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【メインストーリー第12話】望まなかった再会

投稿者:
【プロデューサー】KAZ

○司令室

 

その日も司令室ではオペレーターたちが
いつもと同じように仕事をしていた。

 

オペレーター(天真爛漫かわいい系)
「うーん、座りっぱなしだと
やっぱり疲れるなぁ。」

 

オフィサー
「油断するな。
ただでさえ、最近はおかしな事が
相次いでいるのだからな。」

 

オペレーター(天真爛漫かわいい系)
「もー船長ー。
もちろん仕事は真面目にやってるからー!」

 

その時、ランドシップが大きく揺れた。

 

オフィサー
「何事だ!?」



オペレーター(天真爛漫かわいい系)
「…襲撃!
ランドシップがモンスターに襲撃されてる!
艦内に警報発令!」

 

オペレーター(天真爛漫かわいい系)
「今の衝撃は…
アイアンボアの仕業みたい!」

 

オフィサー
「またモンスターの襲撃だと…?
被害状況はどうなってる?」

 

オペレーター(天真爛漫かわいい系)
「被害はまだ軽微にとどまってるけど…
このままだとヤバイかも…!」

 

オフィサー
「慌てるな!
ただちに迎撃態勢を取るぞ。
ハンターオフィスに連絡をとれ!」

 

─ 激闘の末…

 

○司令室

 

モンスターを討伐すると
オフィサーから司令室に呼び出された。

 

オフィサー
「討伐を終えたばかりなのに
わざわざ来てもらってすまない。」

 

オフィサー
「こうも襲撃が続くようだと、
私が指揮から離れるわけにもいかんのだ。」

 

オフィサー
「それで、エリシア君について
なにか判った事があるのかね?」

 

フェロー
「うーん、判ったのは首の装置からして
エリシアちゃんにはすごい力があるかも…
ということくらいかな?」

 

オフィサー
「まだ詳しいことまでは不明、か。」

 

エリシア
「すみません…
私、何も思い出せなくて…。」

 

オペレーター(天真爛漫かわいい系)
「船長!
発信元不明の通信が来ているよ!」

 

オフィサー
「発信元不明…?
…つないでくれ。」

 

オペレーター(天真爛漫かわいい系)
「じゃあ、正面のモニターに出すね。」



謎の男
「……。」

 

オフィサー
「お前は…!」

 

オフィサー
「まさか…アラドなのか!?」

 

アラド
「ああ、久しぶりだな。」

 

オフィサー
「アラド…生きていたのか…?
お前はあの時死んだはず…。」

 

アラド
「こうして元気にしているさ。
モンスターにランドシップを
襲撃させるくらいな。」

 

オフィサー
「…な、なんだと…?
あれをお前がやったというのか?」

 

アラド
「こちらからの要求を伝える。
1つはカプセルの中に入っていた女を渡すこと。」

 

エリシア
「え、私…?」

 

アラド
「そしてもう1つは
ランドシップの破棄だ。」

 

オフィサー
「ふざけるな!
そんな要求が飲めるか!」

 

アラド
「…せっかく俺が生き残るチャンスを
くれてやったのに愚かな事だ。」

 

オフィサー
「アラド、何が目的だ!
こんなことをして何になる?」

 

アラド
「お前が知る必要はない。」

 

アラド
「俺の要求を飲まないなら
力づくでやらせてもらうだけだ。」

 

アラド
「これからランドシップの
破壊を本格的に遂行する。」

 

アラド
「今までの襲撃は小手調べにすぎない。
お前たちがどう足掻こうが
その先にあるのは確実な死だけだ。」

 

オペレーター(天真爛漫かわいい系)
「あ、通信、一方的に切れたね…。」

 

オフィサー
「アラド…!」

 

エリシア
「あの、船長…。私は…。」

 

オフィサー
「…安心したまえ。
エリシア君の過去に何か
秘密があろうがなかろうが関係ない。」

 

