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【メインストーリー第58話】謎の機械

投稿者:
【プロデューサー】KAZ

———————————————————-

 

エリシアはまた夢を見ていた。

 

 

エリシア

(…また…夢…。)

 

 

夢の中に断片的な光景が浮かんでくる。

以前夢で見た研究室のような部屋だが、

前より部屋は暗く、明かりは少ない。

 

 

父親?

「ッ!全く…どいつもこいつも…。」

 



 

エリシア

(…お父さん…?)

 

 

 

目の前にいる父親のような男は

何かにすごくイラ立っている様子だった。

 

それに以前見た姿とは別人のように

髪はボサボサで無精髭を生やしていた。

 

 

ふと下を見ると眠っている自分の姿があった。



 

エリシア

(また…私がいる…。)

 

 

 

自分と同じ姿の少女に触れると、

体温を失ったように冷たくなっていた。

 

 

 

エリシア

(…氷のように…、冷たい…。)

 

 

 

ふと、前を見直すと父親と思われる男は、前の夢でもみた

マイクロチップのような小型の機械に

金属を何度も接合する作業を繰り返していた。

 

 

 

エリシア

(前に夢で見た機械だ…。お父さん何をしているの…?)

 

 

 

父親?

「私を狂気の科学者なんて呼びやがって…。

もしこれが成功したら、科学の常識を覆せるんだぞ!!」

 

 

 

父親?

「エリシア待ってろよ…。必ずお前を…。」

 

 

 

目の前が真っ暗になり、目を開くと

目の前に父親が覗きこんでいた。

これは私の記憶…?

 

 

 

エリシア?

「ぅ…ぅ…ん…。」

 

 

 

父親?

「…エリシア…!目を覚ましたか…!!」

 

 

 

エリシア?

「ここは…どこ…?私は…?」

 

 

自分が誰なのかここが何処なのか全くわからない。

 

 

父親?

「記憶が欠落しているのか…無理もないか…。」

 

 

 

エリシア?

「記憶…?何も…わからない…。」

 

 

思い出そうとすると頭に激痛が走る…痛い…。

 

 

父親?

「身体はどうだ?違和感とかはないか?」

 

 

 

エリシア?

「身体…、たぶん…大丈夫…。」

 

 

 

父親?

「そうかそうか…!

立てるか…?ほら、こっちへ。」

 

 

 

父親に言われるがままベッドから起きようとした瞬間

目の前がまた真っ暗になった。

 

 

 

○ラボ

 

 

???

「… … シア ちゃん!!…」

 

 

 

暗闇の中でまた誰かの声が響く。

 

 

 

???

「…エリシアちゃん!!」

 



 

エリシア

「うぅ…ん…。」

 



 

目を開けると、目の前には

フェローが心配そうに覗きこんでいた。

どこかで見た光景だ。

 

 

 

フェロー

「エリシアちゃん!!大丈夫!?」

 

 

 

エリシア

「んっ…。

わ…たし…、眠っていたのでしょうか…。」

 



 

ドクター

「皆がパンドラに駆け付けた時には、

レッドフォックスと一緒に倒れていたそうよ。」

 

 

 

エリシア

「レッドフォックスさんが…?」

 

 

 

レッドフォックス

「あー……。うん。

何か嫌な匂いがしたから、

覗きに行ったんだけど…、情けないねぇ……。」

 

 

 

エリシア

「そういえば!!

アラドはッ…!!」

 

 

 

レッドフォックス

「映像が消えたみたいに、いなくなっていた…。

ほん、と…よくわからないヤツだねぇ。」

 

 

 

エリシア

「…そうですか…。」

 

 

 

フェロー

「そう言えばエリシアちゃん。

アラドとは何か話したの?」

 

 

 

エリシア

「はい…。

アラドがこんな事を言っていました…。

 



 

扉を開ける為には私の”本来の力”を発揮してもらう必要がある。

だがお前のその力は、まだ自分で

コントロールすることができない。と…。」

 

 

 

マスター

「エリシアの”本来の力”か…。

他にアラドは何か言っていたか?」

 

 

 

エリシア

「その後は…。よく覚えてないんです…。

目の前が急に真っ暗になって…。

ごめんなさい…。」

 

 

 

フェロー

「いやいやいや!

エリシアちゃんは謝らなくていいんだよ!」

 

 

 

ドクター

「そう言えば、エリシアちゃんがいない間に

お父さんの事が少しわかったのよ。」

 

 

 

エリシア

「…え?本当ですか…!」

 

 

 

フェロー

「ちょっ…、

ちょっと!ドクター!」

 

 

 

ドクターはフェローの訴えに対し

「わかっているわ。」と言っているように

無言でうなずいた。

 



 

ドクター

「エリシアちゃんにも知る権利はあるわ。

あのね、エリシアちゃん。

 

この船、ランドシップはね、

あなたのお父さんが開発していたものなのよ。」

 

 

 

エリシア

「えっ…。

ランドシップを…お父さんが…?」

 

 

 

ドクター

「そうよ。フェローちゃん達が

この船の貨物倉を探っていた時に

ランドシップの設計図を見つけたの。」

 

 

 

フェロー

「…。うん…。」

 

 

 

エリシア

「そうなんですか…。

でもなぜお父さんが作ったんだって

わかったのでしょうか…。」

 

 

 

ドクター

「REVIVE SYSTEM(リバイブ・システム)

お父さんが研究していた『キャンサー』を無効化する

ワクチンの技術がこのランドシップに活かされていたの。」

 

 

 

エリシア

「お父さんは…あの後にちゃんと

研究を成功させていたのですね…。」

 

 

 

ドクター

「そうみたい。だからお父さんは何処かにまだいるかもしれない。

諦めずに探しましょう。」

 

 

 

エリシア

「…はい!!

