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【メインストーリー第8話】上手に焼きました

投稿者:
【プロデューサー】KAZ

○ラボ

 

エリシアの様子を見に
フェローとラボに来ていた。

 

ドクター
「あら二人とも、いらっしゃい。
死にそうな怪我はしてない?」

 

フェロー
「してないよ…。
そんなの見れば判るでしょ。」

 

フェロー
「それよりもエリシアちゃん、具合はどう?」

 

エリシア
「…大丈夫です。」

 

ドクター
「エリシアちゃんの
体のほうの回復は
順調みたいね。」

 

ドクター
「でも、記憶のほうは
回復の兆しが見えなくて…。」

 

ドクター
「これはアマモ跡地の
エリシアちゃんが発見されたあたりの
写真なんだけど見覚えあるかしら?」



エリシア
「…わからないです。」

 

フェロー
「まあ、廃墟になっているから
無理もないかもしれないわね。」

 

ドクター
「こっちの写真はエリシアちゃんが
入っていた生命維持カプセルだけど…?」



エリシア
「…見覚え、ないです。」

 

ドクター
「うーん、やっぱりダメね。
記憶に関しては
回復の気配も無いわ。」

 

エリシア
「…ごめんなさい…。」

 

フェロー
「まあまあ、エリシアちゃん。
あんまり思いつめるのは良くないよ。
こういうことは気長にやらなきゃ。」

 

フェロー
「それよりさ
ご飯でも食べない?
あたしお腹すいちゃった。」

 

ドクター
「そうね、エリシアちゃんは
今までは点滴だけだったけど…。」

 

ドクター
「そろそろ普通の食事をしても
いい頃かしら?」

 

フェロー
「そういうときはむしろ食べなきゃダメだよ!
あたしなんて胃腸の調子が悪いときは
がっつりステーキ食べるし。」

 

ドクター
「聞いた事が無い健康法ね…。」

 

フェロー
「さあエリシアちゃん、
酒場でマスターに何か美味しいもの
作ってもらおうよ。」

 

エリシア
「…あ、はい。」

 

…

 

○酒場

 

フェロー
「マスター!
今日のオススメ肉料理
三人前頼むね!」



マスター
「今日はもう終わりだ。
料理の材料がない。」

 

フェロー
「えええええ! どういうこと!?
あたしの胃袋はもう肉を受け入れる
態勢になっちゃっているんだよ!」

 

マスター
「もう材料が無いと言っただろう。
今日は客が多かったからな。」

 

マスター
「あと、残っている食材は…
コンニャクだけだな。」

 

フェロー
「それには栄養がないじゃない!
あたしは血がしたたるような肉の
栄養を欲しているんだよ!」

 

フェロー
「それにお腹をすかせた
エリシアちゃんを放っておけないし!」

 

エリシア
「わ、私は別にコンニャクでも…。」

 

マスター
「どう見ても腹をすかせた
というか、飢えているのは
フェローのほうだが…。」

 

マスター
「食材が無いものはどうにもならん。
ハンターオフィスに獣の肉ととりにくを
依頼しておいたから届くのを待つんだな。」

 

フェロー
「え、ハンターオフィスに依頼?」

 

フェロー
「それならキミ、ちょっとその依頼受けて
お肉を獲ってきてよ!」

 

 

─ 数時間後…

 

○酒場

フェロー
「お肉が来たー!」

 

エリシア
「あの、わざわざすみません…。」

 

マスター
「ふむ、いい肉だな。
この肉に相応しいのはワイン煮込みだ。
完成は2時間後。」

 

フェロー
「2時間も待ってたら餓死するよ!
マスター! お願いだから
もっと早くできる料理にして!」

 

マスター
「…仕方ない。
バーベキュー風の串焼きにでもするか。
面倒な客だ。」

 

フェロー
「さすがマスター!
愛しているよー!」

 

マスター
「愛はいらん。
たまっているツケを払え。」

 

フェロー
「そ、それは…
今後、前向きに検討するから
とりあえず、お肉食べさせてよ。」

 

マスター
「ふん、まったく…
そろそろ肉が焼けたな。」
串焼き三人前だ。

 

マスター
「ほらよ。」

 

フェロー
「この肉サイコーだね!
ああ、タンパク質が体に染み渡るよ。」

 

マスター
「そんなに早く消化吸収されないだろ。」



エリシア
「…おいしいです。
はじめての味だけどおいしい…。」

 