オフィサー
「君のような少女を
差し出して助かろうなどと思う者は
ここにはおらんよ。」

 

エリシア
「でも、私の事でみんなを巻き込んだら…。」

 

オフィサー
「いや、先ほどの男、
アラドは私の旧知の者だ。」

 

オフィサー
「このランドシップを敵視しているようだ。
エリシア君を巻き込んでしまったのは
むしろ私のほうかもしれん。」

 

オフィサー
「それにしても判らない事が多すぎる。
エリシア君は気にせずに
記憶の回復に専念してくれ。」

 

エリシア
「…はい、ありがとうございます…。」



オフィサー
(アラド…
お前の思うとおりにはさせんぞ…)

 

To Be Continued…

【メインストーリー第11話】秘められた力

投稿者:
【プロデューサー】KAZ

○司令室

 

エリシアの首の装置を謎を探るため、
昔の書物を所蔵しているという
オペレーターの元に来ていた。



オペレーター(あっさりサバサバ系)
「あの、何か?
突然3人で押しかけてきて…?」

 

フェロー
「ちょっと聞きたい事があるんだよ。
そんなに手間はとらせないから
話を聞いてくれないかな?」

 

オペレーター(あっさりサバサバ系)
「ええまあ、
今は時間ありますけど…。」

 

フェロー
「オペレーターさんが昔の書物を
たくさん持っているって聞いたからさ。
オーパーツ関係の本とかないかな?」

 

オペレーター(あっさりサバサバ系)
「オーパーツですか?
技術関連の書物は少しあったはずです。
部屋から取ってきましょうか?」

 

エリシア
「お願いします。」

 

…

 

オペレーター(あっさりサバサバ系)
「どうぞ。
私が持っているのはこれで全部です。」

 

フェロー
「ありがとー!
そんなに量多くないし
ここでざっと調べてみるよ!」

 

オペレーター(あっさりサバサバ系)
「わかりました。
私、普段は小説を読むんです。
技術書は必要に応じた時のみで。」

 

オペレーター(あっさりサバサバ系)
「部屋で一杯やりながら本を読むのが
趣味でして。」

 

オペレーター(あっさりサバサバ系)
「酔いが回ると
内容を覚えられないので
同じ小説を何回でも楽しめます。」

 

フェロー
「なんか健康に悪そうな趣味だね…。
でも数が少なくても
技術書あって助かったよ。」

 

フェロー
「えーと…。
オーパーツについての記述…。
なかなか見つからないなあ…。」

 

エリシア
「あの、フェローさんの
ゴーグルもオーパーツなんですよね?」

 

フェロー
「そうだよー。
まあ前も言ったとおり
どんな機能があるのかわからないけどね。」

 

フェロー
「でもデザインが気にいってさ。
これをつけてると、あたしが
いかにも凄腕調査員って感じでしょ?」

 

エリシア
「え、えーと…
フェローさん以外の調査員を知らないので
ちょっとよく判らないです…。」

 

フェロー
「うーん、一通り調べたけど
オーパーツについて
書いてある本はここにはないみたいだね。」

 

フェロー
「オペレータさん。
他に昔の書物あるところ知らない?」

 

オペレーター(あっさりサバサバ系)
「…そういえば、廃倉庫には
大破壊前の書物が保管されてるらしいと
前に聞いた事があります。」

 

フェロー
「廃倉庫か…。
それなら、書物を探すのを
キミにも手伝ってもらわないといけないね。」

 

エリシア
「あの、お願いできるでしょうか?」

 

─ 数時間後…

 

○倉庫

 

古びた書物を見つけ出した頃、
フェローとエリシアに加え、
エンジニアが倉庫に来ていた。

 

エンジニア
「もー、技術関係の話だったら
最初に来るのはボクのところだよね!」

 

フェロー
「ごめんごめん
つい、うっかりしてたよ。」

 

エリシア
「あの、ケンカはやめてください…。」

 

エンジニア
「あ~ そんなに怒ってないから。」

 

