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【メインストーリー第70話】戦友との再会

○海

 

オニザメに体当たりをされ、その衝撃でロウの胸当てがバラバラに砕け散った。

そのまま海に投げ出され、沈んでいくロウ。

 



サルーンガール

「ロウーーーッ!!!」

 

 

 

ロウ

「…ったく…しゃら…くせェ…。」

 

 

ゴポゴポゴポゴポ…

 

…意識が遠のく中、何かの鳴き声が聞こえる。

 



キュー キュー。

 

ぼんやりと水中にのイルカようなものが見える。

 

 

ロウ

「…ん…、イ、イルカ…?」

 

 

… …

 

 

○???

 

 

ロウ

「うぅ…ん…。」

 



目をうっすら開けると、目の前には海が広がっていた。

どうやら何処かの海岸に流れ着いたらしい。

 

 

ロウ

「くッ…!…ッ痛ェな…。」

 

 

激しい衝撃を受けたせいか、体のあちこちが痛い。

胸当てが粉々に砕け散った為、かなりのダメージを追ってしまったようだ。

 

 

ロウ

「…ッ。回復するまでここで寝てるしかねェか…。

ッたく、しゃら…くせェ…。」

 



 

???

「あら?グッドモーニング! 目が覚めた?」

 

 

ふと目を上げると、どこか見覚えがある女性がのぞき込んでいた。

 

 

ロウ

「なんだ?!…誰だお前…。

 

…ん?…もしかして…。ベルーガ…か!?」

 

 

 

ベルーガ

「オーサム!ええ、そうよ! ロウ!!生きていたのね!!」

 

 

ベルーガはそう言うとロウに飛びつき

強くギュッと抱きしめた。

 

 

ロウ

「オィ!!痛ェッて!ちょ、ちょっと落ち着けって!」

 



 

ベルーガ

「ワオ!ごめんなさいね!

つい、嬉しくなっちゃって!」

 

 

 

ロウ

「ったく、相変わらず元気だなァ。

でもお前、海賊掃討作戦で『砂滑(スナメリ)』は全滅したんじゃ…。

もしかしてお前幽霊じゃねェだろうな…。」

 

 

 

ベルーガ

「ノーウェイ!まさか!

あの時、ネオンスクイッドの電撃受け、

私達、砂滑の補給艦は全て沈んだわ。

 

『ああ、もう駄目だ。』と思った時…

イルカ達に助けられて九死に一生を得たの。」

 

 

 

ロウ

「そうだったのかァ…。

そのイルカが助けてくれたのか?」

 

 

 

ベルーガ

「ええ、この子はレイニー。

前から砂滑はイルカ達と一緒にハンターの救助等を行っていたから

レイニーとは長い付き合いなのよ。」

 



 

レイニー

「キュー。」

 

 

 

ロウ

「お互い信頼してたからこそ、助けてくれたんだなァ。

砂滑の仲間はみんなどうしてんだ?元気なのかァ?」

 

 

 

ベルーガ

「何人かは助けられなかったわ…。

助かった仲間達は、ビーチタウンの医療施設でしばらく治療を受けていたけれど、

ナノパンデミックがあってからは何処にいるのかわからなくなってしまったの…。」

 

 

 

ロウ

「そうか…。でも、お前生きているなら

何で連絡してくれなかったんだァ?心配してたんだぞ。」

 

 

 

ベルーガ

「ナノパンデミックの件もあったから、あまり表立って行動しなかったの。

それに、私もロウが海賊掃討作戦で死んだと思い込んでいたから…。」

 

 

 

ロウ

「お互い死んだと思ってたんだな…。

まぁ、無理もねぇか。」

 

 

 

ベルーガ

「ロウ以外は…生きているの?」

 

 

 

ロウ

「いや、俺以外はみんな死んだ。

俺は特殊な能力を持った胸当てのおかげで生き残った。

…さっき潰れちまッたがな。」

 

 

 

ベルーガ

「リアリー?!…そっか…。

でもロウが生きてて本当に良かった…。」

 

 

 

ロウ

「あぁ…。もう『不死身のロウ』は名乗れなくなッちまッたがなァ。

今はどこに住んでんだ?」

 



 