少し元気が出ました…。

皆さん、本当にありがとうございます…。」

 

 

 

ドクター

「うふふ、いいのよ。

早く元気になってまたお父さんを探しましょう。」

 

 

 

マスター

…。

 



 

エリシア

「あっ…、そういえば…。

私、さっき変な夢を見ました…。」

 

 

 

フェロー

「どんな夢を見たの?」

 

 

 

エリシア

「夢の中にお父さんがいました…。

 

そして、そのすぐ近くに

氷のように冷たくなった私が寝ていました…。」

 

 

 

フェロー

「ミトラの中にいたのかな…?」

 

 

 

エリシア

「いえ…前にも夢で見たんですけど、

検査台のようなところに寝ていました…。

 

寝ている私にお父さんは小型の機械のようなものを

私の身体に…付け…、いや、埋め込もうとしていたみたいです…。

 

急に目の前が真っ暗になって…

そこから目を覚ますと記憶が無くなっている自分がいました…。」

 

 

 

フェロー

「なんか…、すごくリアルな夢だね…。」

 

 

 

エリシア

「はい…。何がなんだか自分でも

よくわからなくて…。」

 

 

 

ドクター

「小型の…機械…。なるほど…。

えーっとね、エリシアちゃん。」

 

 

 

エリシア

「はい?」

 

 

 

ドクター

「あなたには黙っていたけれど…。

 

エリシアちゃんの体には夢で見たように

何かの機械が埋め込まれてるわ。

あなたがここに来て検査していた時にそれが判ったの。

 

ただ…色々調べてはみたけど

その機械が未だに何なのか判らないの。」

 

 

 

エリシア

「…あれは夢じゃ…なかったんですね…。

では、やっぱり…お母さんも…。」

 

 

 

フェロー

「その機械ってエリシアちゃんの身体に

どんな影響を及ぼしているんだろ…。

 

あっ!もしかしてエリシアちゃんが

力を使えるのはその機械の力…?!」

 

 

 

ドクター

「それは無いと思うわ。

 

身体に影響してるというよりは、

“共存”してるという方が正しいかもしれないわね。」

 

 

 

エリシア

…。

 



 

マスター

「まぁ、俺もフォックスも半分以上人間では無いし、

サイバーウェアも機械みたいなもんだから気にするな。」

 

 

 

レッドフォックス

「あはは、ま、そうだね。メンテナンスが面倒だけど、

割と機械の身体も悪くない、よ?壊れたら直せるしね。」

 

 

 

エリシア

「マスターさん…。レッドフォックスさん…。」

 

 

 

マスター

「そうだ。あれから何も食ってないだろ。

お腹空いたんじゃないのか?」

 

 

 

エリシア

「…はい、お腹がすきました…。」

 

 

 

フェロー

「じゃ!エリシアちゃん!

酒場に行こうよ!!立てる?」

 

 

 

エリシア

「はい!だ、大丈夫です…!」

 

 

 

マスター

「じゃ、行こう。

俺達も腹が減ったしな。」

 

 

 

○酒場

 

 

マスターがいない酒場は

いつもと少し客足が少ないが賑わっており、

ロウがマスターの代わりに皆に料理をふるまってくれていた。

 

 

 

フェロー

「おお~。ロウの酒場も大盛況だね!」

 

 

 

マスター

「…俺の酒場だ。」

 

 

 

バーカウンターの中にいたロウは

自分達に気付くと声を掛けてきた。

 



 

ロウ

「お~う。もう平気なのか?」

 

 

 

エリシア

「まだちょっとフラフラしますけど…、大丈夫です…!」

 

 

 

ロウ

「お~、そうかそうかァ。」

 

 

 

マスター

「ロウ、俺がいない間、手伝ってもらって

本当にすまない。」

 

 

 

ロウ

「ん?別にいいってことよ。

俺も料理すんのが好きだしなァ!

 

腹減ってんだろォ?