フェロー
「それなら、この書物を読んでみようよ。
せっかく手に入れたんだからさ。」

 

古びた書物を開くフェロー。
その目が驚きに見開かれた。

 

フェロー
「こ、これは…!?」

 

エリシア
「な、なにが書いてあったんですか?」

 

フェロー
「ぜんぜん読めないー!
見た事がない字で書いてある!」

 

エンジニア
「これは…ボクも見た事がない字だな…。
こんな本はドクターでも
読めるかどうか…?」

 

エリシア
「あの!
私にも見せてください!
ひょっとしたら何かわかるかも…。」

 

フェロー
「あ、エリシアちゃん押さないで!」

 

エリシアに詰め寄られたフェローが
足をもつれさせて転んだ。

 

フェロー
「ぎゃふん!」

 

フェローの頭につけていたゴーグルが
転んだ拍子にずれて装着されてしまう。

 

エリシア
「ご、ごめんなさい!
フェローさん大丈夫ですか!」



フェロー
「いたたた…
大丈夫だよちょっと転んだだけ…
あれ? あれあれ?」

 

フェロー
「ははぁ…読める! 読めるぞ!!」

 

エンジニア
「ど、どうしたの突然?」

 

フェロー
「私は古い秘密の名前を持ってい…。」

 

エンジニア
「いやそういうのはいいから
マジメにやってよフェローさん。」

 

フェロー
「とにかく、読めるんだよ!
なぜかこの本の字が読めるよ!
まさかこれがあたしの隠された力?」

 

エンジニア
「…いやどう見ても
そのゴーグルの力じゃないかな…?」

 

フェロー
「なるほど…
このゴーグルには
翻訳機能があったわけね…。」

 

フェロー
「未知の文字も判るなんて
さすがオーパーツだね。」

 

フェロー
「本読むときは邪魔だから
ゴーグルなんてつけたことなかったし
いやー、今まで気づかないわけだよ。」

 

エリシア
「えーと、それで
その本には何が書いてあるんでしょうか?」

 

エンジニア
「そうだよ!
早く読んでみてよフェローさん。」

 

フェロー
「ちょっと待って…
おお、ここはエリシアちゃんの
首の装置のことっぽい記述だよ!」

 

エリシア
「何か判ったんですか?」

 

フェロー
「えーとなになに…
絶大なる力を制御するための首飾り…
って書いてあるね。」



エリシア
「絶大なる力…?
わたしに…?」

 

フェロー
「絶大なる力…
首輪から破壊力抜群の
ビームとか出たりするのかな?」

 

エンジニア
「絶大なる力が破壊力って
フェローさん安直すぎない?」

 

エリシア
「わたしに力なんて…
判らないです…。」

 

フェロー
「思い出せないなら仕方ないよ。
これだけ判っただけでも一歩前進だしね。」

 

エリシア
(…絶大なる力…?
…わたしはいったい何者なの…?)

 

To Be Continued…

【メインストーリー第10話】謎の首飾り

投稿者:
【プロデューサー】KAZ

○メタルショップ

 

今日はエリシアを連れて二人で
メタルショップに遊びに来ていた。



メタルショップ店員
「あーい、いらっしゃい…。」

 

エリシア
「これ…かわいい…。」

 

エリシアは店内に並べられていた
カエルのような何かの
ぬいぐるみを手にしていた。」

 

メタルショップ店員
「エリシアお目が高い…。
それはカエル男だよ…。」

 

エリシア
「…カエル男、ですか…?」

 

メタルショップ店員
「ヒツジ男と並んで有名な未確認動物…。
それがカエル男…。
それはここでしか手に入らないよ…。」

 

エリシア
「ええと未確認動物って…?」

 

メタルショップ店員
「UMA(ユーマ)とも言う…。
目撃されても捕獲されたことはない
謎の生物…。」

 

今日は、妙に饒舌に思える。
…カエル男はお気に入りなのか?

