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【メインストーリー第61話】死の湖

ランドシップは

レイクランドを目指し、荒地地帯を走っていた。

 

 

〇司令室

 



フェロー

「あ゛~ゆ゛う゛れ゛え゛え゛る゛う゛う゛う゛う゛う゛~。」

 

 

 

マスター

「お前わざとだろ…。」

 

 

 

フェロー

「いやぁ~、お約束かと思って…。

 

そういや妹さんの話では『れいくぶりっじ』って

橋が有名?らしいけど、実際レイクランドってどんなとこなの?」

 

 

 

オフィサー

「『レイクランド』は巨大な湖の周辺に栄えていた地方だ。

周辺には比較的大型の賞金首が棲息していたのもあり、

多くのカンパニーが拠点として利用していた。

 

私も現役のハンターだった頃は、

フロータシティを拠点として賞金首を倒しに行っていたものだ。」

 

 

 

フェロー

「確かその時にエンジニアと出会ったんだよね。」

 

 

 

オフィサー

「うむ、そうだな。懐かしい話だ。」

 



 

エンジニア

「… …そうだね。」

 

 

 

フェロー

「そ、そう言えばさ!

レイクランドって何かここがオススメ~みたいなの無い?!

ほ、ほら!ここでしか食べられない!!みたいなやつ!」

 



 

エンジニア

「…オススメってわけではないけど、

レイクランドの水は他の地方より水が綺麗で

少し処理するだけで飲み水として使えたって有名だったよ。」

 

 

 

ドクター

「ランドシップには浄水施設があるから

ある程度綺麗な水は供給されているけれど、

このご時世、天然の綺麗な水は貴重だわ。」

 

 

 

ロウ

「トコナツも水は綺麗だが海水だからなァ。

飲み水に出来なくもねェが、高温処理しないとまず飲めねェ。」

 

 

 

マスター

「綺麗な水か。うまい酒が作れそうだな。」

 

 

 

フェロー

「す、すごいマスターの目が輝いている…。」

 

 

 

エンジニア

「あとは…、湖で獲れる魚も美味しいって評判だったね。

酒場で提供されていた『押し寿司』がハンター達に人気だったかな。」

 

 

 

紅葉

「押し寿司…聞いたことがありますわ!

何でも生の魚を使ったお寿司だとか…。」

 

 

 

白百合

「センゲンにも焼いた魚を酢飯に乗せた

寿司のようなものはありましたが、

非常に興味がありますね。」

 

 

 

マスター

「そう言えば、レイクランドはウイスキーも有名じゃなかったか?」

 

 

 

エンジニア

「ボクはお酒が飲めないから味はわからないけど…

『シングルモルト』が有名だったね。」

 

 

 

マスター

「『シングルモルト』っていうのは、

大麦麦芽のみを使用し、1つの蒸留所で作られたウィスキーの事だな。

蒸留所ごとに味わいが違うのが魅力だ。」

 

 

 

レッドフォックス

「へぇ… …。うまそうな酒だねぇ。

リザードと一杯やりたいもんだ。」

 

 

 

マスター

「…ふん。この作戦が終わったらな。」

 



 

オペレーター(ゆるふわ)

「皆さん、前方に大きな湖が見えてきました。

もうすぐレイクランド地方に入ります。」

 

 

 

フェロー

「よーしっ!着いたらまずは

フロータシティで情報を集めようよ!

 

確かそこにはエンジニアの育った孤児院や

働いていたガレージもあるんだよね。」

 

 

 

エンジニア

「うん…。久しぶりにみんなと会えるかな…。」

 

 

 

オフィサー

「うむ。今までの事など色々話を聞いてみるとしよう。」

 

 

─ 数時間後…

 

 

〇フロータシティ

 

 

フローターシティに降り立つ

ランドシップクルー達。

 



 

エンジニア

「…そ、そんな…。」

 

 

 

フェロー

「…なに…、これ…。」

 

 

 

ここにも町が”確かに”存在した。

 

ガレキに埋もれた町は、復興の兆しを見せてはいたが、

あまりにも無残な町の姿に船長達は言葉を失う。

 

 

 

オフィサー

… …。

 

 

困惑しているクルー達に

通りかかった町の住人と思われる男が話かけてきた。

 



町の住人

「ん?人が来るのは珍しいな。

 

残念ながら…ここには何もあんた達が

探しているようなものはないぜ。

 

まぁ、この町の姿を見ればわかると思うが…。」

 

 

 

マスター

「一体何があったんだ?」

 

 

 

町の住人

「…まさに地獄だよ。

こうなったのも全部軍隊野郎のせいだ…!」

 

 

 

白百合

「…詳しくお話をお聞かせ頂けますか?」

 

 

 

町の住人

「少し昔の話にはなるが…。

ここは湖による水資源が多く、

周辺に大きな拠点やダンジョンもあまり無い事から、

軍の施設を作るには最適だったらしい。」

 

 

 

白百合

「軍の施設…ですか?」

 

 

 

