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【メインストーリー第18話】新天地を求めて

投稿者:
【プロデューサー】KAZ

○司令室

 

グレートウォール。
巨大な人工壁によって
東西が分断されている地域である。



フェロー
「着いたー!
でっかい壁が見えてきたよ!」

 

オフィサー
「落ち着きたまえフェロー君。
壁の大きさから考えて
目的地まではまだ距離があるはずだ。」



エリシア
「…すみません船長。
わたしのためにこんなところまで
ランドシップを動かしてもらって…。」

 

オフィサー
「気にするなエリシア君。
話を聞く限りではニコラという人物は
我々にとっても重要人物だと思われる。」

 

オフィサー
「エリシア君の父親だということを
抜きにしても少しでも情報がほしい。」

 

オフィサー
「何しろ、分からない事が多すぎる。
彼の手がかりが掴めればいいのだが。」

 

その時、ランドシップに衝撃が走った。



オペレーター(ゆるふわ清楚系)
「左舷に被弾!
壁の上から砲撃されています!」

 

オフィサー
「砲撃だと?
噂には聞いていたが
本当に壁の上から撃ってきたのか?」

 

フェロー
「うーん、おかしいよ…。
壁の上からの砲撃はもう無くなっていて
安全だって聞いていたけど…?」

 

オフィサー
「実際に撃たれているのだから
そんな事を言っている場合ではない!」

 

オペレーター(ゆるふわ清楚系)
「次の砲撃、来ます!」

 

フェロー
「うわー!
避けて避けて!
そうだ、ジャンプして!」

 

オペレーター(ゆるふわ清楚系)
「無茶言わないでください!」

 

オフィサー
「総員、着弾の衝撃にそなえろ!」

 

フェロー
「けっこう揺れる…!
エリシアちゃん、大丈夫?」

 

エリシア
「だ、大丈夫です…!」

 

オペレーター(ゆるふわ清楚系)
「さらに次の砲撃来ます!」

 

オフィサー
「地対空ミサイルで迎撃できるか?」

 

エンジニア
「無理だよ!
目標が熱源のないただの砲弾だと
ミサイルを誘導できないよ!」

 

オフィサー
「ならば全速前進!
ランドシップを壁に寄せろ!」

 

オフィサー
「そこは壁自体が邪魔になって
砲撃の死角のはずだ!」

 

…

 

フェロー
「ふぅー、ようやく砲撃が止んだよ…。」

 

エリシア
「危なかったですね…。」

 

オフィサー
「しかし、これでは
ここからうかつに動く事もできんな…。」

 

エンジニア
「ならボクの出番だね。
地対空ミサイルを改造して
砲弾を迎撃できるようにしよう。」

 

オフィサー
「そんなことができるのかね?」

 

エンジニア
「熱源誘導じゃダメだから
電磁波による誘導装置が必要だね。」

 

エンジニア
「必要な素材があれば
すぐにでもボクが作るよ。」

 

オフィサー
「うむ…素材か…。」

 

フェロー
「あ、たしかすぐ近くに
廃倉庫があったはずだけど。
そこに使えるものないかな?」

 

オフィサー
「そこならば素材が入手できるかもしれんな。
至急、必要な素材をピックアップして
ハンターたちに依頼しよう。」

 

オフィサー
「君も素材集めを手伝ってほしい。
詳細はハンターオフィスで話そう。」

 

─ 数時間後…

 

○司令室

 

オフィサー
「君のおかげで素材が集まったようだ。
ご苦労だったな。」



エンジニア
「これで地対空ミサイルを改造できるよ!
ありがとう!」

 

エンジニア
「早速、誘導装置を作るよ!
あ、フェローさん
邪魔はしないでよね。」

 

フェロー
「そんな事、しないって。
それより船長、あたしが調査員らしく
調べて来たんだけどね。」

 

オフィサー
「何かね?
ニコラという人物についてでも
何か判ったのかね?」

 