ベルーガ

「今はここ、要塞島の対岸にある『別荘跡地』でイルカ達とひっそりと暮らしているわ。

たまにビーチタウンに買い出しに行ったり、住民の様子を見にいってるの。」

 

 

 

ロウ

「どうりで同じトコナツにいても会わねぇわけだ。

俺は今海浜工場地帯のキャンプに住んでいる。ベルーガは今なにしてるんだ?」

 

 

 

ベルーガ

「探知用ビーコンを装着したイルカと一緒に水中に潜ってハンターの救助や機雷の探知、

水中モンスターの探索や研究、調査などを行っているわ。」

 

 

 

ロウ

「ん?潜る…?水中ってお前泳げないんじゃなかったか…?

確か…息継ぎが出来ないとか言ってなかったかァ?」

 



 

ベルーガ

「オーライ、恥ずかしいけどその通りよ。

でもこの金色の腕輪のおかげ。

 

これを身に着けて水の中に潜ると、

まるで魚のように永久に潜っていられるの。」

 

 

 

ロウ

「なるほどなァ。俺の胸当てみてェだな。聞く話によると

“大破壊前のロストテクノロジー”によって作られた…だったか?」

 

 

 

ベルーガ

「レイニーが海中を探索している際、沈没船の中で発見したわ。

私はこの子達に助けられたの。だから私もみんなを助けたいなって、ね。」

 

 

 

ロウ

「そうか。お前らしいな。」

 



 

レイニー

「キュー、キュー。」

 

 

 

ベルーガ

「うふふ。レイニーも嬉しそうね。

ところで、ロウは今1人で何をしてるの?」

 

 

 

ロウ

「海賊ハンターをやってたが、今は色々と世話になったランドシップと呼ばれる

地上艦のメンバーと一緒に行動していて、各地に散らばっている鍵を探している。」

 

 

 

ベルーガ

「鍵…?どんな鍵なの?」

 

 

 

ロウ

「頭の部分に目の装飾が入った鍵だ。その鍵を集めると

よくわからないが、グラウンド・ゼロの『パンドラ』の中にある扉が開くらしい。」

 

 

 

ベルーガ

「目の装飾の鍵…。

オーイェス!ちょっとここで待ってて!!」

 

 

そう言葉を残して急いで家の中に入るベルーガ。

 

 

ロウ

「ん?お、おい!!どうした!」

 

 

─ 数分後…



 

ベルーガ

「ソーリー!急にごめんね! 鍵ってこれの事…?」

 

 

しばらくすると家から出てきたベルーガは

頭の部分にノア=アイのレリーフが入った灰色の鍵をロウに差し出した。

 

 

ロウ

「なッ!?どこで見つけたんだ!」

 

 

 

ベルーガ

「トコナツにある人類海軍ビルの中を散策している時に見つけたの!

すごく珍しい形をしていたから、何かに使えるかもってとっておいたのよ。」

 

 

 

ロウ

「これだ!この鍵だ!」

 

 

 

ベルーガ

「ファンタスティック!取っておいて良かったわ!!」

 

 

ベルーガはそう言うとロウに飛びつき

強くギュッと抱きしめた。

 

 

ロウ

「おィ!!だから!痛ェッて…!」

 

 

 

ベルーガ

「ソーリー!ごめんなさい!でも、嬉しくて!」

 



 

ロウ

「…まァ、意外な形でだが、一応目的は達成した。

そうだ。みんなに連絡を取りたいんだが、何か連絡手段はないか?」

 

 

 

ベルーガ

「オフコース!家の中にBSコンがあるわ。

ちょっと待っててね。」

 

 

─ しばらくして…

 

 

ロウ

「お~う。みんな無事みたいだわ。オニザメは俺の仲間が倒したらしい。

あとでビーチタウンで合流する事になった。

 

ベルーガ、船はあるか?イルカは乗り慣れてないから勘弁してェところだ。」

 

 

 

ベルーガ

「オフコース!

私の愛用車「プリンストード」があるわ。」

 

 

 

ロウ

「特四式内火艇 カツのホバーカスタムかァ。

渋いじャねェか。

 

よし、じャ合流するかァ。」

 

 

 

ベルーガ

「ザッツ、ライト!えぇ、行きましょ!」

 

 

 

To Be Continued…

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