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【メインストーリー第17話】父親の影

○ラボ



フェロー
「やぁやぁ!
エリシアちゃん検査終わったかなー?」

 

ドクター
「ちょっと静かにしなさい。
エリシアちゃんは検査が終わって
今は寝ているわ。」

 

ドクター
「静かにしないなら
解剖するわよフェローちゃん。」

 

フェロー
「いや、ドクター…。
軽いお仕置きのノリで
解剖とかしないでよ…。」

 

ドクター
「ふふふ…。
解剖しても後で治してあげるわ。」

 

フェロー
「だからドクターの冗談は
いろいろ怖すぎるからやめてよ!?」

 

フェロー
「それで、えーと…。
エリシアちゃんの検査は
終わったんだよね?」

 

ドクター
「本格的な身体検査って
けっこう体力を消耗するのよね。」

 

フェロー
「ああ、それで
エリシアちゃん寝てるんだ。」

 

ドクター
「エリシアちゃんの身体の回復は順調よ。
記憶も少しずつだけど
戻ってきているみたい。」

 

ドクター
「でも、すべてぼんやりしているというか
断片的というか、そんな状態ね。」

 

ドクター
「そこからエリシアちゃんの過去に関する
情報を得るのは、まだちょっと難しいわ。」

 

フェロー
「でも記憶が戻ってきているんなら
良い兆候だよね。
きっと全部思い出せるよ。」

 

ドクター
「そうね…。
あと生命維持カプセルの事なんだけど…。」

 

フェロー
「カプセルって
あのエリシアちゃんが入ってたやつ?」

 

ドクター
「大破壊前の資料を調べていたら
詳しく書かれていたものを見つけたわ。」



ドクター
「その資料によると
あの生命維持カプセルの
正式な名前はミトラ。」

 

ドクター
「ミトラとは古代の光明神、太陽神の名で
死と再生と契約を司るわ。」

 

フェロー
「…急に難しい話になってきたね。」

 

ドクター
「死と再生の神の名がつけられたのは
人類が壊滅に追いやられた際に備え
人類の保管を目的に作られたからよ。」

 

ドクター
「少数の男女を保管し
生き延びさせて人類を存続させるのが
このミトラの目的だったのよ。」

 

ドクター
「それに、細かく解析して判ったのだけれど
このミトラには重大な欠陥があるわ。」

 

ドクター
「このミトラに入って眠っていると
時間が経つにつれて
全身の細胞が蝕まれていくのよ。」

 

ドクター
「エリシアちゃんの衰弱もこのせいね。
あれでも症状はまだ軽いほうだったのよ。
植物人間になってもおかしくなかったわ。」

 

フェロー
「…エリシアちゃん、
危ないところだったんだね。」

 

フェロー
「でも、なんでアマモ跡地の
地下施設にミトラがあったのかな?」

 

フェロー
「あんなところに
ミトラみたいな装置を
作った人がいたって事?」

 

ドクター
「欠陥品とはいえミトラを
作ったならその技術はたいしたものよ。」

 

ドクター
「その地下施設には
まだ何か隠されているのかもしれないわね。」

 

フェロー
「うーん。
それならもう一度あの地下施設を
調べなおしてみたほうがいいかな?」

 

ドクター
「それなら、丁度
地下施設の調査の依頼が
ハンターオフィスにあったはずよ。」

 

─ 数時間後…

 

○酒場

 

フェロー
「エリシアちゃん、
この古い日記に見覚えはないかな?」

 

エリシア
「…ちょっと… 判らないです…。」

 

フェロー
「まあ、日記の中身を読めば
何か判るだろうし…。」

 

フェロー
「日記がボロボロすぎて
何が書いてあるのか読めないよ…。」

 

フェロー
「そうだ!
このあたしのゴーグルを
使えば読めない文字だって…。」

 

フェロー
「ダメみたい…。
考えてみるとボロボロになって
読めない字は翻訳しようがないよね…。」

 

エリシア
「それじゃ、何も判らないんでしょうか…?」

 

フェロー
「いや、あたしはあきらめないよ。
どこか判読できるところは…。
うーん、うーん…。」

 

フェロー
「やっぱりダメ…。
判ったのはこの日記を書いている人が
ニコラって名前だろうってくらいしか…。」



エリシア
「…ニコラ?
…お父さんと同じ名前…。」

 

フェロー
「エリシアちゃん!記憶が!?」

 

エリシア
「…そうです!
お父さんの名前はニコラです!
でもそれ以外は思い出せません…。」

 

マスター
「ニコラ、か…。
俺もひとつ心当たりがある。」

 

マスター
「前に酒場に来た客から聞いた話だ。
グレートウォールの近くにいる者が
ニコラという男の話をよくしていたとか。」

 

エリシア
「その人はわたしのお父さんの
知り合いなんでしょうか?
それなら会ってみたいです…。」

 

ドクター
「ちょっと待ちなさい。
エリシアちゃんの身体は
まだ万全じゃないのよ?」

 

エリシア
「…でも、お父さんの事が
何か判るなら…わたし…。

 

フェロー
「大丈夫だよ!
エリシアちゃんはあたしが守るわ!
…まあ、実際に守るのは君だけど。」

 

フェロー
「だからエリシアちゃん。
一緒にその人に会いに行こう!」

 

エリシア
「…はい!」

 

To Be Continued…

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