フェロー
「ああ、そっちのほうは成果なしだったよ。
ごめんねエリシアちゃん。」

 

エリシア
「いえ、いいんです…。」

 

フェロー
「あの砲撃なんだけど、
やっぱり、もうずっと止まっていて
撃たれる事はなかったらしいよ。」

 

フェロー
「それなのに、今回は
急に動き出したって…。」

 

オフィサー
「ふむ…。
このランドシップが狙われたのか…?」

 

オフィサー
「まさか…これはアラドの仕業か?」

 

オフィサー
「いや…
ヤツが壁の上の砲を動かせるとは
思えないな…。」

 

オフィサー
「…しかしそうすると…
ランドシップに何か狙われる理由は…?」

 

エリシア
「……どうかしましたか、船長?」



オフィサー
(もしかして彼女を狙って…?いや…まさかな。)

 

To Be Continued…

【メインストーリー第17話】父親の影

投稿者:
【プロデューサー】KAZ

○ラボ



フェロー
「やぁやぁ!
エリシアちゃん検査終わったかなー?」

 

ドクター
「ちょっと静かにしなさい。
エリシアちゃんは検査が終わって
今は寝ているわ。」

 

ドクター
「静かにしないなら
解剖するわよフェローちゃん。」

 

フェロー
「いや、ドクター…。
軽いお仕置きのノリで
解剖とかしないでよ…。」

 

ドクター
「ふふふ…。
解剖しても後で治してあげるわ。」

 

フェロー
「だからドクターの冗談は
いろいろ怖すぎるからやめてよ!?」

 

フェロー
「それで、えーと…。
エリシアちゃんの検査は
終わったんだよね?」

 

ドクター
「本格的な身体検査って
けっこう体力を消耗するのよね。」

 

フェロー
「ああ、それで
エリシアちゃん寝てるんだ。」

 

ドクター
「エリシアちゃんの身体の回復は順調よ。
記憶も少しずつだけど
戻ってきているみたい。」

 

ドクター
「でも、すべてぼんやりしているというか
断片的というか、そんな状態ね。」

 

ドクター
「そこからエリシアちゃんの過去に関する
情報を得るのは、まだちょっと難しいわ。」

 

フェロー
「でも記憶が戻ってきているんなら
良い兆候だよね。
きっと全部思い出せるよ。」

 

ドクター
「そうね…。
あと生命維持カプセルの事なんだけど…。」

 

フェロー
「カプセルって
あのエリシアちゃんが入ってたやつ?」

 

ドクター
「大破壊前の資料を調べていたら
詳しく書かれていたものを見つけたわ。」



ドクター
「その資料によると
あの生命維持カプセルの
正式な名前はミトラ。」

 

ドクター
「ミトラとは古代の光明神、太陽神の名で
死と再生と契約を司るわ。」

 

フェロー
「…急に難しい話になってきたね。」

 

ドクター
「死と再生の神の名がつけられたのは
人類が壊滅に追いやられた際に備え
人類の保管を目的に作られたからよ。」

 

ドクター
「少数の男女を保管し
生き延びさせて人類を存続させるのが
このミトラの目的だったのよ。」

 

ドクター
「それに、細かく解析して判ったのだけれど
このミトラには重大な欠陥があるわ。」

 

ドクター
「このミトラに入って眠っていると
時間が経つにつれて
全身の細胞が蝕まれていくのよ。」

 

ドクター
「エリシアちゃんの衰弱もこのせいね。
あれでも症状はまだ軽いほうだったのよ。
植物人間になってもおかしくなかったわ。」

 

フェロー
「…エリシアちゃん、
危ないところだったんだね。」

 

フェロー
「でも、なんでアマモ跡地の
地下施設にミトラがあったのかな?」

 

フェロー
「あんなところに
ミトラみたいな装置を
作った人がいたって事?」

 