よし、何か作ってやるよ。」

 

 

─ 十数分後…

 

 

ロウ

「よ~し。出来たぞォ!食え食え!」

 

 

 

「目の前に出されたのはアツアツの

『大盛マルデケバブ』と『特盛マッチョポテト』だった。

 

 

 

フェロー

「…んっ!美味しい!!」

 

 

 

マスター

「モグモグ…(…やはり…うまい。)」

 

 

 

ロウ

「お~、そうかそうかァ。そいつは良かった。」

 

 

 

フェロー

「あれ?レッドフォックスは食べないの?」

 



 

レッドフォックス

「ん…?ああ。アタシはいいよ。」

 

 

 

ロウ

「食わないのか?相変わらず不思議なネェちゃんだなァ。

んじャ、何か飲むかァ?」

 

 

 

レッドフォックス

「そうだね。じゃ、強めの酒を一杯くれないか?」

 

 

 

ロウ

「おう。んじゃ「スチームエンジン」のロックなんかどうだ?」

 

 

 

レッドフォックス

「いいね。もらうよ。」

 

 

 

ふと横を見ると、いつもなら真っ先に

「美味しい!!」と言うエリシアが無言で

食べ物を口に運んでいる。

 

 

 

フェロー

「…エリシアちゃんどうしたの?

美味しくなかった?」

 

 

 

ロウ

「…おいおい…。それは俺に失礼ってもんだぜ。」

 

 

 

エリシア

「いえ…。」

 

 

 

マスター

「ん?どうした?様子が変だぞ。」

 



 

エリシア

「…味がしないんです…。」

 

 

 

フェロー

「え?味がしないの?

こんなに美味しいのに…?」

 

 

 

マスター

「また、体調が悪くなってきたのか?」

 

 

 

エリシア

「…わかりません…。でも何も感じ無くて…。」

 

 

 

ロウ

「う~ん…。

ショックで味覚障害でも起こしてるのかなァ…。

 

 

 

まァでも、とにかく食べないと元気でないぞ!

ほら、食った食った!」

 

 

 

エリシア

「は…、はい…。」

 

 

 

モグモグ…(…なぜ味がしないんだろう…。)

 

 

 

To Be Continued…

【メインストーリー第57話】鍵の秘密

投稿者:
【プロデューサー】KAZ

○司令室

 

数時間後、フェロー達がパンドラより

ランドシップに戻ってきた。

 



 

オフィサー

「ご苦労。よく無事に戻ってきてくれた。」

 

 

 

フェロー

「たっ…ただいま…。」

 

 

 

白百合

「戻りました…。」

 



 

オフィサー

「い…、一体どうしたのかね。

そういえば、エリシア君は無事か…?!」

 

 

 

紅葉

「はい。ぐっすり眠っていますわ。

フォックスさんも一緒に。」

 

 

 

フェロー

「さっきラボに寄って二人を預けて来たよ。」

 

 

 

オフィサー

「ホッ…それは良かった…。」

 

 

フェローは戻る途中、

謎の飛行物体『チェイサー』に

襲われた事を船長に話した。

 

 

オフィサー

「なるほど…。そんな事があったのか。

『チェイサー』に関しては調べる必要があるな…。

パンドラ自体の機能なのか、それとも誰かが仕向けたのか…。」

 

 

 

白百合

「『チェイサー』は以前にもエルピス作戦中に

パンドラの中から突然現れたのですよね。」

 

 

 

紅葉

「たぶん、情報が外に漏れないよう

対象を抹殺する為の追撃システムだと思いますけども…。」

 

 

 

オフィサー

「ふむ…。」

 



 

エンジニア

「ふぅ~…。」

 

 

 

フェロー

「あ、エンジニア!どうだった?」

 

 

 

エンジニア

「『どうだった?』じゃないよ…ほんとに。

すごい数で攻撃されたんだね。

戦車の車体がボコボコだよ…。」

 

 

 

フェロー

「わざとじゃないんだよ~…。」

 

 

 

エンジニア

「それにロウさんの戦車…せっかく

頑張って作った新しい戦車なのに…。

もう廃車同然だよ…。はぁ…。」

 

 

 

ロウ

「エンジニアちゃん、本当にすまねェ…。」

 

 

 

エンジニア

「ちょっと修理に時間が掛るから

しばらく出撃は控えてね。」

 

 

 

オフィサー

「すまない。エンジニア。

苦労をかけるな…。」

 

 

 

エンジニア

「ま、これがボクの仕事だからね。

じゃ、修理してくるね~。」

 

 

 

紅葉

「エンジニアさんも大変な仕事ですわよね。

ほぼ1人でランドシップを切り盛りしていて…。」

 

 

 

ドクター

「この前の爆発の時みたいにランドシップを

修理する際はアルバイトを雇ってるみたいよ。

一人じゃさすがに無理だからね。」

 

 

 

フェロー

「バイト雇ってるの!?

時給はいくらなんだろう…。」

 

 

 

紅葉

「絶対フェローさんは雇ってもらえない気がしますわ…。」

 

 

 

ロウ

「ドクターさん、二人の具合はどうだァ?」

 



 

ドクター

「大丈夫よ。応急処置をして

今は二人とも休んでいるわ。

マスターも徐々に回復しているから

心配無いわ。」

 

 

 

フェロー

「ふぅ。とりあえず安心だね。」

 

 

 

オフィサー

「そういえば、アラドはどうした?」

 

 

 

紅葉

「フォックスさんの話では

交戦中にホログラムのように消えたみたいですわね。」

 

 

 

オフィサー

「そうか…。取り逃したか…。」

 

 

 

白百合

「感触はあったようなのですが、

実体では無いのでしょうか…?」

 

 

 