マスター
「…ふん、おだててもサービスはしないぞ。」

 

フェロー
「おやおや、マスター照れてる?」

 

マスター
「うるさい。」

 

フェロー
「うんうん、こうして美味しいものを
食べる事ができたのもあたしのおかげだね!」

 

マスター
「肉を獲ってきたのはそこのお前で
料理したのは俺で
フェローだけ何もしていないだろう…。」

 

フェロー
「いやいや、最初に
食事に誘ったのはあたしだし…。」

 

エリシア
「…はい、フェローさん。
誘ってくれてありがとうございます。」

 

エリシア
「…そしてあなたとマスターさんも
ありがとうございます。
このお肉、おいしいです…。」

 

To Be Continued…

【メインストーリー第7話】襲撃

投稿者:
【プロデューサー】KAZ

○ラボ

フェロー
「エリシアちゃんはどこなの!?
もう目覚めているんでしょ!
さあさあ、どこなの白状してドクター!」

 

ドクター
「フェローちゃん、ラボで騒がないで。
静かにしないと、この薬を
注射しちゃうわよ?」

 

フェロー
「なにそのヤバイ色の薬!?
あたしはエリシアちゃんに
会いに来ただけで…。」

 

ドクター
「まあ、慌てないでフェローちゃん。
エリシアちゃんに会うのは
ちょっと待ってね。」

 

ドクター
「エリシアちゃんは目覚めたばかりで
いろいろと調べる必要があるのよ。」

 

フェロー
「え? 目覚めたから
もう元気になったんじゃないの?」

 

ドクター
「そんなにすぐ元気になるわけないでしょう。
まだ体の中にダメージが残っているわよ。」

 

フェロー
「ダメージって…
そんな怪我したみたいな…。」

 

ドクター
「いえ、どうもあの生命維持カプセルには
副作用があるみたいなのよ。」

 

ドクター
「そのせいで外見からは判らないダメージを
体の中に受けていたみたいね。
あの衰弱はそのせい。」

 

ドクター
「エリシアちゃんがカプセルから出た以上、
今後、回復していくはずよ。」

 

ドクター
「あとは… そうね、アナタたちには
今まであの子について判った事を
知ってもらったほうがいいかしら…。」

 

フェロー
「何か変な事でも見つかったの?」

 

ドクター
「変というかなんというか…。
あの子の体には
何かの機械が埋め込まれてるわ。」

 

ドクター
「私もサイバーウェアの知識あるけれど
あの子に埋め込まれている機械が
何なのか判らないのよ。」

 

フェロー
「それって…エリシアちゃんは
誰かに改造されているってことなの?」

 

ドクター
「そういうことになるわね。
埋め込まれた機械については、
今はなんとも言えないわ…。」

 

ドクター
「あと、あの子の左手には甲から手首にかけて
不思議な紋章のようなものがあるのよね。
これも何なのか判ってないわ。」

 

フェロー
「エリシアちゃんの手に模様…
そんなもの、あったかな?」

 

ドクター
「手に布が巻いてあったから
気づかなかったとしても無理ないわね。」

 

ドクター
「あとは…
肝心の記憶喪失のことだけど
脳の検査では異常はなかったわ。」

 

ドクター
「脳に異常はないということは、
そうね…なにか精神的な強いショックか
何かがあったんじゃないかしら?」

 

ドクター
「もしそうだとすると、記憶回復するかどうかは
私にもはっきりしたことは言えないわね。」

 

エリシア
「…あの…。」

 

ドクター
「あら、エリシアちゃん?
まだ横になってなきゃダメよ。」

 

フェロー
「エリシアちゃん!
ふらついているけど歩いて大丈夫なの?」

 

エリシア
「あ…う…。」

 

ドクター
「フェローちゃん
あんまり刺激しちゃダメよ
怖がってるじゃないの。」

 

ドクター
「エリシアちゃんはさっき目覚めたばかりで
自分の置かれた状況がよく判ってないのよ。」

 

突然、警報音が響いた。



オペレーター(ゆるふわ清楚系)
「ランドシップにモンスター襲撃!
至急、迎撃準備をしてください!」

 

─ 激闘の末…

 

○ハンターオフィス

 

オフィサー
「君のおかげで
モンスターは撃退されたようだ。
ご苦労だったな。」

 