ドクター
「欠陥品とはいえミトラを
作ったならその技術はたいしたものよ。」

 

ドクター
「その地下施設には
まだ何か隠されているのかもしれないわね。」

 

フェロー
「うーん。
それならもう一度あの地下施設を
調べなおしてみたほうがいいかな?」

 

ドクター
「それなら、丁度
地下施設の調査の依頼が
ハンターオフィスにあったはずよ。」

 

─ 数時間後…

 

○酒場

 

フェロー
「エリシアちゃん、
この古い日記に見覚えはないかな?」

 

エリシア
「…ちょっと… 判らないです…。」

 

フェロー
「まあ、日記の中身を読めば
何か判るだろうし…。」

 

フェロー
「日記がボロボロすぎて
何が書いてあるのか読めないよ…。」

 

フェロー
「そうだ!
このあたしのゴーグルを
使えば読めない文字だって…。」

 

フェロー
「ダメみたい…。
考えてみるとボロボロになって
読めない字は翻訳しようがないよね…。」

 

エリシア
「それじゃ、何も判らないんでしょうか…?」

 

フェロー
「いや、あたしはあきらめないよ。
どこか判読できるところは…。
うーん、うーん…。」

 

フェロー
「やっぱりダメ…。
判ったのはこの日記を書いている人が
ニコラって名前だろうってくらいしか…。」



エリシア
「…ニコラ?
…お父さんと同じ名前…。」

 

フェロー
「エリシアちゃん!記憶が!?」

 

エリシア
「…そうです!
お父さんの名前はニコラです!
でもそれ以外は思い出せません…。」

 

マスター
「ニコラ、か…。
俺もひとつ心当たりがある。」

 

マスター
「前に酒場に来た客から聞いた話だ。
グレートウォールの近くにいる者が
ニコラという男の話をよくしていたとか。」

 

エリシア
「その人はわたしのお父さんの
知り合いなんでしょうか?
それなら会ってみたいです…。」

 

ドクター
「ちょっと待ちなさい。
エリシアちゃんの身体は
まだ万全じゃないのよ?」

 

エリシア
「…でも、お父さんの事が
何か判るなら…わたし…。

 

フェロー
「大丈夫だよ!
エリシアちゃんはあたしが守るわ!
…まあ、実際に守るのは君だけど。」

 

フェロー
「だからエリシアちゃん。
一緒にその人に会いに行こう!」

 

エリシア
「…はい!」

 

To Be Continued…

【メインストーリー第16話】最後の挑戦状

投稿者:
【プロデューサー】KAZ

○酒場



マスター
「今回で最後の依頼だ。
だが、簡単にできると思うなよ。
今度は難しいぞ?」

 

エリシア
「最後みたいですよ? ファイトです!」

 

フェロー
「…むぐむぐまぐなあ?」

 

エリシア
「フェローさん、
食べながら喋ってはダメですよ…。」

 

フェロー
「ごっくん。
マスター、最後くらいは
手加減してくれてもいいんだよ?」

 

マスター
「ふん、そんな事をしても
お前たちのためにはならん。」

 

マスター
「最後の依頼は…これだ。」

 

フェロー
「…ちょっと君…?
依頼内容のメモ見て
顔色悪くなっていくんだけど…?」

 

フェロー
「それあたしにも見せてよ。
なになに…。
…賞金首を3体討伐?」

 

フェロー
「…これ、君が倒せる相手かな?
なんか無理そうに見えるんだけど…。」

 

エリシア
「ええっ!
そうなんですか?」

 

マスター
「正式な依頼はすでに
ハンターオフィスに出しておいた。
今すぐ受けてこい。」

 

フェロー
「ちょっとマスター
いくらなんでも、これ無理だよ。
どうやってやれって言うんだよ。」

 

マスター
「なんとかしろ。なんとかなるだろう。」

 

フェロー
「き、厳しすぎるよ…。
少しくらい手助けしてくれても…。」

 