オフィサー

「元々『亡霊部隊』はレッドフォックスから聞いたように

『精神を完全データ化し、身体を義体化した兵士たちの部隊』とも言われていた。

もしかするとアラドの肉体はすでにこの世には無い可能性もある。」

 

 

 

フェロー

「義体という事は倒せないじゃん…。

倒す為にはデータを破壊するしか無いってこと?」

 

 

 

オフィサー

「もしそうなら、そういう事だ。

データの所在やどう破壊するのかは

全くわからないが…。」

 

 

 

フェロー

「そういえばパンドラ内部で

あった事話するね。」

 

 

フェローは船長に扉の事、

鍵の事を説明した。

 

 

オフィサー

「なるほど…。7本の鍵か…。

ちょっとその鍵を見せてくれるかね。」

 

 

 

フェロー

「ちょっと待ってね。

え~と…あれ?どこいったっけ…?」

 

 

フェローは突然ポケットをゴソゴソし始めた。

 

 

紅葉

「落としたんじゃありませんわよね…。」

 

 

 

フェロー

「大丈夫、大丈夫!

あ…!あった!」

 



フェローは頭の部分に目のレリーフが入った

橙色の筒状の鍵を見せた。

 

 

オフィサー

「ふむ。珍しい形をしているな。」

 

 

 

ドクター

「見たこともない鍵ね。

フェローちゃん、ちょっとこれ借りれるかしら?

私の方で解析してみるわ。」

 

 

 

フェロー

「うん、いいよ!

ドクター、よろしくね~。」

 

 

 

ドクター

「じゃ、私も解析をするためにラボに戻るわ。

まだ寝てるかもしれないけど、

エリシアちゃんの様子見に来る?」

 

 

 

フェロー

「うん!行く行く!」

 

 

 

○ラボ

 

 

フェロー

「エリシアちゃーん!起きてるー!?」

 

 

 

ドクター

「フェローちゃん…。

お注射好きかしら…?ふふふ。」

 

フェロー

「いや…。好きじゃないです…。」

 



 

エリシア

… …。

 

 

 

白百合

「ぐっすり眠ってますね。」

 

 

 

ドクター

「少し弱ってはいるけど、命の危険性は無いわ。

しばらくしたら目が覚めるでしょ。」

 

 

 

紅葉

「良かったですわ。」

 

 

 

ドクター

「マスターも徐々に回復しているわ。

フォックスも処置が早かったから

そこまでの大事にはならなかったわ。」

 

 

 

フェロー

「さすがマスターとフォックスだね…。」

 

 

 

ドクター

「二人は隣の部屋にいるわ。」

 

 

 

○ラボ別室

 



マスター

「ん…。戻ってたのか。」

 

 

 

白百合

「来て頂いて助かりました。

その節はありがとうござました。」

 

 

 

マスター

「いやいや、かしこまらなくていいよ。

俺はやるべきことをやっただけだ。」

 

 

 

フェロー

「最近のマスター…。

なんかかっこいいよね。

どうしたの?」

 

 

 

マスター

「ん?俺は別にいつもと変わらんが…。」

 



 

レッドフォックス

「ん…うるさいと思ったら……

お前たちか。」

 

 

 

ロウ

「お~う。そっちのネェちゃんは大丈夫か?」

 

 

 

フェロー

「あの…。エリシアちゃんを助けてくれたんだよね。

さっきはなんでここにいるの?って言っちゃって…

その…ごめんなさい。」

 

 

 

マスター

「…なんか変な物でも食ったか…?」

 

 

 

レッドフォックス

「…アーッハッハッハ!大丈夫だよ。

もう気にしてないさ。」

 

 

 

フェロー

「…良かった~。

あ、そうだ!二人にちょっと聞きたいことがあって…。」

 

 

 

マスター

「ん?なんだ?」

 

 

 

フェロー

「これ…なんだけど…。見覚えある?」

 

 

 

フェローは頭の部分に目のレリーフが入った

橙色の筒状の鍵を見せた。

 

 

 

マスター

「鍵…?か?」

 

 

 

フェロー

「うん。これなんだけど…。」

 

 

 

フェローはマスター達に

扉の事、鍵の事を説明した。

 

 

 

マスター

「なるほど…。俺はわからないな…。

フォックス知ってるか?」

 



 

レッドフォックス

「ん……?

その鍵の話は聞いたことがあるな。

 

昔アタシがヴリトラベースを警備してた頃、

バックアップ施設の話を聞いた時に

軍の人達が鍵の話をしていた記憶があるね。」

 

 

 

フェロー

「予想通り!やっぱり旧統合軍が

関連している可能性があるね。」

 

 

 

白百合

「という事は、旧統合軍関連の施設に

もしかすると鍵があるかもしれませんね。」

 

 

 

紅葉

「では、お二人が回復したら

鍵探しに向かいましょうか。」

 

 

 

フェロー

「えーっと…それ私のセリフ~…。」

 

 

 

To Be Continued…

【メインストーリー第56話】追跡者

投稿者:
【プロデューサー】KAZ

メタルサーガ~荒野の方舟~

メインストーリー 第五章「罪と贖罪」

 

———————————————————-

 

意識を失ったエリシアは夢を見ていた。

 

 

エリシア

(ここはまた夢…?)

