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【メインストーリー第44話】さらば愛しき人

投稿者:
【プロデューサー】KAZ

○フォートポート

 

次の日の朝、港では
ビーチタウンに戻る準備をしていた。



フェロー
「そう言えばシロちゃんと紅葉ちゃんは
戦車を持ってるの?」

 

白百合
「持っていません。
わたくし達二人はソルジャーですし…。
一応運転ぐらいは出来ますが…。」

 

フェロー
「えっと…今ある戦車は3台。

ロウの『ゴライアス』は1人乗りだし、
マスターの戦車はドクターと。
で、アタシとキミ。

やっぱり戦車が足りないね。
これじゃ帰れないよ~…。」

 

マスター
「そういえば、『ミズグモ』があっただろう。」

 

白百合
「ちょっとアレは乗りこなす自信が無いです…。」

 

紅葉
「紅葉も海に落ちる自信がありますわ!」

 

マスター
「ダメか…。」

 

ロウ
「ん?それなら『テオス』に乗るといい。
少し狭いが、紅葉は小柄だしなんとかなるだろ。」

 

フェロー
「えっ?持ってきてるの?」

 

ロウ
「お~、一応なァ。
もしかしたら釣りするかもしれねーから
牽引して来たんだよ。」

 

ドクター
「そういうとこちゃっかりしてるわね…。」

 

紅葉
「じゃ、遠慮無く使わせて頂きますわ。

って臭ッ…!!

なんかこの戦車生臭いですわね…。」

 

ロウ
「仕方ねェだろ。漁専用の戦車なんだからよォ。
文句言わず、さっさと乗れ。」

 

紅葉
「うぅ…臭い…。耐えられませんわ…。」

 

白百合
「ま、まぁ、少し臭いはしますが…、
ビーチタウンまでの我慢ですね…。」

 

マスター
「そっちはどうだ?
こっちの準備は終わったぞ。」

 

フェロー
「マスター…。
何をそんなに積んでるの…。」

 

マスター
「ん?ああ、これか?
フォートポートで買った海産物だ。
酒場で調理して出そうと思ってな。」

 

フェロー
「マスターもちゃっかりしてるよね…。」

 

ロウ
「さァ、準備出来たかァ?
そろそろ出航するぞ!」



GORO’S
「あとの事はおれ達に任せろ。」

 

白百合
「ありがとうございます。
では、行って参ります。」

 

○海



準備を終えたフェロー達は
ビーチタウンに戻るためフォートポートを後にしていた。

 

白百合
「海に出るのは久しぶりね。」

 

紅葉
「そうですわね、お姐様。
ずっとフォートポートに籠りっぱなしでしたものね…。」

 

ロウ
「何度も言うがビーチタウンまでは結構距離がある。
道中モンスターに襲われないよう警戒しとけよォ!」

 

マスター
「了解した。」

 

フェロー
「ここら辺には他にも賞金首がいるの?」

 

ロウ
「ん?溶岩洞にいるオケラマグラぐらいじゃねェか?
海にはもういねーと思うぞ。」

 

白百合
「以前にいた賞金首はカンパニーが倒してしまったみたいで
今は一部の賞金首しかいないようですね。」

 

紅葉
「最近、賞金首も全然倒していませんし、
少し体が鈍っちゃいましたわ。
突然新種の賞金首とか現れないかしら。」

 

フェロー
「物騒な話だね…。」



マスター
「… …ん?
また何か様子がおかしいぞ…。」

 

ドクター
「あら、また霧…?
!! もしかして…。」

 

フェロー
「ひぃぃ…!!また幽霊船だ…!!!」



霧の向こうに
巨大な船の影がぼんやりと現れた。

 

ロウ
「来たか…。
今度は絶対逃がさねェ…。」

 

白百合
「巨大な船…?」

 

紅葉
「え?え?!どうしたんですの?!」

 

マスター
「説明は後だ。
ロウ!!行くぞ!」

 