 

メタルショップ店員
「このカエル男のぬいぐるみは
可愛すぎる、不気味さが足りないと
評判悪くて売れなかった…。」

 

メタルショップ店員
「でも時がたち、その出来の悪さが
逆に評判を呼んで今ではマニアの間で
入手困難な逸品になっている…。」

 

メタルショップ店員
「このカエル男の価値を一目で
見抜くなんて、まさか
エリシア、記憶が…!」

 

エリシア
「い、いえ、ただこれがかわいいなって
思っただけですから…。」

 

エリシア
「でも記憶が戻っても
カエル男とかについては
たぶん知らないような…。」

 

メタルショップ店員
「そう…何か思い出せたかも
思ったけど…。」

 

エリシア
「ううん、でも私は大丈夫です!」

 

メタルショップ店員
「あ、そうだ…。
エリシアの付き添いの
そちらにも用があった…。」

 

メタルショップ店員
「…煙幕花火。
…トレーダーキャンプBで売ってる。
それが、必要なの。」

 

メタルショップ店員
「…今後、いつ襲撃があるかわからない。
外にも危険を…知らせたいの。」

 

メタルショップ店員
「大きな鳥さんの賞金首…。
近くにいるかも? …気を付けてね…。」

 

メタルショップ店員
「…じゃあ頑張って。」

 

エリシア
「あの、気をつけてくださいね。」

 

 

─ 数時間後…

 

○メタルショップ

 

ショップに戻ると
エリシアに加えてフェローが来ていた。

 

メタルショップ店員
「煙幕花火ありがと…。
これでいざという時に備えられるよ…。」

 

メタルショップ店員
「…あ、そういえばフェロー
犬が嫌いだって…?」

 

フェロー
「な、なぜそのことを!?」

 

メタルショップ店員
「…エンジニアがランドシップ中に
言いふらしていたけど…。」

 

フェロー
「あ、あいつめ…!」

 

メタルショップ店員
「…犬が嫌いでもこのカエル男は
カエルだから好きだよね…。」

 

エリシア
「え、これ可愛くないですか?」

 

フェロー
「そ、そう?
少しは可愛いかもしれないけど…
微妙にカエルで不気味っぽいし…。」

 

メタルショップ店員
「…こんなにカエル男はカエルなのに…。」

 

フェロー
「だからその微妙にリアルな
カエルっぽい所が不気味なんだよ…。」

 

メタルショップ店員
「…うーん? 今気づいたけどエリシア…。」

 

エリシア
「はい、なんでしょう?」



メタルショップ店員
「…その首の装飾…珍しいデザイン…。
…もう少しよく見てみたいかな…。」

 

エリシア
「あ、これは外れないんです。
お父さんに付けてもらったんですけど…。」

 

メタルショップ店員
「…え?」

 

フェロー
「今、なんて言ったエリシアちゃん?」

 

エリシア
「これは…お父さんが付けてくれて…。」

 

メタルショップ店員
「まさか…。」

 

フェロー
「記憶が?」

 

エリシア
「……だめです……。
それ以外は思い出せないです…。」

 

フェロー
「やぁやぁ!
今まではまったく思い出せなかったから
少しでも記憶が戻ったなら大進歩だよ!」

 

メタルショップ店員
「…それに、その記憶だけでも重要かも。
…その首の装置が重要な
何かであることが判ったし…。」

 

フェロー
「うーん、この首の装置。
これはロストテクノロジーが使われた
オーパーツかもしれないよ。」

 

エリシア
「ロストテクノロジー…?
オーパーツ…?」

 

フェロー
「ああ、オーパーツというのは
今では失われた大破壊前の高度な技術で
作られた機械のことだよ。」

 

フェロー
「あたしはオーパーツには詳しいんだよ。
自分のこのゴーグルも遺跡を発掘して
入手したオーパーツだし。」



メタルショップ店員
「…それで、そのゴーグルには
いったいどういう機能があるのかな…?」

 

フェロー
「それがさっぱり判らなくて…。
暗視とか望遠とかできるのかと思ったけど
そんな機能は無いようだし…。」

 

