【メインストーリー第5話】少女の記憶
○サロン サロンでくつろいでいると 深刻そうな顔をしたフェローがやってきた。 フェロー 「君! ちょっと話を聞いてよ!」 フェロー 「今、アマモ跡地を調べてるんだけど、 ちょっと問題があってさ。 調査が進められなくなっちゃったんだ。」 フェロー 「え、なんでアマモ跡地を 調べてるのかって?」 フェロー 「ほら、エリシアちゃんが見つかったのが アマモ跡地だから、まだ何か 手がかりが残ってないかって…。」 フェロー 「でもアマモ跡地には アレがいるから調査できなくて 困ってるんだよ。」 フェロー 「アレっていったらアレだよ! バズーカ背負った4本足のアレ!」 エンジニア 「…ひょっとして バズーカドッグのことかな?」 フェロー 「そうだよ、それそれ! あたしは死ぬほど犬が苦手なの!」 エンジニア 「ふーん、フェローさんって 犬が苦手なんだ?」 フェロー 「そうだよ! 悪い!?」 エンジニア 「別に悪くはないけど… ボクも動物にはあまり興味ないしなあ…。」 エンジニア 「でも、1度くらい犬を飼ってみたら 犬に対する印象も変わるんじゃないかな?」 フェロー 「犬を飼うなんて!? そんなことをするくらいなら あたしは死を選ぶ!」 エンジニア 「そ、そこまで嫌いなんだ…。」 フェロー 「だから君がなんとかしてよ! アマモ跡地から 犬を絶滅させてほしいんだ。」 フェロー 「え、絶滅はさすがに無理? それでもとにかく、犬の数を 減らしてよ!」 ─ 数時間後… ○司令室 フェロー 「犬を追い払ってくれた? これで一安心だよ。」 フェロー 「君が奴らの数を減らしてくれたなら ようやく調査を進められるよ。」 エンジニア 「それにしてもフェローさんって どうしてそんなに犬が嫌いなの?」 オペレーター(あっさりサバサバ系) 「私もそれは疑問ですね。 犬はよく人に懐いて、可愛いと思いますが。」 マスター 「それに、訓練された大型犬は 戦場でも頼りになる存在だぞ。」 フェロー 「みんな、うるさい! あたしは過去にトラウマがあるの!」 エンジニア 「やっぱり、全身に生肉を縛り付けられて 飢えた犬の群れの中に放り込まれたとか そういう過去かな…。」 フェロー 「その発想が怖いよ! そんな事されたら 犬嫌いになるより前に犬の餌食だよ!」 エンジニア 「じゃあ、なんで犬が嫌いなの?」 フェロー 「…。」 フェロー 「…昔、犬にお尻を噛まれた。」 エンジニア 「お尻を? 犬に? あははははははっ!」 マスター 「ふん、ふふっ…。」 オペレーター(あっさりサバサバ系) 「ぷっ、くくくく…。 いえみなさん、笑ってはいけないですよ…。」 フェロー 「みんなで笑うなー!」 フェロー 「すっごい大きな犬で すっごく痛かったんだから!」 フェロー 「今でも噛まれた跡が残っているくらい ひどく噛まれたんだ。」 オペレーター(あっさりサバサバ系) 「きっと犬から見て 美味しそうなお尻だったんですよ。」 フェロー 「美味しそうなお尻ってなんだよ!?」 エンジニア 「そうだ、フェローさん その噛まれた跡をみんなに見せてよ。」 マスター 「恥ずかしがることはない。 傷跡は勲章だぞ。」 フェロー 「傷跡を見せたくないんじゃなくて お尻を見せたくないんだよ!」 フェロー 「もう、みんな! からかわないでよ!」 サロン中は笑いに包まれ 時は過ぎていった。 ○ラボ 眠り続けるエリシアは夢を見ていた。 エリシア (ここはどこ? あなた達は…?) 目覚めた直後に見たのは 見知らぬ医務室のような部屋と 白衣を着た女性と知らない人たち。 それが一番新しい記憶。 それだけがはっきりしている記憶だった。 エリシア (わたしは…?) 夢の中に断片的な光景が浮かんでくる。 それが記憶なのか夢なのかも判らない。 男性の声 「おい!! エリシア!! 死ぬな!! エリシアー!!」 女性の声 「エリシア… うう…エリシア… なぜこんなことに…。」 男性の声 「何か…まだ何か… 方法があるはずだ…。」 女性の声 「あなた… 変な考えはやめて…。 エリシアはもうっ…!」 エリシア (この人たちは誰…? わからない…。) 夢の中に浮かんでくる光景もやがて消え去り エリシアは一人、闇の中にとり残された。 エリシア (わたしは…どうなるの…?) To Be Continued…
2018年3月5日13:41