ロウ
「あったりめぇだァ!!
行くぞコラァ!!」

 

ロウとマスターは全速力で
巨大な船に近付いて行った。

 

フェロー
「キミ!アタシ達も行くよ!
シロちゃんも紅葉ちゃんも行くよ!!」

 

白百合
「わかりました!」

 

フェローと白百合は
ロウとマスターを追い掛けた。

 

…数分後、幽霊船にようやく追いつき、
フェロー達の船は横付けをした。

 

フェロー
「で、でかい…。」

 

マスター
「近くで見るとデカイな…。
装甲艦のようだ。軍の船か…?」

 

ドクター
「元々は旧統合軍の海軍が保有していた
船かもしれないわね。」

 

ロウ
「グダグダ言ってる場合じャねェ!
とりあえず縄梯子を貸せ!登るぞ!!」

 

フェロー
「不気味だね…。
船に近づいてからびくとも動かないし、
まるでアタシ達を呼びこんでいるみたい…。」

 

○幽霊船の甲板



フェロー
「はぁ…はぁ…登るの疲れたぁ…。」

 

ドクター
「さすがに装甲艦だけあって高かったわね…。」

 

ロウ
「オイ!!出てこい!!ぶっ殺してやるッ!!
… …メアリーを返せェ!!」

 

マスター
「なんか変な音がしないか…?」

 

白百合
「… … 来ます!!」

 

突然甲板にあった船室につながる扉が大きな音を開けて開き、
大量の骸の兵士が飛び出した。
骸の兵士達はカラカラと不気味な音を立てながら襲い掛かって来た。



紅葉
「骸の兵士ですって…!?」

 

フェロー」
「ガ、ガイコツだ!!…ひ、ひぃぃ…!!

 

マスター
「軍服…?やはりコイツら
海軍の成れの果てだ。」

 

ロウ
「同じ海軍として恥ずかしいぜェ…!!
…死んでまで何やってんだお前らはよォ…!!!」

 

ドクター
「誰かに操られてるのかしら…。
もしかして、ネクロハイム…!?

いや…まさかね…。」

 

マスター
「とりあえずコイツらを倒すぞ。
白百合、紅葉。応援を頼む。」

 

白百合
「わかりました。紅葉、行きますよ。」

 

紅葉
「はい、お姐様。」

 

白百合は骸の兵士向かって走り、
素早く連続斬りを繰り出し、
紅葉はそれに続き、ピョンっと飛び、
大きな薙刀を振り回し回転斬りを繰り出した。

 

カラカラと兵士達が一斉に崩れ落ちる。

 

マスターも続き、両手に装備したパイルバンカーを
骸の兵士の身体に叩き込んだ!

 

骸の兵士がバラバラに崩れ落ちる。

 

マスター
「ふぅ…。」

 

紅葉
「たいしたことないですわね。」

 

白百合
「油断は禁物ですよ。」

 

その時、カラカラと音を立てて
バラバラになった骸の兵士の身体が
再形成し始めた。

 

フェロー
「ひ、ひぃぃ…!!復活してるよ!!」

 

マスター
「な、なんだと…。」

 

ロウ
「コイツらは既に死んでいる骸だ。
普通に攻撃しても無駄だ!
殴ってダメならこうするしかねェ!」

 

ゴオォォォォォォォゥ!!
ロウは火炎放射機を骸の兵士に放射した。

 

ボロボロと骸の兵士が崩れ落ち灰になった。

 

ドクター
「なるほど。骨もろとも焼き尽くそうって考えね。
ロウ、準備がいいじゃない。」

 

その時、扉から小さな女の子のようなボロボロになった
服を着た骸が出てきた。よく見ると首からキラキラ金に輝く
ペンダントを付けているようだった。

 

ロウ
「!!!あぁあああ…あぁ…あぁ…。」

 

ロウは手から火炎放射機を落とし、
その場に崩れ込んだ。

 

マスター
「ロウ、どうしたんだ!」

 

フェロー
「ま、まさか…あれが…。」

 

ロウ
「…メアリーだ…。
…あんな姿になっちまって…。

…

…クッソがァ!