ドクター
「船長、エリシアちゃんを
連れて来たわ。」



エリシア
「……。」

 

オフィサー
「うむ、歩けるくらいには
回復したようだな。」

 

オフィサー
「エリシア君、君はアマモの跡地の
地下にあった生命維持カプセルの中に
入っていたのだよ。」

 

オフィサー
「カプセルを発見し、エリシア君を
中から出すために動いてくれたのが
そこのフェロー君たちだ。」

 

エリシア
「…あの…
…その、ありがとうございます…。」

 

フェロー
「いやぁ、お礼なんて別にいいから!」

 

オフィサー
「エリシア君はしばらくは
ラボで治療を続ける必要が
あるだろうが…。」

 

オフィサー
「ランドシップの中を
見回る事くらいは許可しよう。」

 

ドクター
「でも、あまり無理しちゃダメよ
エリシアちゃん。」

 

エリシア
「…はい…。」

 

オフィサー
「それにしても…
さきほどの襲撃は妙だったな。」

 

フェロー
「そうだよね!
砂漠地帯にいるはずのスレッジハンマーが
こんなところに出てくるなんておかしいよ!」

 

オフィサー
「うむ…今後は警戒を強める必要があるな。
何かあったときは
君に何か頼むかもしれない。」

 

オフィサー
「その時は良い働きを
期待しているぞ。」

 

オフィサー
(この前のモンスターの増加といい
おかしなことが続いているな…)

 

オフィサー
(何かが起きているのかもしれん。
嫌な予感がする)

 

To Be Continued…

【メインストーリー第6話】少女の目覚め

投稿者:
【プロデューサー】KAZ

○ショップ

 

…

 

エリシア
(お父さん…。助けて…。)

 

あの少女…エリシアの言葉が気になり
考えながらランドシップの中を歩いていた。

 

エリシアの両親はどこかにいるのだろうか?
そもそもなぜ、彼女は生命維持カプセルに
入っていたのか…?

 

疑問ばかり浮かんでくるが答えは出ない。
そうしているうちにショップの前まで来ていた。



売店の店員
「そこのあなた
ちょっといいですか?」

 

メタルショップ店員
「…わたしたち困ってる…
…助けてほしい。」

 

売店の店員
「もう在庫がピンチなんです!」

 

メタルショップ店員
「待って妹…
いきなりそう言っても判らないと思う。」

 

売店の店員
「あ、そうですね、お姉ちゃん。
最初から事情を話しましょう。」

 

売店の店員
「えーとですね、最近
トレーダーキャンプとの流通が
滞りがちになっているんです。」

 

メタルショップ店員
「…トレーダーキャンプというのは…
…トレーダーのキャンプだよ…。」

 

売店の店員
「お姉ちゃん、
その説明はそのまますぎます…。」

 

売店の店員
「トレーダーキャンプは
ランドシップの外に点在している
トレーダーの拠点の事です。」

 

売店の店員
「トレーダーキャンプから
商品を仕入れているので
それが来ないと…。」

 

メタルショップ店員
「…売るものがなくなってしまう…。」

 

メタルショップ店員
「そうなったらわたしの
秘蔵のカエルグッズを…。」

 

売店の店員
「お姉ちゃん、そんなの誰も買いませんよ。」

 

メタルショップ店員
「そんなことはないよ…。
カエルの魅力なら
みんなに通じるはずだよ…。」

 

売店の店員
「…お姉ちゃん、話がズレてきてますよ!」

 

メタルショップ店員
「…わかった。」

 

売店の店員
「トレーダーキャンプからの流通が
滞っているのは最近になって
急にモンスターが増えたせいなんです。」

 

メタルショップ店員
「トレーダー殺しが増えてるらしい…。」

 

売店の店員
「だから手の空いているハンターの人には
討伐に行ってほしいんですよ。」

 

メタルショップ店員
「このままだと大変な事になるよ…。」

 

売店の店員
「船長さんにもこの事は伝えていて
ハンターオフィスに正式な依頼として
この件が出ているはずです。」

 

メタルショップ店員
「そう、討伐について詳しい事は
ハンターオフィスに行って見てほしい…。」

 

─ 数時間後…

 

○ハンターオフィス

 

オフィサー
「ご苦労。
これでトレーダーキャンプとの
流通も回復するだろう。」

 

売店の店員
「本当に助かりました!
ありがとうございます!」

 

