

「カメレオンは怒ると体の色が真っ赤になるという性質があるわ。

お宝を盗もうとしたごろつきに怒ってるのかしら…。」

 

 

 

通りすがりのメカニック

「あそこはB2マンタレイが上空を徘徊しているから

まあ、何にせよ本当に行くなら気を付けてよね。」

 

 

 

白百合

「ご忠告ありがとうございます。

しかし、B2マンタレイはハンターと戦車が必須なので

この構成では討伐が困難ですね…。」

 

 

 

ジェシィ

「うっかり会ってしまったら、

手を出さない限り攻撃はしてこないと思うけどぉ、

爆撃されてしまう可能性もあるわねぇ。

 

みんなで私の『ポルシェ470』に乗って

人喰い砂漠の方を迂回した方がよさそうねぇ。」

 

 

 

ドクター

「ポルシェ…?

あの大破壊前に存在したスポーツカーかしら?」

 

 

 

ジェシィ

「違う違う、RSOトラクターよぉ。

さ、みんな乗ってぇ。」

 

 

─ 数時間後…

 

 

○湾岸ビル前

 

ドクター

「何とかB2マンタレイに会わずに

無事着いたわね。」

 

 

 

ニーナ

「本来は徘徊ルートなんだが、

今日はついてたね。」

 

 

 

白百合

「『マンイーター』が住み着いてると言われているのは

C棟のようですね。」

 

 

 

ジェシィ

「じゃ、私はお荷物になるから

外で待機してるわねぇ。

何かあったらBSコントローラーで連絡してねぇ。」

 

 

 

ドクター

「じゃ、入りましょうか。」

 

 

○湾岸ビルC棟 内部

 

ビルの中はモンスターの巣窟となっており、ひどく荒れ果てていた。

今にも崩れそうな壁や、むき出しになった鉄骨。

時折地面には人間の骨らしきものも落ちている。

 

 

ニーナ

「これは酷い…。

とても軍の駐屯地だったとは思えないねぇ。」

 

 

 

ドクター

「臭いやホコリもひどいわね…。

うっ…!ゴホンゴホン…。」

 

 

 

白百合

「恐らくですが軍がこのビルを破棄した後、

人間がここに住み着いていたんじゃないでしょうか。

生活をしていたような痕跡もありますし…。」

 

 

 

ニーナ

「言われてみれば、缶詰とか食料の残骸が落ちてる。

もしかすると、モンスターが住み着くようになって

追い出されたのかもしれないねぇ。」

 

 

 

ドクター

「この人間の骨は…。服装からして

ハンターかしら…。」

 

 

 

ニーナ

「恐らくお宝目当てに忍び込んだ

ごろつき共やハンターたちの成れの果てだろうねぇ。

ここは、酸を吐くアシッドアントや

即死攻撃を持つ危険なサムライアリが住み着いているようだからね。」

 

 

 

白百合

「とても危険ですね…。用心して進みましょう。」

 

 

途中アシッドアントに不意に襲われ危ない場面もあったが、

着々と敵を倒していき、階を登る白百合達。

 

道中にあった木箱から大量のクノイチや忍び服が見つかった。

軍が使用していた装備なのだろうか。

 

 

ドクター

「…和装…かしら?」

 

 

 

白百合

「センゲンにあった装備に似てますね。

状態も綺麗ですし、普段着るのに丁度良いので

持ち帰りましょう。」

 

 

 

ドクター

(…しっかりしてるわね、この子…。)

 

 

 

ニーナ

「さぁ、ぼさっとしてないでとっとと行くよ!」

 

 

 

白百合

「…すみません!今行きます!(両手に大量の服を抱えて)」

 

 

─ しばらくして…

 

 

ニーナ

「見た感じこの階段を上がれば

たぶん最上階かねぇ。」

 

 

 

白百合

「そうですね。

どうやらここが終着点のようですね。」

 

 

 

ドクター

「マンイーターに遭遇しなかったけど…、

やっぱこういうのって最後の部屋にいるのかしら…。」

 

 

最上階に着くと無駄に広い部屋に出た。

部屋の真ん中には巨大なカメレオンのようなモンスターがいる。

その赤い姿は噂にあった『マンイーター』だ。

 

 

ドクター

「やっぱり…。お決まりのようね。」

 

 

 

白百合

「警戒してください…!!」

 

 

よく見るとマンイーターの近くに人のような影が見える。

その瞬間、マンイーターはその”人のような何か”を

大きな口を開け一瞬で飲み込んだ。

 

マンイーター

「グルルルッ…。ゴクンッ。」

 

 

 

ニーナ

「人…を飲み込ん…だ…?」

 

 

 

白百合

「すぐに腹を裂けば消化はされないはずです!