…クソがァァァァァァァァァl!!!!!」

 

フェロー
「ロウ…。」

 

メアリー?
「オ…ニ…イ…」

 

ロウ
「…!!メアリー?!」

 

メアリー?
「…チ…ャ…ン…

オ…ニ…イ…チ…ャ…ン…」

 

ロウ
「メアリー!!!
俺がわかるのか…!?」

 

ロウは小さな女の子の骸に
駆け寄り、そっと抱きしめた。

 

ロウ
「メアリー!!ごめんな…!!
寂しかっただろ!!!ごめんな…!!!」

 

メアリー?
「オ…ニ…イ……チ…ャ…ン…

オ…ニ…イ……カカカカ!!!
カカカカカカカカカ!!!!」

 

ロウ
「…メアリー!?
うぐッ!!!メアリー!?何を!?」

 

小さな女の子の骸は小さな手で
ロウの首を絞めていた。

 

メアリー?
「カカカカカカカカカ!!!!」

 

マスター
「…もう正気を失っている…。
この骸はもう…。」

 

ロウ
「ははは…。メアリー…
そんな、か弱い手で首なんか締めやがッて…。

そうか…、1人で寂しかったんだよな…。
遊んで欲しかったんだよな…。
メアリー…すまない…。」

 

フェロー
「ロウ…。」

 

ロウ
「…白百合…、すまない…。
頼めるか…?俺には…。」

 

ロウは白百合に言葉をかけ、
メアリーだった”モノ”を手から離した。

 

白百合
「…ッ!!はい…。
わかりました…ッ!!」

 

白百合はロウの持っていた火炎放射機を
持ち小さな女の子の骸に向け放射した。

 

ゴオォォォォォォォゥ!!



メアリー?
「カカカカカ…オ…ニ…イ……

…チ…ャ…ン…」

 

ボロボロと小さな女の子の骸が崩れ落ち
灰になり、そこには首に付けていた
金に輝くペンダントだけがその場に残った。

 

ロウ
「メアリー…。
お兄ちゃんを…許してくれ…。」

 

○孤島の社

 

幽霊船でやるべきことを終えたロウ達は
海浜工場地帯の近くにある『孤島の社』に来ていた。



ロウ
「…これでよしッと…。」

ロウはメアリーの付けていた
ペンダントを社の土に埋めた。

 

ロウ
「白百合、嫌な役任せちまって
すまなかったな…。」

 

白百合
「いえ…。大丈夫です。」

 

ロウ
「ここは、海の守り神がいると言われている社なんだ。
ここならもう海賊に襲われる心配もねェからな。」

 

ドクター
「ロウ…。」

 

ロウ
「さて…。
メアリーにもあんな形だったが最後に会えたし、
こうやってペンダントだけだが取り戻す事も出来た。
もうこの海に悔いはねェ…。

俺もおまえ達と一緒に行く。
色々世話になったからなァ!」

 

フェロー
「…これでロウも正式な仲間入りだね!」

 

ロウ
「まぁ、俺は海の上でしか本領は発揮できねェが
多少肉弾戦も出来る。あと料理は任せとけ。ハハハハ!」

 

マスター
「心強いし、助かるよ。」

 

ロウ
「さ、ちょっと寄り道しちまったが、
ビーチタウンに向かおうぜ!」

 

マスター
「ああ、そうだな。」

 

ロウ
(メアリー、元気でな…)



メアリー?
(お兄ちゃん…、ありがとう…。)

 

ロウ
「メ…アリー…?」

 

潮風に乗った波の音はまるで
妹が話かけてくれたかのように聞こえた。

 

To Be Continued…

【メインストーリー第43話】パンドラ

投稿者:
【プロデューサー】KAZ

○酒場



明日ビーチタウンに戻る事になった
皆は酒場で休息を取っていた。

 

ロウ
「んぐッ…んぐッ…。
ぷはァ~!!酒がうめェな!!」

 

フェロー
「ロウ~、飲みすぎだよ~…。」

 

ロウ
「おいおい~、かたいこと言うなよなァ。
ひと仕事終えた後の酒は格別だなァ!!