メタルショップ店員
「…これでようやくひと息つけそう。
…お礼にうちの妹との握手券をあげる。」

 

売店の店員
「お姉ちゃん!?
勝手に握手券とか作らないでください!」

 

メタルショップ店員
「…これ、みんなに好評だよ?」

 

売店の店員
「もうみんなに配っているんですか!?
全部回収してください!」

 

売店の店員
「あなたのその握手券も回収です!」

 

オフィサー
「まあ、これで流通についての
当面の問題は解決したわけだが…。」

 

オフィサー
「もちろん今後も調査は続けていくが
原因が判明するかどうは判らんな。」

 

その時、フェローが
「慌てた様子でハンターオフィスに
駆け込んできた。

 

フェロー
「ちょっと、聞いて聞いて!
今さっきちょゴフッゲフッ!」

 

売店の店員
「ちょっと、慌てすぎですよフェローさん!
…さあ、これでも飲んで落ち着いて…。」

 

オフィサー
「おい、私のお茶を勝手に…。」

 

フェロー
「ごくごく…
うわなにこれ苦くてマズッ!」

 

オフィサー
「私のお茶…。」

 

オフィサー
「ごほん!
…フェロー君、落ち着いたかね?」

 

フェロー
「あ、はい。
そうだ大変なんだよ!
エリシアちゃんが、エリシアちゃんが…!」

 

オフィサー
「エリシア君がどうしたんだ?」

 

フェロー
「エリシアちゃんが目覚めたって!
ドクターからそう言われて!」

 

To Be Continued…

【メインストーリー第5話】少女の記憶

投稿者:
【プロデューサー】KAZ

○サロン

サロンでくつろいでいると
深刻そうな顔をしたフェローがやってきた。

 

フェロー
「君! ちょっと話を聞いてよ!」

 

フェロー
「今、アマモ跡地を調べてるんだけど、
ちょっと問題があってさ。
調査が進められなくなっちゃったんだ。」

 

フェロー
「え、なんでアマモ跡地を
調べてるのかって?」

 

フェロー
「ほら、エリシアちゃんが見つかったのが
アマモ跡地だから、まだ何か
手がかりが残ってないかって…。」

 

フェロー
「でもアマモ跡地には
アレがいるから調査できなくて
困ってるんだよ。」

 

フェロー
「アレっていったらアレだよ!
バズーカ背負った4本足のアレ!」

 

エンジニア
「…ひょっとして
バズーカドッグのことかな?」

 

フェロー
「そうだよ、それそれ!
あたしは死ぬほど犬が苦手なの!」

 

エンジニア
「ふーん、フェローさんって
犬が苦手なんだ?」

 

フェロー
「そうだよ! 悪い!?」

 

エンジニア
「別に悪くはないけど…
ボクも動物にはあまり興味ないしなあ…。」

 

エンジニア
「でも、1度くらい犬を飼ってみたら
犬に対する印象も変わるんじゃないかな?」

 

フェロー
「犬を飼うなんて!?
そんなことをするくらいなら
あたしは死を選ぶ!」

 

エンジニア
「そ、そこまで嫌いなんだ…。」

 

フェロー
「だから君がなんとかしてよ!
アマモ跡地から
犬を絶滅させてほしいんだ。」

 

フェロー
「え、絶滅はさすがに無理?
それでもとにかく、犬の数を
減らしてよ!」

 

 

─ 数時間後…

 

○司令室

 

フェロー
「犬を追い払ってくれた?
これで一安心だよ。」

 

フェロー
「君が奴らの数を減らしてくれたなら
ようやく調査を進められるよ。」

 

エンジニア
「それにしてもフェローさんって
どうしてそんなに犬が嫌いなの?」



オペレーター(あっさりサバサバ系)
「私もそれは疑問ですね。
犬はよく人に懐いて、可愛いと思いますが。」

 

マスター
「それに、訓練された大型犬は
戦場でも頼りになる存在だぞ。」

 

フェロー
「みんな、うるさい!
あたしは過去にトラウマがあるの!」

 

エンジニア
「やっぱり、全身に生肉を縛り付けられて
飢えた犬の群れの中に放り込まれたとか
そういう過去かな…。」

 

フェロー
「その発想が怖いよ!
そんな事されたら
犬嫌いになるより前に犬の餌食だよ!」

 