町の住人

「そうだ。ここから南の方に

新統合軍の野営基地が作られていたんだよ。」

 

 

 

白百合

「新統合軍…。」

 

 

 

紅葉

… …。

 

 

 

ロウ

「レイクランドに基地があったとは初耳だなァ。」

 

 

 

町の住人

「なんでもそこから噂じゃ『爆心地』をはじめ

各地に部隊が派遣されていたみたいだな。」

 

 

 

白百合

「爆心地…、グラウンド・ゼロの事ですね。」

 

 

 

町の住人

「うーん、詳しいことはわからねぇが

何かその『爆心地』で軍による

大規模な作戦が行われていたみたいだな。」

 

 

 

マスター

「エルピス作戦の事だ…。

そこにはどんな部隊がいたかわかるか?」

 



 

町の住人

「いや、軍はレイクランドの中央にある

『レイクブリッジ』にゲートを作り、

北部からの侵入に制限を設けたんだ。

 

だから俺達一般人は近づく事さえできなかった。」

 

 

 

マスター

「なぜ検問を作り侵入に制限を設けていたんだ?」

 

 

 

町の住人

「わからないね。

よっぽど基地に何か秘密があったのかもしれないな。」

 

 

 

フェロー

「さっき『軍隊野郎のせいだ』って言ってたけど

何があったの?」

 

 

 

町の住人

「その作戦から戻った兵士達がたまたま

フロータシティの酒場に来てたんだよ。

 

そしたら突然銃声が鳴り、

兵士達は銃でお互い撃ち始めたんだ。」

 

 

 

フェロー

「…え?!仲間同士で?!」

 

 

 

町の住人

「最初は酔っぱらった兵士同士が

喧嘩でもおっぱじめたのかと思った。

…が、事態はもっと深刻だった。

 

機械の暴走だよ。」

 

 

 

レッドフォックス

「機械の暴走…だと… …。」

 



 

町の住人

「そして銃声が合図になったかのように

突然周りにあった無人戦車、無人重機、

ロボットが暴走し町の中で暴れ始めた…。

 

それだけならまだマシだったんだが…、

その暴動に反応したのか機械のモンスター共までが

町の外からなだれ込んできたんだ。

 

結果、フローターシティは崩壊。

 

そして、この有様ってわけさ…。」

 

 

 

マスター

「…『キャンサー』だ。

兵士達はキャンサーに感染していたんだ。

という事は俺と同じ強化兵士の部隊だな…。」

 

 

 

町の住人

「そして、湖も暴走した機械から放射された放射線物質によって水が汚染され

飲み水はおろか、今は体を洗い流すこともできない。

魚も生き物も全て死んだ。」

 

 

 

フェロー

… …。

 



 

エンジニア

「ま、町にあった孤児院や!!

…ガレージは!?」

 

 

 

町の住人

「残念ながらもう無いよ。

町の多くの人々は湖を渡って逃げたと思う。

 

ただ、あれから連絡もないし

今は生きてるかどうかはわからないね。」

 

 

 

エンジニア

… …。

 

 

 

オフィサー

「… そうか…。」

 

 

 

町の住人

「こんな町にいても仕方がないのに

残ってるのは、ここから離れたがらない変わった人間だけだ。

 

所詮人間は水が無いと生きていけないのさ。」

 

 

 

マスター

「その新統合軍の野営基地は今でもあるのか?」

 

 

 

町の住人

「もう人はいないと思うが、

基地跡は残されてるんじゃないか。

まぁ、行くなら気を付けて行きな。」

 

 

 

白百合

「旧統合軍では無いですが…。

 

同じ統合軍関連の施設となると、

何か鍵の手がかりになるものがあるかもしれませんね。」

 

 

 

フェロー

「うん、調べる為にも南へ渡ろう。」

 

 

 

オフィサー

「うむ…。そうだな。

マスター、エンジニア、マリーくんの3名、

それにセンゲン組の紅葉くん、レッドフォックス、

マヤくんの3名も一緒に向かってくれ。」

 

 

 

マヤ

「はい!了解です。」

 

 

 

紅葉

「わかりましたわ。」

 

 

 

レッドフォックス

「ま、わかったよ。

リザードだけだと心配だし、ね。

……プッ、ハッハッハ!」

 

 

 

マスター

「おい…、こんな状況でやめろよ。」

 

 

 

レッドフォックス

「あはは、冗談だよ、冗談。」

 

 

 

オフィサー

「それでは準備が整い次第、グレートウォール組、トコナツ組、

スターフォール組の3組は転送装置で向かってくれ。

 

私達も一度ランドシップへ戻り、

こちらのバックアップを行う。」

 

 

 

エンジニア

… …。

 

 

 

フェロー

「…エンジニア、大丈夫?」

 

 

 

エンジニア

「うん…、大丈夫…。」

 



 

マリー

「よーし!いくぞ~!

モンスターバギーのお通りだーっ!」

 

 

 

フェロー

「…お姉ちゃん…。空気読もう…?」

 



 

マスター

「…お前もな。」

 

 

 

To Be Continued…

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