 



夢の中に断片的な光景が浮かんでくる。

この光景は先日アラドに捕まった時の様子だった。

 

 

アラド

「まぁ、こいつは我々にとっても

重要な存在だからな。殺したりはせんよ。

まぁ、もう死んでいるようなものだが…。」

 

 

エリシア

「…私が…死んでいる…?」

 

 

エリシア

(…ほら…!私…生きてるよ…!?)

 

 

目の前が真暗になり、場面は変わった。

 

そこは以前夢の中で見た医務室のような部屋。

前に夢で見た光景と同じだった。

 

 

エリシア

(ここは…。前に…夢で見た光景…?)

 



父親?

「おい!!エリシア!!死ぬな!!

エリシアー!!」

 

 

エリシア

(…私が…死ぬ…?)

 

 

母親?

「エリシア…うう…エリシア…なぜこんなことに…。」

 

 

エリシア

(…私…死んじゃうの…?)

 

 

父親?

「何か…まだ何か…方法があるはずだ…。」

 

 

母親?

「あなた…変な考えはやめて…。エリシアはもうっ…!」

 

 

エリシア

(…私は…もう…手遅れなの…?)

 

 

目の前が真暗になり、場面は変わった。

 

そこは研究室のような部屋で

これも前に夢で見た光景と同じだった。

 



父親?

「エリシア…。待ってろよ…。

お前をこの機械で…。」

 

 

父親と思われるその手には

マイクロチップのような小型の機械があった。

 

 

エリシア

(…その機械をどうするの…?)

 

 

父親?

「こうでもしないと、エリシアはこのままなんだぞ!!」

 

 

ふと視線を下に向けると

自分と同じ姿の少女が実験台のようなところに

寝かされていた。どうやら自分は今浮いているらしい。

 

 

エリシア

(私がいる…けど体温が感じられない…。

やっぱり…死んでいるの…?)

 

 

母親?

「エリシア…待ってて…。私も…あなたの元に…。」

 

 

母親と思われる声のする方に視線をうつすと、

女性が椅子の上に立っている。

 

 

よく見えないが、首にはロープのようなものが

巻かれているようだった。

 

 

エリシア

(お父さんから聞いた話だけど…確かお母さんは

私が小さい時に死んじゃって…。…まさか…。)

 

 

母親?

「エリ…シア…、ごめん…ね…。」

ガタンッ…

 

エリシア

(お母さん…、私のせいで…?)

 

 

エリシア

「…い…や…

 

いや…いや…いやいやいや!!

イヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

 

 

エリシアは叫び、

夢の中で再び意識を失った。

 

———————————————————-

 

○グラウンド・ゼロ中心部

 



フェロー

「ふぅ~…。久しぶりの外の空気は…

…ウッ!!毒が…!!」

 

 

紅葉

「フェローさん…。

ドクフセーグ付けてるじゃないですか…。」

 

 

フェロー

「…あ!そっか!」

 



ロウ

「おーう。出てきたかァ。」

 

 

フェロー

「…ロウってドクフセーグ付けて

無いけど大丈夫…?」

 

 

ロウ

「ん?全然問題ねェぞ。

それより、もういいのかァ~?」

 

 

フェロー

「呼吸器官どうなってんの…。」

 

 

白百合

「はい、だいたいの仕組みは理解出来ましたので。」

 

 

ロウ

「よし、それじャァ

ランドシップに戻るかァ。」

 

 

フェロー

「エリシアちゃん達の様子はどう?」

 

 

ロウ

「ぐっすり寝てらァ。

まぁ、気を失ってるという表現が正しいのかもなァ。

ハッハッハッ!」

 

 

紅葉

「お気楽ですわね…。」

 

 

…数分後。

 



フェロー達はパンドラを後にし、

ランドシップに向かっていた。

 

 

ロウ

「鍵かァ…。

もっとハイテクかと思ったら

案外アナログなんだなァ。」

 

 

フェロー

「いやいや、光ったり台がせりあがったり

文字が浮かびあがったりアトラクションみたいだったよ!!」

 

 

紅葉

「いや、そこじゃないですわ…。」

 

 

白百合

「しかし…7本も鍵を集めないとなると

かなり大変ですね…。

まだ1本しか見つかっていませんし…。」

 

 

フェロー

「そうだね~…。

ランドシップに戻ったらドクターと

エンジニアで解析をお願いしてみよう。

何かわかるかもしれないし。」

 

 

紅葉

「マスターさんやフォックスさんが

何かご存じだといいんですけど…。」

 

 

ロウ

「…ん?なんだァあれ?」

 



ロウが後方を向きながら指差した先には…

黒い無数の点が空を飛んでこちらに向かっているようだった。

 

 

フェロー

「ひぇ!?む、虫!?」

 

 

白百合

「紅葉あれが何か見えますか?」

 

 

紅葉

「任せてください、お姐様。

 

 

フェロー

「え?紅葉ちゃんあんなに遠くの物が見えるの?」

 

 

白百合

「紅葉は視力がとても良いんですよ。

遥か遠くにいる敵も目視で確認出来るんです。」

 

 

紅葉

「これは、ミュートの力ですわ。

ミュートは遠くの獲物を認識できるよう

タカの遺伝子を配合し、通常の人間の10倍は

目が良いんですわ。

 

…ん?あの目は…。

ノアの目を持つ飛行物体の大群ですわ!」

 



フェロー

「ノアの目…!?