エンジニア
「じゃあ、なんで犬が嫌いなの?」

 

フェロー
「…。」

 

フェロー
「…昔、犬にお尻を噛まれた。」

 

エンジニア
「お尻を? 犬に?
あははははははっ!」

 

マスター
「ふん、ふふっ…。」

 

オペレーター(あっさりサバサバ系)
「ぷっ、くくくく…。
いえみなさん、笑ってはいけないですよ…。」

 

フェロー
「みんなで笑うなー!」

 

フェロー
「すっごい大きな犬で
すっごく痛かったんだから!」

 

フェロー
「今でも噛まれた跡が残っているくらい
ひどく噛まれたんだ。」

 

オペレーター(あっさりサバサバ系)
「きっと犬から見て
美味しそうなお尻だったんですよ。」

 

フェロー
「美味しそうなお尻ってなんだよ!?」

 

エンジニア
「そうだ、フェローさん
その噛まれた跡をみんなに見せてよ。」

 

マスター
「恥ずかしがることはない。
傷跡は勲章だぞ。」

 

フェロー
「傷跡を見せたくないんじゃなくて
お尻を見せたくないんだよ!」

 

フェロー
「もう、みんな!
からかわないでよ!」

 

サロン中は笑いに包まれ
時は過ぎていった。

 

○ラボ



眠り続けるエリシアは夢を見ていた。

 

エリシア
(ここはどこ? あなた達は…?)

 

目覚めた直後に見たのは
見知らぬ医務室のような部屋と
白衣を着た女性と知らない人たち。

 

それが一番新しい記憶。
それだけがはっきりしている記憶だった。

 

エリシア
(わたしは…?)

 

夢の中に断片的な光景が浮かんでくる。
それが記憶なのか夢なのかも判らない。

 

男性の声
「おい!! エリシア!!
死ぬな!! エリシアー!!」

 

女性の声
「エリシア…
うう…エリシア…
なぜこんなことに…。」

 

男性の声
「何か…まだ何か…
方法があるはずだ…。」

 

女性の声
「あなた…
変な考えはやめて…。
エリシアはもうっ…!」

 

エリシア
(この人たちは誰…?
わからない…。)

 

夢の中に浮かんでくる光景もやがて消え去り
エリシアは一人、闇の中にとり残された。

 

エリシア
(わたしは…どうなるの…?)

 

To Be Continued…

【メインストーリー第4話】エリシアのために

投稿者:
【プロデューサー】KAZ

○ラボ

意識を失ったエリシアはラボの
医療プラントの中に移された。

 

ドクター
「…しばらくは
エリシアちゃんとは面会謝絶よ。」

 

ドクター
「それに、どうもエリシアちゃん、
自分の名前以外の記憶が無いみたいね。」

 

フェロー
「え、それって記憶喪失って事?
だ、大丈夫なの!?」

 

ドクター
「大丈夫なわけないわよ。
でも、まずは身体の回復を優先しないと…。」

 

サルーンガール
「やっほー!
噂の謎の少女に会わせてよー!」

 

ドクター
「はぁ…
どこでエリシアちゃんの事を聞きつけたか
知らないけど面会謝絶よ。」

 

サルーンガール
「ちょっとくらい、いいでしょドクター!
その少女に会わせてよぉ!」

 

ドクター
「ダメよ。
面会謝絶って言ったでしょ。」

 

サルーンガール
アナタ、そしてフェローちゃんも
一緒にドクターに頼んでよぉ。」

 

サルーンガール
「カプセルから出てきたっていう
謎の少女ってどんな子なのよぉ?
気になって仕方ないわ。」

 

ドクター
「誰が頼んでもダメ。
この面会謝絶は船長命令よ。」

 

サルーンガール
「船長命令?
なんで船長さんがそこまでするのぉ?」

 

ドクター
「あの子が衰弱している原因が
まだ判らないからよ。」

 

ドクター
「そういうわけだからサロンちゃんは
もう帰ってくれないかしら。」

 

サルーンガール
「せっかく来たのにひどいわぁ!
ドクターの鬼! 悪魔! メガネ! 巨乳!」

 

○サロン



サルーンガール
「なんで会わせてくれないのよぉ…。」

 

フェロー
「まあまあ…。あたしたちが
知っている事なら話してあげるから。
君も、いいよね?」

 

フェロー
「あの子… エリシアちゃんについては
君とあたしが第一発見者なんだから!」

 