…行きますッ!!」

 

 

白百合はマンイーターに向かって

走り出そうとしたその時…。

 

マンイーターが苦しむように暴れだした。

 

 

ドクター

「白百合ちゃん!マンイーターの様子が変だわ!」

 

 

 

白百合

「…え?」

 

 

 

マンイーター

「グルルッ!?…ガフッ…ウェ!!」

 

 

マンイーターの背中が真っ二つに裂け

中から人間…女の子が出てきた。

 

 

ニーナ

「…なっ!?」

 

 

???

「アハっ…♡ 綺麗に裂~け~た♡」

 

 

 

白百合

「お…お前は…!!」

 

 

???

「ん~?あら…。

どこかで聞いた声かと思ったら

白百合じゃない…♡

 

お~ひ~し~ぶ~り♡ アハハッ♡」

 

 

To Be Continued…


【メインストーリー第62話】巨大な影

投稿者:
【運営】鶏太朗

〇フロータシティ

 

 

他地方に向かうクルー達と別れ、

フェロー達は南へ向かう為の対策を練っていた。

 

フェロー

「う~ん…。地図を見る限り、

南側に行く為にはレイクブリッジを渡る以外ない感じだね~。」

 

 

 

マヤ

「橋には新統合軍のゲートが作られているって言ってましたけど…。

今は通れるのでしょうか…。」

 

 

 

マスター

「行ってみない事には何とも言えんな。」

 

 

 

紅葉

「橋に向かう為にはフロータシティの東側に広がる

砂漠地帯を横切る必要がありますわね。」

 

 

 

フェロー

「ちょーっと待っててね。

ふむふむ…。

 

あ、あった!」

 

 

 

マリー

「ん~?何を調べてるの?」

 

 

 

フェロー

「モンスターのデータベースっ!

 

えーっと、その砂漠には『黒角鮫』と呼ばれている

体色が黒いインペイラーの亜種、

ブラックホーンって名前の賞金首が出現するみたい。

…危険度は★6だね。」

 

 

 

マヤ

「★6…。とても危険ですね。

私たちだけで倒せるかどうか…。」

 

 

 

フォックス

「……ふむふむ……。

…おもしろそうじゃあないか。」

 

 

 

マスター

「おいおい……。お前1人なら良いが、

皆を巻き添えにするわけにはいかないだろう。」

 

 

フォックス

「最近リザードは真面目すぎて

つっまんないなー。

あー…つまんないつまんない。」

 

 

 

マスター

「…お前なぁ…。」

 

 

 

フェロー

「やぁやぁ…、二人とも落ち着いて…。」

 

 

 

紅葉

「では、ホバークラフトを装備した戦車や

ミズグモを使って海を横断するのはいかがかしら?

紅葉は海に落ちる自信がありますけど…。」

 

 

 

マヤ

「先程の町の方のお話ですと、湖の水が放射線物質によって

汚染されているそうなので、誤って湖に落ちると

被曝する可能性がありますよね…。」

 

 

 

フェロー

「えーっと…。調べたところ、

最近この辺りの湖で『タールゴン』に似た

ヘドロ状のモンスターも発見されているみたいだね。

まだ詳細は不明みたい。」

 

 

 

マリー

「まっ、まじで…。

タールゴンってあのヘドロみたいなモンスターだよね…。

き、きもちわるぅぃ~…。」

 

 

 

マスター

「突然襲われて湖にでも沈められたら危険だな…。」

 

 

 

フェロー

「う~ん…。まさに八方塞がりだね…。」

 

 

 

紅葉

「まだ砂漠を横断してレイクブリッジに向かった方が

安全かもしれませんわね…。」

 

 

 

マスター

「そうだな。そっちの方がまだ安全そうだ。

道中黒角鮫に遭遇しないよう、気を付けよう。

マヤ、戦車は持ってるか?」

 

 

 

マヤ

「はい!愛車の『スコーピオン』があります。

が、ちょっと車内に犬(バルドゥール)の匂いがするので

フェローさんはダメかもしれません…。」

 

 

 

フェロー

「ん~…、ダメかも…。」

 

 

 

マスター

「FV101装甲車か。3人は乗れそうだな。

マリーは、モンスターバギーで行くのか?」

 

 

 

マリー

「もちろん!