ネーちゃん!マレバビールを
樽ごと追加してくれェ!」

 

酒場女
「はいよ~。」

 

マスター
「そう言えば、白百合と紅葉は
“新統合軍の生き残り”と言っていたが、
どこの部隊所属なんだ?」

 

白百合
「わたくし達は新統合軍の
『櫻花(おうか)』という部隊に所属していました。

櫻花は女性ソルジャーのみで構成された部隊で
わたくしは部隊長をしておりました。」

 

フェロー
「部隊長!?その若さですごいね!」

 

紅葉
「お姐様は若干19歳という若さで
櫻花の頂点に立った、言わば天才ですわ。

あ、ちなみに紅葉はお姐様の
お目付役でしたわ。今もそうですけれども。」

 

フェロー
「お目付役って…。
その時紅葉ちゃんはいくつだったの?」

 

紅葉
「その時、紅葉は16歳でしたわ。
懐かしいですわね。」

 

フェロー
「いや、あなたも天才じゃないの…。」

 

白百合
「わたくしと紅葉は小さい頃から
姉妹のような関係で育ったので、
それもあって任命された感じですね。

紅葉は立ち場的には副部隊長という形で
働いてくれていましたわ。」

 

マスター
「なるほど、仲良いんだな。」

 

白百合
「ところで、マスターさん。
素晴らしい戦闘技術をお持ちでしたが、
マスターさんも元は軍の方でしょうか?」

 

マスター
「俺か?俺は旧統合軍の
『ビースト』という部隊に所属していた。
当時のコードネームは『コールドリザード』だ。」

 

白百合
「…なんと!あのエリート集団と名の高い
『ビースト』に!?」

 

マスター
「『ビースト』を知ってるのか?」

 

紅葉
「『ビースト』は櫻花の中でも有名でしたわ。
一部カリキュラムも取り入れられてましたし。
どうりであんなに強いはずですわ…。」

 

マスター
「まぁ、昔の話だ。
昔に比べれば3分の1も動けてないぞ。」

 

白百合
「想像以上で言葉が出ませんわ…。
恐れ入りました。」

 

ドクター
「その桜模様が入った白の詰襟軍服は
櫻花のものかしら?綺麗ねぇ。」

 

白百合
「はい、そうです。
すでに部隊は解散してしまいましたが、
名誉のために、解散後もずっと着用しております。」

 

フェロー
「そういえば、ロウは『白海豚(しろいるか)』だっけ?
その部隊はそういう軍服みたいなのって無かったの?」

 

ロウ
「誰がシナウスイロイルカだコラァ。
白鯨(しろくじら)な。
し・ろ・く・じ・ら!」

 

フェロー
「あっ、ごめんごめん~!
そうそう、白鯨!」

 

ロウ
「軍服?まァ、海軍みたいなもんだったからなァ。
一応あったことにはあったけどよォ。
クッソダセーから1回も着なかったぜ。」

 

フェロー
「さすがアウトロー…。
ロウってGORO’Sにいても違和感ないよね…。」

 

マスター
「3人は同じ新統合軍だが面識はあったのか?」

 

ロウ
「いや、ねェよ。
前にも言ったが、俺らはトコナツを中心に
海上を主に活動していた部隊だったからなァ。」

 

白百合
「『白鯨』という名前だけは存じおりましたが、
直接の面識は無かったですね。
わたくし達も活動の拠点はセンゲンだったものですから。」

 

フェロー
「確かロウは『エルピス作戦』には
参加してなかったらしいけど、
二人は参加していたんだよね?」

 

紅葉
… …。

 