もしかして…私達を追ってきたの?!」

 

 

白百合

「ノアの目をした飛行物体…。

…!!エルピス作戦で見たことがあります!!

 

パンドラの中から突然現れて、兵士達を襲っていました!!」

 

 

ロウ

「なるほどォ。もしかしたら、

パンドラの追撃システムかもしれねぇなァ。」

 

 

紅葉

「パンドラの秘密を知ってしまった私達を

消そうとしているのかもしれませんわね…。」

 

 

フェロー

「データベースにないか調べてみる!

 

えーっと…、あった!!

 

『チェイサー』

別名『追撃者』ノア=アイを持つ小型の飛行型機動兵器で、

群れで行動し、主に索敵、監視、抹殺の為に作られた殺人兵器みたい。

危険度は★3だよ!」

 

 

白百合

「追撃者…。

やはり、私達を追って…。」

 

 

紅葉

「来ますッ!!」

 



チェイサー

「ギギギ…。」

 

 

無数のチェイサーがフェローの乗る戦車を目掛け

襲い掛かって来た。

 

カンカンカンッ!!

ガンッガンッガンッ!!

 

 

フェロー

「うわわわっ!!なんでこっちに!!

しかもコイツら力が強いよ!車体の耐久度がもたないよ!!」

 

 

ロウ

「クソォ!ちょこまか鬱陶しいな!!」

 

 

ドウンッ!ドウンッ!ドウンッ!ドウンッ!ドウンッ!

 

無数の主砲から繰り出された砲撃が

空飛ぶチェイサーに集中砲火を浴びせるが

素早い為、なかなか命中しない。

 

 

ロウ

「ったく、しゃらくせェ!!ザコのクセによォ!!」

 

 

ドウンッ!ドウンッ!ドウンッ!ドウンッ!ドウンッ!

バラララララッ!!!

 

無数の主砲と副砲からデタラメに繰り出された砲撃が

チェイサーに命中し数が半分程に減ったようだ。

 

 

ロウ

「くそォ…かったるい…。

まだいやがるのかよ…。」

 

 

紅葉

「お姐様!いきます!はぁぁぁぁ!!」

 

 

白百合

「…はあっ!!」

 

 

紅葉と白百合は

空中に飛び、チェイサーに向けて

薙刀と刀で連続攻撃を繰り出した。



チェイサーが壊れバラバラと地上に落ちて行く。

 

 

紅葉

「はぁはぁ…。さすがに数が多いですわ…。」

 

 

白百合

「そうですね…。

これではキリがありません…。」

 

 

フェロー

「ん~…。

よし!私が囮になるから集まったところを

キミのS-Eで撃ち落として!!」

 

 

フェローはそう言い放つと、返す言葉もないまま

外に飛び出していった。

 

 

白百合

「…フェローさん!危険です!

さがっていて下さい!」

 

 

フェロー

「大丈夫!大丈夫!

おーい!こっちだよ~!!」

 

 

チェイサー

「ギギギ…。」

 

 

フェロー

「ほらほら!こっちこっちー!」

 



フェローは橙色の鍵をチェイサーの方に

見せびらかし挑発をした。

 

 

チェイサー

「…ギギ!カギ…。パンドラ…!」

 

 

チェイサー達はロウ達にも目もくれず、

フェロー目掛けて飛んでいった。

 

 

フェロー

「お!やっぱり反応した!

って…うわわわわ!!さすがに多いよ~!!

キミ…準備して…!!」

 

 

ロウ

「フェロー!!危ねぇゾ!!しゃがめ!!」

 

 

バラバラになったチェイサー達は

ひとつの黒い球体になりフェローに襲い掛ろうとしている。

 

 

フェロー

「キミ!…、今だよ!!」

 



バシュンッ!!と放ったミサイルは

チェイサーの”黒い球体”を目掛けて飛んでいき、

着弾と共に大爆発を起こした!

 

 

フェロー

「やった!!全部倒したよ!!」

 

 

ロウ

「お~う。やるじャねェか!」

 

 

白百合

「ふぅ…。さすがに疲れましたね…。」

 

 

紅葉

「…疲労と損害が大きいですわね。

早くランドシップに戻りましょう。」

 

 

フェロー

「そうだね~。ふぅ、疲れた…。

ん…?誰かに見られているような…。

 

…まぁ、いいか!」

 

 

…

 

 

その場を去るフェロー達を

物陰から監視する目があった…。

 



チェイサー?

「ギギ…。」

 

 

To Be Continued…

【メインストーリー第55話】災厄の予兆

投稿者:
【プロデューサー】KAZ

○パンドラ内部

 

エリシアでは『パンドラの扉』は開かなかった。
フェロー達はもう少しこの部屋を

調べてからランドシップに戻ることにした。

 



フェロー

「あれ…?ここ、電波が繋がってるね。」

 

 

紅葉

「地下だから電波障害の影響は無いのでしょうか?