マスター
「ふん…。聞く耳持たないね。」

 

フェロー
「う~。
…無茶ぶりすぎるけど
もう根性でやるしかないみたいだね…。」

 

エリシア
「…根性でどうにかなるんでしょうか?」

 

マスター
「そうだな…やり遂げたら
俺から一杯奢ってやろう。」

 

フェロー
「よーし、その時は
一番高いお酒を注文しちゃうからね!」

 

─ 数時間後…

 

○ハンターオフィス

 

オフィサー
「…君、大丈夫か?
相当苦労したのは顔を見ればわかるが。」

 

オフィサー
「しかし、よくぞ、この依頼を
やり遂げたな…。」

 

オフィサー
「これならマスターも
君の実力を認めるだろう。」

 

オフィサー
「マスター?
ああ、今回はここには来ていない。
酒場で君に話があると言っていた。」

 

オフィサー
「いや、心配はいらないぞ。
これ以上の無茶な依頼はないはずだ。」

 

…

 

○酒場

 

フェロー
「おめでとー!
これで依頼達成だね!」

 

フェロー
「マスター
約束どおり一杯奢って!
一番高いお酒をね!」

 

マスター
「フェローにまで奢るつもりはなかったが…。
まあいい、一番高い酒だな。」

 

フェロー
「かんぱーい!
…ゴホッ!?
なにこれ喉が焼ける!」

 

マスター
「注文どおり96%の
アルコール度数が一番高い酒だが?」

 

フェロー
「そこは値段が高いお酒のことでしょ!?
…ああ、頭がクラクラする。」

 

マスター
「…しかし、よくあの依頼を達成したな。
お前ならこの先もやっていけるだろう。」

 

マスター
「…俺も昔はソルジャーで
ある部隊に所属していた。」

 

マスター
「だが、ある作戦の後、
戦えない身体になった。
それ以来、酒場のマスターをやっている。」

 

マスター
「本来であれば、このランドシップの危機に
俺も戦うべきなのだろうが…。」

 

マスター
「俺にはもう戦う力はない。
お前に託すしかないんだ。」



マスター
「…俺らしくもない昔話をしてしまったな。
これからもしっかりやってくれ。
期待しているぞ。」

 

フェロー
「マスター…
お水ちょうだいー。」

 

マスター
「ほらよ。
…水はやるから
飲んで酔いをさませ、フェロー。」

 

マスター
「ああ、そうだ。
ドクターがお前たちの事を探していたぞ。」

 

マスター
「詳しい事を聞くヒマがなかったが
何か慌しい様子だった。」

 

フェロー
「ドクターが?
たしか、エリシアちゃんの
検査をしているはずだけど…。」

 

フェロー
「なにか判ったのかもしれないね。
行ってみようよ。」

 

To Be Continued…

【メインストーリー第15話】マスターの挑戦状

投稿者:
【プロデューサー】KAZ

○酒場



マスター
「お前の次の依頼が決まった。
今度は少し大変だぞ。
まとめるからちょっと待っていろ…。」

 

フェロー
「君も苦労してるよね…。
マスターのしごきは厳しすぎるから…。」

 

フェロー
「次は、延々と怒鳴られ続けて
軍隊ソングを歌わせられながら
ランニングとかだよきっと。」

 

マスター
「そんな事をさせるわけないだろう。
次の依頼はこれだ。」

 

フェロー
「え? 何、この量?
ちょっと多すぎじゃないかな?」

 

マスター
「まあ、30匹というところか。
それだけモンスターを討伐してこい。」

 

フェロー
「ちょっとマスター
いくらなんでも30匹は…。」

 

マスター
「…ふん、では半分、フェローが引き受けろ。」

 

フェロー
「いやいやいや!
あたしに討伐なんて無理だからね!」

 

フェロー
「君なら一人で30匹討伐できる!
あたしは信じてるから!
そう、君ならやられるよ!」

 