メタルショップ店員
「…ではなぜ、そのゴーグルを
いつも身につけてるの…?」

 

フェロー
「デザインが気にいったからだよ!」

 

メタルショップ店員
「当てにしてはいけないフェロー…。」

 

メタルショップ店員
「…たしかオペレーターのメガネさんが
昔の書物をたくさん所蔵していたはず…。
…そっちを当たってみたらどうかな…?」

 

フェロー
「よーし、行ってみよう!」

 

エリシア
「あ、私も行きます。」

 

To Be Continued…

【メインストーリー第9話】不思議な紋章

投稿者:
【プロデューサー】KAZ

○ラボ

 

酒場での食事の後、エリシアをラボに送ると
そこでドクターに呼び止められた。



ドクター
「ちょっといいかしら?
アナタとフェローちゃんに話があるわ。」

 

エリシア
「…すみません
私、ちょっと疲れたみたいで…。」

 

ドクター
「あら、今日はもう
エリシアちゃんは奥で休んでいいわよ。」

 

エリシア
「…はい、お休みなさい。」

 

フェロー
「疲れたって大丈夫なのエリシアちゃん?」

 

ドクター
「お腹一杯になったから
眠くなっただけよ。」

 

ドクター
「アナタたちといると、エリシアちゃんは
精神的に安心するようね。
信頼されてるのかしら。」

 

フェロー
「まあ、あたしは頼りになる
お姉さんだからね!」

 

ドクター
「頼りになる…?
まあ、それはいいわ。」

 

ドクター
「エリシアちゃんの話よ。
この前の夜にあったことなんだけど…。」

 

フェロー
「夜って、ドクターは
このラボに住んでるんだっけ?」

 

ドクター
「そうよ。
私の必要な物はだいたいここにあるしね。」

 

フェロー
「患者用のベッドはエリシアちゃんが
使ってるとしたらドクターは
どこに寝てるの?」

 

ドクター
「手術台の上よ。
意外と寝心地はいいわ。」

 

フェロー
「そ、そうなんだ…。
あんまりその光景は見たくないな…。」

 

ドクター
「話を戻すと、その夜、
エリシアちゃんがうなされてる声が
聞こえたから様子を見に行ったのよ。」



ドクター
「そうしたら、突然、エリシアちゃんの
左手の紋章が光り出したわ。」

 

フェロー
「え? エリシアちゃんの手が
光って唸りだした!?」

 

ドクター
「光ったけど唸ってはいなかったわよ。
エリシアちゃんはうなされていたけど。」

 

フェロー
「そ、それで、手が光ってどうなったの?」

 

ドクター
「それが…
手の紋章が光っているだけで
他には特に何も起きた様子はなかったわね。」

 

ドクター
「エリシアちゃんはうなされて
『あなたの思い通りにさせない』
とか寝言を言っていたけど。」

 

フェロー
「うーん
誰かと戦っている夢でも見ていたの?
それとも過去の戦いの記憶とか…。」

 

ドクター
「エリシアちゃんが過去に
何かと戦っていたというのは
ちょっと考えにくいわね。」

 

ドクター
「どう見ても戦闘訓練を受けた
体つきじゃないわ。」

 

ドクター
「翌朝、それとなく聞いてみたけど
夜のことは何も覚えてない様子だったわ。」

 

フェロー
「それは仕方ないね。
あたしも夢の内容を起きたとたんに
忘れちゃうことよくあるし。」

 

ドクター
「まあ、エリシアちゃんについては
引き続き様子を見ていくしかないわね。」

 

ドクター
「あら、そうそう、忘れるところだったわ。
エリシアちゃんの薬の材料が
ちょっと不足しているのよ。」

 

フェロー
「ドクター、また薬の材料が無いの?」

 

ドクター
「今回足りないのはケミカルよ。
もうハンターオフィスに依頼してあるけど
お願いね。」

 

─ 数時間後…

 