愛用車の『トムボーイ』で行くよっ!」

 

 

 

マスター

「ふむ…。助手席含めて2人が限界か。」

 

じゃあ、俺とエンジニア、フェローは

売店でレンタルしたティーガーに乗ろう。

 

紅葉とフォックスはマヤの装甲車に乗ってくれ。

マリーはそのまま1人で向かってくれ。」

 

 

 

マリー

「…えっ。あたいだけ1人…。」

 

 

 

フェロー

「お姉ちゃん、ドンマイ…。」

 

 

 

〇戦車内部

 

レイクブリッジに向かう為、それぞれの戦車に乗り込み

砂漠に入るフェロー達。

 

向かう最中ふと、車内の片隅に目をやると

変わらず元気の無いエンジニアがそこにいた。

 

 

マスター

「… …エンジニア、大丈夫か?」

 

 

 

エンジニア

「うん…。」

 

 

 

フェロー

「なんて言うか…その…。

…残念だったね…。」

 

 

 

エンジニア

「…ううん、そうじゃないんだ。

それは何となくだけど、予想はしていたから…。」

 

 

 

マスター

「ん?何か気になることでもあるのか?」

 

 

 

エンジニア

「…レイクランドの南部には

ボクが昔小さい頃に住んでいた家があった場所なんだ…。」

 

 

 

マスター

「そうだったのか…。」

 

 

 

エンジニア

「…うん。孤児院に入る前…かな。」

 

 

 

フェロー

「聞いて良いかどうかわからないけど…。

小さい時に両親を亡くしたって言ってたけど…。」

 

 

 

エンジニア

… …。

 

 

 

フェロー

「…やっぱり聴いちゃいけなかったかな…。」

 

 

 

エンジニア

「ううん、大丈夫…。

 

…ある日、お父さんとお母さんと一緒に

昔住んでいた家からフロータシティまで

買い出しに向かっていたんだ。」

 

 

マスター

「南からフロータシティに…?

随分遠い買い物だな。」

 

 

 

エンジア

「うん…。レイクランドには町がフロータシティしか無いから、

月に数回食料とか必要な物資を買いに行ってたの。

 

その向かう途中…、化け物のような巨大な戦車に襲われたんだ。」

 

 

 

フェロー

「化け物のような巨大な戦車…。戦車系賞金首?

イエローバスタード…かな…?」

 

 

 

マスター

「イエローバスタードというと、

戦車の亡霊の集合体というウワサがあるアレか?

でもアレはスターフォールの砂漠にいるんじゃ…。」

 

 

 

エンジニア

「…わからない。でも…

あの大きさから見て恐らく賞金首だと思う。

 

お父さんとお母さんは…ボクを助けるために…。」

 

 

 

マスター

「…。囮になったのか…。」

 

 

 

エンジニア

「…その後、倒れていたボクをたまたま通りかかった

トレーダーの人が助けてくれて、

フロータシティまで運んでくれたみたい。

その後、孤児院に入ったんだよね。」

 

 

 

フェロー

「…もしかして

技師(エンジニア)になった理由って…。」

 

 

 

エンジニア

「…うん。あ、もちろん前にも話したように

機械をいじるのが好きだったのもあるけど…。

 

いつか自分がその化け物戦車に対抗できる

強い戦車を作るのが目標なんだ。」

 

 

 

マスター

「毎日夜遅くまでガレージで何かしているなと思ったら

戦車を開発してたんだな…。」

 

 

 

エンジニア

「そうだよ。

でもボクは戦車は作れるけど乗れない…。

だから、キミ達の力が必要なんだ。」

 

 

 

フェロー

「もちろん!

ナンバーワン調査員のあたしを頼ってくれていいよ!」

 

 

 

マスター

「お前は戦えないだろう…。

 

当たり前だが、俺も協力する。

絶対に両親の仇を取ろう。」

 

 

エンジニア

「…二人とも…ありがとう。」

 

 

 

〇砂漠地帯

 

ドッォンッ!!    ダンダンッ!!

 

砂漠を進むと何やら爆発音や砲撃音が聞こえてきた。

どうやら他のハンター達がブラックホーンと交戦中らしい。

 

 

フェロー

「おおっ!誰か戦ってるー!」

 

 

 

マスター

「俺達が遭遇しなくて助かったな。」

 

ウォォォォォン!!!!

ダンッ!ダンッ!ダンッ!ダンッ!

 

ブラックホーンは大きな唸り声をあげ、

戦車に何度も執拗に体当たりを繰り返している。

 

 

 

マスター

「…ん?

なんかヤバくないか…?」

 

 

 

紅葉

「おされていますわね。

このままでは戦車が大破してしまうのは時間の問題…。

私たちも加勢いたしますか?」

 

 

 

フォックス

「情けないねぇ… …。

ちょっと遊んでやるか。」

 

 

 

マヤ

「あっ!走行中に飛び出すと危険ですよ~!!」

 

 

注意するマヤの言葉に振り返る事なく、

戦車から飛び出したフォックスは

背中に担いでいた高周波ブレードを抜き

ブラックホーンに向かって一直線に走り出した。

 

 

マスター

「おい!待て!フォックス!!」

 

 

 

フォックス

「アーッハッハッハ!」

 

 

高笑いをしながら飛び上がり体を回転させ、

そのまま勢いに乗りブラックホーンを斬りつけた。

 

スブッシャッ!!