ひとまずこの状況をランドシップに報告をしませんか?」

 

 

フェロー

「そうだね。ランドシップの状況も気になるし。」

 

 

フェローはランドシップに無線で連絡をすることにした。

 



オフィサー

「こちらは大丈夫だ。

しかし、エリシア君が無事でよかった。」

 

 

フェロー

「うん、大丈夫だよ。

じゃ、少し調べたら戻るね。」

 

 

オフィサー

「わかった。それでは通信を終了するぞ。」

 

…ガッ

 

 

フェロー

「ふぅ。報告終わり~。

向こうも大丈夫そうだね。」

 

 

白百合

「それは良かったです。

…しかしなぜ、エリシアさんの力で

『パンドラの扉』が開かなかったんでしょうか…。」

 

 

フェロー

「わからない…。”救世主(メシア)”の証を持つ者が

『パンドラ』を開く力を持っているとアラドは言ってたけど、、

なぜ”救世主(メシア)”の証を持つ者がそんな力を持ってるんだろう…。」

 

 

紅葉

「分からない事だらけですわね…。」

 



白百合

「しかし、この部屋気味が悪いですね。

部屋の至る所に目が描かれていて、

何だか誰かに見られてるみたいです…。」

 

 

フェロー

「この目…。

エリシアちゃんの左手の紋章にある目に似ている…。」

 



白百合

「ノア…と同じ目をしている…。」

 

 

フェロー

「え…?」

 

 

白百合

「この目、ノアと同じ目をしています…。」

 



フェロー

「もしかして”救世主(メシア)”の証は…

ノアの証ってこと!?

 

じゃあ…エリシアちゃんが

夢で聞こえた声の主は…やっぱりノア…。

 

もし、違っていたとしても、

エリシアちゃんは何か”ノア”に関係あるのは間違いない。」

 

 

紅葉

「深い事情を知らないので、あまり理解はしていないのですが、

もしそれが本当ならこの『パンドラ』と

エリシアさんはやはり何か接点がありそうですわね。」

 

 

フェロー

「肝心のエリシアちゃんは

気を失ってるけどね…。

 

まぁ、目が覚めたら

また色々調査しないとね。」

 



白百合

「しかし、この大きな扉…。

この中にエルピス作戦で我々が目指していた

“第二のノア”があるのですよね。」

 

 

紅葉

「聞いた話では、それはノアの脅威を無効化出来る”希望”にもなり、

悪用されると大破壊が起きる。ですわよね。」

 

 

フェロー

「確か『パンドラの箱』の話では、

箱を開けた時、数多くの災厄が出てきた。

 

最後に希望が出て来たので人間は絶望しないで

生きる事が出来るとされている…。

 

でもその”希望”は悪いことの予期とも

解釈されているって話だよね…。」

 

 

白百合

「第二の大破壊…。

もしかすると災厄の予兆を示しているのかもしれませんね。」

 

 

フェロー

「エルピス作戦は希望ではなく、

第二の大破壊を起こす為に軍が仕掛けたものだった…?」

 

 

紅葉

「まさか…、そんな事…。

あり得ませんわ…。」

 

 

フェロー

「う~ん…。

まぁひとまず、アラドも逃げたし、

扉も開かないし、人類の危機的状況は一旦回避されたって事だね!

うんうん。」

 

 

紅葉

「…真剣な話をしていたのに、

本当にお気楽ですわね…。」

 

 

白百合

「でも、考えていても答えは出ませんわ。

とりあえずこの扉を開けないことには

わたくし達の目的のものは手に入らないですし、

安心出来ないですね。」

 

 

フェロー

「そうだね。何か開ける手掛かりが無いか探そう。」

 

 

紅葉

「この台座はなんでしょうか?」

 



部屋の中央に

部屋に描かれている目と

同じマークが描かれた台座があった。

 

 

白百合

「何か挿すような穴が開いていますね。

鍵穴でしょうか…?」

 

 

そこには7本の筒状のものを差すような穴が

開いてるが何も入っていない。

 

 

フェロー

「ほんとだ…。あ、この穴全部違う色が付いてるね。

えーっと…、紫色、青色、灰色、緑色、橙色、赤色、水色…。

全部で7色だね。」

 

 

紅葉

「もしかすると…この7つの穴に鍵か何かを挿して、

エリシアさんの力を使うとこの扉が開くような

仕組みになってるのではないでしょうか…。」

 

 

白百合

「でも鍵なんてどこにあるんでしょうか…。

しかも7つも…。」

 

 

フェロー

「ん?よく見るとこの形、

どこかで見たような…。」

 

 

フェローは突然ポケットをゴソゴソし始めた。

 

 

紅葉

「どうしたんですの?」

 

 

フェロー

「…あ!あったあった。

もしかして、これかな?」

 

 

フェローがポケットから取りだした物は

頭の部分に目のレリーフが入った橙色の筒状の鍵のようなものだった。

 

 

白百合

「橙色…、筒状の鍵…。すごい!

それはどこで手に入れたのですか?!」

 

 

フェロー

「うん?あ~、これ?