フェローに促されるようにして、
「エリシアについて一通りの事を
サルーンガールに語った。」

 

サルーンガール
「ふーん、エリシアちゃんって名前なの。
記憶喪失なんて可哀想だわぁ。」

 

サルーンガール
「もっと聞きたいわ。
エリシアちゃんのスリーサイズとか
どれくらいかしら?」

 

フェロー
「そんな事まで判らないけど…
そういえば、服はボロボロだったね。
スカートとか破れていたし。」

 

サルーンガール
「そうだわ!
フェローちゃんも知ってるでしょ。
アタシは裁縫が得意なのよ!」

 

フェロー
「ああ、そういえば
その自分の服も自作だって
聞いた気がするよ。」

 

サルーンガール
「エリシアちゃんの服を
アタシが作ってあげるわ!」

 

サルーンガール
「…でも、考えてみると
今は手持ちの布が足りないわ…。」

 

サルーンガール
「そうだ、アナタ
布キレを調達してきてくれない?」

 

─ 数時間後…

 

○サロン

 

サルーンガール
「布キレを調達してくれたのね!
これで服が作れるわ!」

 

サルーンガールは
ものすごい勢いでミシンを回して
服を作り始めた。

 

フェロー
「すごい…。
ミシンガールに改名してもいいくらい!」

 

サルーンガール
「できたわ! 完成よぉ!」

 

フェロー
「早すぎる…。
しかも一着じゃなくて
いろいろ作ってるし…。」

 

サルーンガール
「まずは鬼のブラと鬼のパンツ!
虎の毛皮でできていて
強くて10年はいてもやぶれないわぁ。」

 

フェロー
「なんで布キレから
そんなものができるの!?」

 

サルーンガール
「次はさらし巻きとふんどしよ!」

 

フェロー
「今度はほぼ布キレのまま!?
というか、女の子に何を着せる気なの!」

 

サルーンガール
「最後はこのセーラー服。
おそろいでアタシのぶんも作ってみたわぁ。」

 

フェロー
「エリシアちゃんはともかく
サロンの人がセーラー服着たら
それはもう、いろいろとヤバイよ!」

 

サルーンガール
「これでエリシアちゃんも
喜んでくれるかしら?」

 

フェロー
「それは微妙…
というか病人に着せる服じゃないし…。」

 

サルーンガール
「そう、残念ねぇ。
でもせっかく作ったんだから
届けに行くわぁ。」

 

フェロー
(こんなもの届けていいのかな…。)

 

○ラボ

 

…

 

「ドクター
また来たの?
エリシアちゃんは
まだ会える状態じゃないわよ。」

 

サルーンガール
「今回は会いにきたんじゃないわぁ。
エリシアちゃんのために作った
服を届けにきたのよ。」

 

ドクター
「服…?
なんだかすごい服もあるけど…。」

 

サルーンガール
「エリシアちゃんが目覚めたら
これを渡しておいてねぇ。」

 

ドクター
「ま、まあ、一応、受け取っておくわ。」

 

サルーンガール
「じゃあ、アタシはサロンに戻るわね。
アナタもいろいろ手伝ってくれて
あ・り・が・とねぇ!」

 

…

 

○司令室



その夜、司令室に
オフィサー、ドクター、マスターの
三人が集まっていた。

 

オフィサー
「彼女の… エリシア君の様子はどうかね?」

 

ドクター
「容態は落ち着いているわ。
じきに意識も戻るはずよ。」

 

ドクター
「でも記憶が回復するかは疑問ね。
どうも普通の記憶喪失では
ないような気がするのよ。」

 

マスター
「俺はあのエリシアとかいう娘は
危険だと思う。」

 

ドクター
「…危険とはどういうことよ?」

 

マスター
「根拠があるわけじゃない。
ただの俺の勘だ。
嫌な予感がする。」

 

ドクター
「非科学的ねえ。」

 

オフィサー
「いやドクター、私もマスターと同じ意見だ。
エリシア君の置かれた状況そのものに
うまく言えないが不穏な気配がする。」

 

ドクター
「二人がそこまで言うなら
何かあるのかもしれないわね。」

 

オフィサー
「危険があるかもしれないが、だからこそ
エリシア君の存在は重要だ。
ドクター、彼女を頼んだぞ。」

 

ドクター
「ええ…。」

 

To Be Continued…

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