○ラボ

 

ドクター
「たしかに依頼のケミカルね。
これで薬を作れるわ。
さっそく取り掛かりましょう。」

 

ドクターの操作でラボの機械が
怪しげな音と光を放ちながら動き出した。」

 

ドクター
「さあケミカルがケミカルに
フュージョンしていくわ…。」

 

フェロー
「何回見ても慣れないよこれ…。
ドクターが何言っているのか
意味判らないし…。」

 

ドクター
「さあ、できたわ。
今回は飲みやすいように
チキンコンソメ味にしてみたわ。」

 

フェロー
「なんでチキンコンソメ味なの…?」

 

ドクター
「前回はのり塩味にしてみたけど
あまり出来がよくなかったのよ。」

 

フェロー
「…だからなんでスナック菓子なの…?」

 

ドクター
「まあ、どんな味でも
肝心の効き目は変わらないわ。
さあ、エリシアちゃん、どうぞ。」

 

エリシア
「…はい。」

 

エリシア
「…。」

 

エリシア
「本当にチキンコンソメの味がします。」

 

フェロー
「そう言われるとちょっと
飲んでみたい気もするかも…。」

 

ドクター
「薬だから健常者が飲んだら…
いや…あえて健常者に飲ませてみるのも
人体実験としては面白いわね。」

 

フェロー
「ちょ、ちょっと、人体実験って何だよ!
やっぱり飲みたくないよ!」

 

ドクター
「あら、残念ね。」

 

フェロー
「あ、そうだドクター。
手っ取り早く記憶を取り戻す薬とか
作れないのかな?」

 

ドクター
「そんな都合のいいものが
作れるわけないわよ。」

 

ドクター
「でも、そういえば聞いた事があるわ
記憶を戻す治療法…
たしか患者に電気を流すんだったかしら?」

 

フェロー
「それはたぶん拷問して
情報を吐かせる方法だよ…。」

 

ドクター
「あら、そうだったかしら?
でもエリシアちゃん
やるだけやってみる?」

 

エリシア
「えっ…でも…電気を流すんですか…?」

 

フェロー
「ちょっと、ドクター!
いいかげんにしなよ!
エリシアちゃんも本気にしないでよ!」

 

ドクター
「あら、軽い冗談だったのに。」

 

フェロー
「ドクターの冗談は軽く見えないんだよ!

 

エリシア
「…記憶が戻るなら…わたし
…電気も我慢します!」

 

フェロー
「頑張らなくていいからエリシアちゃん!
ドクターも冗談だって言ってるでしょ!」

ドクター
「あら、治療に積極的なのはいいことよ。」

 

ドクター
「これからはラボの外を出歩かせて
エリシアちゃんに刺激を与えるのも
いいかもしれないわ。」

 

To Be Continued…

【メインストーリー第8話】上手に焼きました

投稿者:
【プロデューサー】KAZ

○ラボ

 

エリシアの様子を見に
フェローとラボに来ていた。

 

ドクター
「あら二人とも、いらっしゃい。
死にそうな怪我はしてない?」

 

フェロー
「してないよ…。
そんなの見れば判るでしょ。」

 

フェロー
「それよりもエリシアちゃん、具合はどう?」

 

エリシア
「…大丈夫です。」

 

ドクター
「エリシアちゃんの
体のほうの回復は
順調みたいね。」

 

ドクター
「でも、記憶のほうは
回復の兆しが見えなくて…。」

 

ドクター
「これはアマモ跡地の
エリシアちゃんが発見されたあたりの
写真なんだけど見覚えあるかしら?」



エリシア
「…わからないです。」

 

フェロー
「まあ、廃墟になっているから
無理もないかもしれないわね。」

 

ドクター
「こっちの写真はエリシアちゃんが
入っていた生命維持カプセルだけど…?」



エリシア
「…見覚え、ないです。」

 

ドクター
「うーん、やっぱりダメね。
記憶に関しては
回復の気配も無いわ。」

 