白百合
「はい…。わたくしたちは参加しておりました。」

 

マスター
「俺とドクターもその作戦に
カンパニーとして参加していた。」

 

白百合
「あの時、作戦の先陣を切っていたのは、
精鋭部隊『亡者(ネクロ)』でした。

わたくし達、櫻花はその亡者の
後方支援という形の配置になっていました。」

 

マスター
「『亡者(ネクロ)』は新統合軍から
選り抜かれた改造兵士たちの部隊だよな。

確か旧統合軍の『亡霊(ガイスト)』の技術を
再利用して作られた部隊だとか。」

 

白百合
「はい。その作戦中先陣を切っていた
亡者の通信が途絶え、
妙に思ったわたくし達が駆け付けた頃には…。」

 

ドクター
「私達もその話は聞いたわ。
あの渦中、二人は無事だったの?」

 

紅葉
「いえ…。巻き込まれましたわ。
それで櫻花は多くの仲間を失いましたの…。」

 

マスター
「二人は逃げたのか?」

 

白百合
「はい…。応戦しましたが、被害がどんどん拡大し、
手を負えなくなってしまい…退避しました…。」

 

マスター
「賢明な判断だったと思うぞ。

ナノパンデミックの
その後の影響はないのか?」

 

紅葉
「特に問題ありませんでしたわ。」

 

ドクター
「”キャンサー”の影響を受けてないですって…?
二人共サイバーウェア化はされてないみたいだけど…。」

 

マスター
「という事は、鉄道組合本部の暴走の時も
特に影響は無かった…という事か。」

 

白百合
「その”キャンサー”というのが何なのかは
存じ上げていませんが、もしそれが
武器の暴走や暴発の事を指しているのでしたら、
私達の武器は独自の技術でセンゲンで作られたものなので
恐らく影響が無かったのだと思います。」

 

マスター
「なるほど…、そういう事か。」

 

紅葉
「そうですわね。
エルピス作戦の時も他の兵士達の武器は
暴走していましたが、私達の武器は
影響ありませんでしたわ。」

 

白百合
「わたくしの『夜桜千十(よざくらせんじゅう)』、
紅葉の『百花繚乱(ひゃっかりょうらん)』

そして、櫻花に支給されていた
両手刀「舞桜一文字(まおういちもんじ)」、
薙刀「桜花爛漫(おうからんまん)」、
電動火縄銃「花嵐(はなあらし)」も影響ありませんでした。」

 

フェロー
「なるほど~。さすがに”キャンサー”も
独自の技術で作られた物は
解析や適応に時間が取られるから
放置したと考えるのが無難かな。」

 

マスター
「それを考えると少し”キャンサー”の
対応策が見えてきたな。」

 

ドクター
「そうね。”キャンサー”は目には見えないから
怖いけれど、解析や適応に時間が取られる物で
装備を固めれば、影響を受けづらい可能性があるってことね。」

 

フェロー
「あと気になったんだけど、”ある秘密”を知っていたって
言ってたけどその”ある秘密”って何なの?」

 

白百合
「エルピス作戦の”本当の目的”はご存じですか?」

 

ドクター
「目的はグラウンド・ゼロにあった
とある施設を目指す作戦だったと思うけど…。」

 

白百合
「”なぜ”その施設を目指すのかは
理由はご存じですか?」

 

マスター
「いや、知らないな…。
船長からは、その施設には
“我々が入手しなければならない存在”があると
聞いてはいたが詳しくはわからない。

作戦の名前の通りそれを入手する事で
“人類の希望”になるとは聞いていたが…。」

 

紅葉
「なるほど。そこまで知っているなら
話が早いですわね。

まず、その施設はグラウンド・ゼロの爆心地に
存在する施設。皆さんはこの施設を
『パンドラ』と呼んでいました。」

 

フェロー
「パンドラ…。
本で呼んだことがあるけど、箱を開けると、
人類は不幸にみまわれるようになり、
希望だけが箱の底に残ったといわれている
あのパンドラの箱の『パンドラ』なの?」