 

大きなうめき声と共に

ブラックホーンの身体が大きく揺らいだ。

 

 

そして、流れるようにブラックホーンの背ビレ目掛けて飛びかかり、

フォックスは左手に持っていた長大な対戦車ライフルを撃ち込んだ。

 

バウンッバウンッバウンッ!!

 

ブラックホーン大きな雄たけびを上げ

そのまま砂の海に沈んでいった。

 

 

マリー

「わお!すごいっ!!

一瞬で倒しちゃったよ~!」

 

 

 

フェロー

「相変わらず恐ろしい人だ…。」

 

 

 

フォックス

「…ふぅ。あー、スッキリした。

見た目よりたいしたことないね、アレ。」

 

 

ソルジャー女

「アンタが来なけりゃ危なかった。

おかげで助かったよ。」

 

 

 

フォックス

「ん?アタシは、別にキミたちを助けたって

思ってなんかいないけど?」

 

 

 

ソルジャー女

「なっ…?!」

 

 

フォックス

「キミたちが助かったのは

結果的にそうなったってだけだ。

 

お楽しみの最中に他人を構ってる

ほど、ヒマじゃあないよ。」

 

 

 

ハンター男

「…ッ!てめェ…。」

 

 

 

マスター

「おいおい…。

もっと言い方があるだろ…。

 

すまん、ちょっと変わったヤツなんだ。

許してくれないか。」

 

 

 

ハンター男

「ふん…。まぁ、いい。

 

オレたちはここ周辺のモンスターを狩っているハンターだ。

見たことが無い顔だが…。お前らは何処から来た?」

 

 

 

マヤ

「私たちはランドシップと呼ばれる

地上艦からレイクブリッジに向かっていました。」

 

 

 

ソルジャー女

「おや、ランドシップの人達かい。噂は聞いてるよ。

レイクブリッジには何しに行くんだい?」

 

 

 

マスター

「俺達はレイクブリッジを渡って南側にある

新統合軍の野営基地に行こうとしているんだ。」

 

 

 

ハンター男

「野営基地…?そんなのあったか?」

 

 

 

ソルジャー女

「ほら、あそこだよ。

戦車の残骸が転がってるところさ。」

 

 

 

ハンター男

「ああ、あの廃墟か。

そういや以前に戦車装備を漁りにいった事があったな。」

 

 

 

紅葉

「今は廃墟ですの?」

 

 

 

ソルジャー女

「随分前からさ。どんな用があるのか知らないが、

たぶんロクなモノは残ってないと思うよ。

 

軍の装備が大量に残ってるって噂が広まって

みんな漁りに行ってたからねぇ。」

 

 

 

マスター

「そうか…。でも、もしかすると何か残ってるかもしれない。

そういえばレイクブリッジのゲートは今どうなってるんだ?」

 

 

 

ハンター男

「今はゲートは何者かに壊されて通れるようになってる。

もちろん軍の人間ももういない。」

 

 

 

フェロー

「壊されてるってのは気になるけど…

とりあえずは南側には渡れそうだね。」

 

 

 

ソルジャー女

「南にはここよりも強い賞金首がいる。

気を付けて行くんだよ。」

 

 

 

マスター

「色々と情報ありがとう。

それじゃ、向かうか。」

 

 

〇レイクブリッジ

 

フェロー

「…と、来てみたものの

やっぱり誰もいないね~。」

 

 

 

マスター

「橋の上で争ったような形跡があるな…。

ナノパンデミックの影響なのか…?」

 

 

 

マリー

「ん~。派手に壊されてるね~。

人間が壊したというより、ドでかい兵器で

壊したようにも見えるね。」

 

 

 

マヤ

「とりあえず、ここに居ても何ですし

南側に渡りませんか?」

 

 

 

紅葉

「そうですわね。参りましょう。」

 

 

それぞれの戦車に再び乗り込み

橋を渡ろうとするフェロー達。

 

 

すると橋の南側から巨大な戦車のような影が

こちらへ向かってくる。

 

マスター

「…ん?

あれは何だ…?戦車…か…?」

 

 

 

エンジニア

… …!!

 

 

 

フェロー

「エンジニア、大丈夫?

体が震えてるよ?どうしたの?」

 

 

 

エンジニア

「あぁ…。あ、あぁ…。」

 

 

 

マスター

「ま、まさか…。」

 

 

その影の正体は前方に大きなブレードを持つ

巨大な戦車型のモンスターだった。

 

自分達をこれ以上行かせないと言わんばかりに

橋の上に立ち塞がる。

 

エンジニア

「こ…こ、こいつがお父さんと…

お母さんを殺した化け物戦車…!!」

 

 

To Be Continued…