エリシア
「…ごめんなさい…。」

 

フェロー
「まあまあ、エリシアちゃん。
あんまり思いつめるのは良くないよ。
こういうことは気長にやらなきゃ。」

 

フェロー
「それよりさ
ご飯でも食べない?
あたしお腹すいちゃった。」

 

ドクター
「そうね、エリシアちゃんは
今までは点滴だけだったけど…。」

 

ドクター
「そろそろ普通の食事をしても
いい頃かしら?」

 

フェロー
「そういうときはむしろ食べなきゃダメだよ!
あたしなんて胃腸の調子が悪いときは
がっつりステーキ食べるし。」

 

ドクター
「聞いた事が無い健康法ね…。」

 

フェロー
「さあエリシアちゃん、
酒場でマスターに何か美味しいもの
作ってもらおうよ。」

 

エリシア
「…あ、はい。」

 

…

 

○酒場

 

フェロー
「マスター!
今日のオススメ肉料理
三人前頼むね!」



マスター
「今日はもう終わりだ。
料理の材料がない。」

 

フェロー
「えええええ! どういうこと!?
あたしの胃袋はもう肉を受け入れる
態勢になっちゃっているんだよ!」

 

マスター
「もう材料が無いと言っただろう。
今日は客が多かったからな。」

 

マスター
「あと、残っている食材は…
コンニャクだけだな。」

 

フェロー
「それには栄養がないじゃない!
あたしは血がしたたるような肉の
栄養を欲しているんだよ!」

 

フェロー
「それにお腹をすかせた
エリシアちゃんを放っておけないし!」

 

エリシア
「わ、私は別にコンニャクでも…。」

 

マスター
「どう見ても腹をすかせた
というか、飢えているのは
フェローのほうだが…。」

 

マスター
「食材が無いものはどうにもならん。
ハンターオフィスに獣の肉ととりにくを
依頼しておいたから届くのを待つんだな。」

 

フェロー
「え、ハンターオフィスに依頼?」

 

フェロー
「それならキミ、ちょっとその依頼受けて
お肉を獲ってきてよ!」

 

 

─ 数時間後…

 

○酒場

フェロー
「お肉が来たー!」

 

エリシア
「あの、わざわざすみません…。」

 

マスター
「ふむ、いい肉だな。
この肉に相応しいのはワイン煮込みだ。
完成は2時間後。」

 

フェロー
「2時間も待ってたら餓死するよ!
マスター! お願いだから
もっと早くできる料理にして!」

 

マスター
「…仕方ない。
バーベキュー風の串焼きにでもするか。
面倒な客だ。」

 

フェロー
「さすがマスター!
愛しているよー!」

 

マスター
「愛はいらん。
たまっているツケを払え。」

 

フェロー
「そ、それは…
今後、前向きに検討するから
とりあえず、お肉食べさせてよ。」

 

マスター
「ふん、まったく…
そろそろ肉が焼けたな。」
串焼き三人前だ。

 

マスター
「ほらよ。」

 

フェロー
「この肉サイコーだね!
ああ、タンパク質が体に染み渡るよ。」

 

マスター
「そんなに早く消化吸収されないだろ。」



エリシア
「…おいしいです。
はじめての味だけどおいしい…。」

 

マスター
「…ふん、おだててもサービスはしないぞ。」

 

フェロー
「おやおや、マスター照れてる?」

 

マスター
「うるさい。」

 

フェロー
「うんうん、こうして美味しいものを
食べる事ができたのもあたしのおかげだね!」

 

マスター
「肉を獲ってきたのはそこのお前で
料理したのは俺で
フェローだけ何もしていないだろう…。」

 

フェロー
「いやいや、最初に
食事に誘ったのはあたしだし…。」

 

エリシア
「…はい、フェローさん。
誘ってくれてありがとうございます。」

 

エリシア
「…そしてあなたとマスターさんも
ありがとうございます。
このお肉、おいしいです…。」

 

To Be Continued…

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