 

白百合
「おっしゃる通りです。
そのパンドラの箱の説のように
施設に残された”希望”を手に入れる事が
目的の作戦でした。」

 

マスター
「その希望とは一体何なんだ?」

 

紅葉
「そうですね…。聞く話によると
“第二のノア”のようなものですわ。」

 

ドクター
「ノア…!?」

 

マスター
「…ちょっと待て…。
それがもし仮にノアだとしたら
希望も何もないじゃないか。」

 

フェロー
「そもそも人類が衰退した原因は
ノアなんだよ?!それが希望なの?!」

 

白百合
「皆さん、落ち着いて聞いて下さい。
『パンドラ』の中にある”第二のノア”は
大破壊を起こしたノアそのものではありません。」

 

フェロー
「あっ、そっか…。
そもそも、既にノアは
とあるハンターによって破壊されてるもんね…。」

 

ドクター
「また、ノアの端末やノアシードみたいな
『ノア』が作り出した遺物なの…?」

 

紅葉
「いえ、正確にはそのようなものでは無く
それを利用する事で”ノア”に対抗できる
手段になるというべきでしょうか。」

 

マスター
「”ノア”に対抗できる手段だと?」

 

白百合
「はい。
今も尚、世の中を闊歩するモンスターのうち、
未だ『ノア』の命令で動いているものや、
生産されているものの比率は大きいと思います。

その『パンドラ』の中にある”第二のノア”を
入手し、利用する事でそれらを無効化する事が
可能性があるモノとの事でした。

もしそれが本当であれば人類の脅威は
大いに減ることに繋がる…。

ただし、それを悪用すると
また大破壊を招く可能性がある。

それを入手する事が
エルピス作戦の”本当の目的”です。」

 

マスター
「なるほど…。その”第二のノア”を使い
命令するという事か…?

でもその『パンドラ』の中にある
“第二のノア”とは一体何なんだ?」

 

紅葉
「私達は部隊を仕切る存在だったので
ここまでの情報は上層部から聞かされていました。

ただ、そのある”モノ”が
何かまでは私達でも聞かされていませんでしたわ。」

 

白百合
「そして、この”秘密”を知っていたので恐らくアラドは
私達を消そうと鉄道組合本部を襲撃したのだと考えています。
恐らく他の新統合軍の生き残りもすでに…。」

 

フェロー
「そうだったんだね…。
でもロウは作戦に関係ないから
狙われなくて良かったじゃん!」

 

ロウ
「あん?アラドかマラドーナか知らないけど
そんな奴返り討ちにしてやるよ。」

 

ドクター
「…なんで船長はそんな大事な事を私達に隠していたの!?
仲間でしょ…!?言ってくれても良かったのに!」

 

マスター
「落ち着け…。
あくまで推測だが、船長が俺達に詳細を
教えなかったのはこの情報を知ることで
誰かの手により消されるかもしれない。
そう思って言わなかったんじゃないか…?」

 

フェロー
「…なんか船長さんらしいよね…。
自分だけいつも背負い込んでさ…。」

 

マスター
「とにかく二人の事情はわかった。
明日ランドシップに戻って
船長にも話をしてみよう。」

 

フェロー
「そうだね。今後どうするかもあるし。
エリシアちゃん元気にしてるかな?」

 

ドクター
「もう体調は回復したから
今頃元気にしているんじゃないかしら。」

 

フェロー
「そういや、ロウはこれからどうするの?」

 

ロウ
「そうだなァ。とりあえずお前らが
ビーチタウンに着くまで俺が護衛してやるよ。」

 

マスター
「それは心強い。助かる。」

 

ロウ
「とりあえず今日は飲もうぜェ!
ネーちゃん!ゴローズを3本追加してくれェ!」

 

酒場女
「また?!はいはい~。」

 

フェロー
「海のオトコって豪快だね…。」

 

To Be Continued…

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