マスター
「…やられるのか?」

 

フェロー
「しまった、言い間違えた!?
君ならやれるって言いたかったんだよ!」

 

マスター
「依頼の詳細はハンターオフィスに
行って見るんだな。」

 

エリシア
「…あの、頑張ってください!」

 

フェロー
「そうそう、頑張ってよね!
あたしとエリシアちゃんは
チェリードーナツ食べて応援するから。」

 

マスター
「…おい、フェロー。
お前はこっちで皿洗いでもしてろ。」

 

フェロー
「えええーなんでー!?
あたしのドーナツが!」

 

マスター
「…ふん。
自分だけ楽をしようという態度が
気に入らない。」

 

フェロー
「そんなー! マスター!」

 

 

エリシア
「あの、えーと…。
…フェローさんも頑張ってください!」

 

 

─ 数時間後…

 

 

○ハンターオフィス

 

オフィサー
「ふむ、討伐数30…。
ご苦労だった。」

 

エリシア
「こんなにたくさん
やっつけたなんてすごいです…!」

 

オフィサー
「これだけのモンスターを
倒すのはさすがに苦労しただろう。」



マスター
「ふん、まあまあの成果だな。
お前ならこれくらいは
できるだろうと思っていた。」

 

マスター
「こうして実戦の数を重ねることが
何よりの経験になる。」

 

フェロー
「その影では
あたしも苦労したんだよ…。」

 

フェロー
「長く続く果てしなき皿洗いの末、
30枚も皿を討伐したんだから…。」

 

マスター
「何が討伐だ。
フェローは30枚も
皿を割っただけだろう。」

 

エリシア
「フェローさん…。
洗ったお皿より割った数の方が
多かったです…。」

 

マスター
「皿洗いであんなに皿を割る奴が
現実にいるとは思わなかったぞ…。」

 

オフィサー
「まあ、君たちも疲れただろう。
しばらく休むといい。」

 

マスター
「いや、まだ次の依頼がある。」

 

オフィサー
「…マスター、
少々、厳しすぎやしないかね?」

 

マスター
「実戦とは厳しいものだ。
現実の敵は休むのを待ってはくれない。」

 

オフィサー
「それもそうだが…。」

 

マスター
「次が最後だ。
これをクリアできれば
俺もお前を認めてやろう。」

 

フェロー
「マスター…。
その前にご飯くらい
食べさせてよー。」

 

フェロー
「あたしも重労働して
お腹が減ったよー。」

 

マスター
「何が労働だ…。
皿を割っただけだろう…。」

 

マスター
「まあいい、詳しい事は
酒場に行って話そう。
そこで軽く何か食わせてやる。」

 

オフィサー
「ではマスター、
彼らの事は任せよう。
頑張ってくれたまえ。」

 

マスター
「…わかった。」

 

オフィサー
(それにしても…、
我々の都合で彼らを振り回すのは
少々、申し訳ないな…。)

 

オフィサー
(…自分の事だけを考えれば良かった
現役だった頃が懐かしい。
私も歳を取ったな…。)

 

To Be Continued…

【メインストーリー第14話】協力者を求めて

投稿者:
【プロデューサー】KAZ

○酒場



人気のない酒場の中。
マスターとフードを被った人物、
この二人だけがいた。

 

マスター
「…お前
ランドシップに来ていたのか。」

 

フードをかぶった女
「ちょっと体のメンテナンスにね。
一杯くれないか?
強めの酒がいい。」

 

マスター
「…これは俺のおごりだ。
少し話がある。」

 

フードをかぶった女
「なんだい?」

 

マスター
「俺たちに協力してくれないか?
お前なら…。」

 

フードをかぶった女
「すまないが、アタシはアンタたちと
一緒には戦えないよ。」

 

マスター
「そうか、残念だ。
…なにか理由があるのか?」

 

フードをかぶった女
「さあね?
理由があるのかもしれないし
ないのかもな。」

 

マスター
「…ふん、お前は変わってないな。
何を考えてるか判らん。」

 

フードをかぶった女
「そういうことアンタには言われたくないね。
じゃあまたな、リザード。」

 

マスター
「ああ…。」

 

マスター
(その名を知る者も少なくなったな…。)

 

…

 

○ハンターオフィス

 

マスター
「すまない船長。
知り合いの腕利きのハンターに
声をかけたんだが断られた。」

 

オフィサー
「まあ、急に人員を増やそうとしても
そううまくは行かないな。」

 

マスター
「急にランドシップの人員を増やそうとは
どういうことだ?」

 

オフィサー
「うむ、私はエリシア君は
“我々が入手しなければならない存在”に
関わっているのではないかと思っている。」

 

オフィサー
「そうだとすると、
彼女を預かる我々の責任は重い。」

 

オフィサー
「アラドの襲撃に備えて、
できる限り戦力を増さねばならん。」

 

オフィサー
「そしてエリシア君を発見した者たちも
何か鍵となる存在なのかもしれない。」

 

オフィサー
「だが、彼らはまだまだ未熟だ。
あまり無理はさせられない。」

 

マスター
「そうだな…。
見込みはありそうだが。」

 

オフィサー
「ふむ、マスターの目から見ても
見込みがありそうか。」

 

オフィサー
「それならば…
マスターが彼らを
鍛えてやってくれないかね?」

 

マスター
「俺が…?」

 

オフィサー
「頼む。
こういうことを頼めるのは
マスターくらいしかいないのだ。」

 

マスター
「…判った。」

 

…

 

○酒場

 

酒場で珍しく普段は無口な
マスターから話しかけてきた。



マスター
「おいお前。
この依頼を受けてみろ。」

 

フェロー
「ちょっと何、マスター?
あたしの相棒に向かって突然
何を言い出すんだよ。」

 

マスター
「お前の相棒なのか…?
まあいい、船長から見込みが
ありそうなやつを鍛えてやれと言われてな。」

 

マスター
「そういうわけで
この依頼を受けろ。」

 

フェロー
「ちょっとこれ…
けっこう強い賞金首の討伐だよ。」

 

マスター
「ふん…強い相手と戦わなければ
鍛えられないだろ?」

 

マスター
「まあ、無理だというなら
俺の見込み違いだったということか。」

 

フェロー
「言わせておけば…!
ちょっとキミ!
この賞金首討伐してきちゃって!」

 

─ 数時間後…

 

○ハンターオフィス

 

オフィサー
「うむ、あの賞金首を討伐したか。
腕を上げたな。」

 

マスター
「ふん…まだまだだ。
あの程度の賞金首を仕留めた程度で
いい気になってもらっては困る。」

 

マスター
「俺の知る腕利きのハンターならば
あの程度の相手、一発で倒せたぞ。」

 

フェロー
「一発でって…
何だよその化物…。
いくらなんでも、そんなのいるわけっ…。」

 

マスター
「いや、そいつは
たまにうちの酒場に飲みに来るが…。」

 

フェロー
「思ったより身近に化物がいた!?」

 

マスター
「ふん…
だがお前、今回は
及第点をやってもいいか。」

 

フェロー
「今回?次回もあるのこれ?」

 

マスター
「まだいい気になるなと言っただろう。
次はもっと手ごわい相手にするつもりだ。
覚悟しておけ。」

 

フェロー
「うーん、他人事ながら大変だねキミ。
マスターがこんなにスパルタ式とは
知らなかったよ…。」

 

マスター
「ん? なんだったらフェローも
鍛えてほしいか?」

 

フェロー
「それは全力で辞退するから!」

 

マスター
「そうか…それは残念だ。」

 

マスター
「おい、お前、
次は俺をがっかりさせるなよ。
見込んだ力があるならばな。」

 

To Be Continued…

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