貨物倉で設計図を見つけたでしょ?

その時設計図の近くで見つけたんだよ~。

なんか格好良かったから持ってた。」

 



紅葉

「格好良かったからって…。

まぁ、でもすごい偶然ですわね。」

 

 

フェロー

「試しに挿してみよう!

えーっと…橙色の穴は…ここかな?

えいっ。」

 



フェローが橙色の鍵を挿すと、

筒状の鍵に橙色の光が点灯し

台座が音と共に、わずかにせり上がり

『Agonize』という文字が浮かび上がった。

 

 

フェロー

「おぉ~、すごい。

なんかアトラクションみたい!」

 

 

紅葉

「この後、巨大な宇宙船に乗って旅に出る…。

みたいな、そういうの期待しないで下さる?」

 

 

フェロー

「ちぇ~…。」

 

 

白百合

「Agonize…、苦しむ…『苦悩』という

意味でしょうか…?」

 



フェロー

「本で読んだ事あるけど、『パンドラの箱』を開けた時に

災厄と一緒に負の感情が飛び出したとも言われているみたい。

 

もしこれが『苦悩』を意味するなら…、

この7つの鍵穴は7つの負の感情を示しているんじゃないかな…。」

 

 

紅葉

「でも…、なぜこの鍵が貨物倉にあったのでしょうか…。」

 

 

フェロー

「あくまで私の予想なんだけど、この施設ってさ

ノアのバックアップ施設のひとつだよね。」

 

 

紅葉

「そうですわね。」

 

 

フェロー

「という事は、この施設はノアと同じで

元々ヴラド・コーポレーションか

神話コーポレーションが作った施設って事になるよね。」

 

 

白百合

「そうですね。もしかすると

旧統合軍も絡んでいたという可能性もあると思いますが…。」

 

 

フェロー

「だとするとさ『ノアの開発者』もしくは

各社の関係者がもしかすると持ってるんじゃないかな?」

 

 

紅葉

「なるほど…。

あとはお姐様の言うように旧統合軍関連なら

マスターさんやフォックスさんが何かご存じかもしれませんわね。」

 

 

フェロー

「そうだね。

それにエリシアちゃんのお父さんはノアの開発者の1人だしね。

 

この鍵も設計図の近くで見つかったって事は

恐らくエリシアちゃんのお父さんが持っていたんだと思うし…。

ランドシップで見つかったのも説明がつくよね。」

 

 

紅葉

「でもノアの開発者ってもういないのでは…。

大破壊が起きたのは、確か今からもう80年近く前ですわよね…。」

 

 

フェロー

「ん~…。言われてみればそうだよねぇ…。」

 

 

白百合

「ひとまず、仕組みはわかりましたし

外で待ってるロウさんやエリシアさん達も心配です。」

 

 

フェロー

「そうだね。

ひとまず、鍵を抜いてっと…。」

 



フェローが橙色の鍵を抜くと、

橙色の光が消灯し台座が音と共に、

わずかに下がり、『Agonize』という文字が消えた。

 

 

フェロー

「おぉ、ちゃんと戻るんだね。

よし、一旦ランドシップに戻ろう!」

 

 

…

 



アラド

「… 面白くなってきたな…。」

 

 

第四章 『偽りの希望』 完

 

 

To Be Continued…

【メインストーリー第54話】開かない扉

投稿者:
【プロデューサー】KAZ

○グラウンド・ゼロ



フェロー達はシェルターC05を出て
途中で敵に遭遇するもなんとか撃破し、
一行は中心部に辿り着いた。

 

フェロー
「ふぅ~…、さすがに中心部は砂埃がひどくて
視界が悪いし、毒霧が濃くて苦しいし…。

電波障害のせいか、Cユニットも正常に動いてないね…。
今モンスターが襲って来たら…、本当に…やばい…。」



白百合
「はい…。本来中心部には、”毒竜”とも呼ばれている
『リンドブルム』という名前の巨大な竜型戦闘兵器がいたのですが、
エルピス作戦で討伐されました。

討伐には相当の戦闘力が必要ですので、
未だ存在していたら、本当に危険だったと思います…。」

 

紅葉
「しかし、風避けに出来るガレキも何も無いので、
戦車を盾にして進むのが精一杯ですわね…。」

 

フェロー
「あっ!あそこに廃戦車があるよ!
統合軍のものかな…?
一旦少し休まない?」

 

紅葉
「そうですわね。」

 

フェロー達は廃戦車を盾にして
一旦体制を整える事にした。

 

フェロー
「ふぅ~…。『ドクフセーグ』を
ずっと付けてるから息がしづらいね…。
酸素ボンベも持ってきた方が良かったね…。
あとゴーグル…。」



白百合
「そうですね。裸眼ではかなり視界が狭くて
横からモンスターに襲われる危険もありますしね…。」

 

紅葉
「いくらひらけた場所と言えど、
ここまで視界が悪いと、ビル群の中を歩いているのと
変わりないですわ…。

その時、砂埃の中から戦車の影と
大きな声が聞こえた。」



???
「… おー … …い」

 

フェロー
「ん?あそこに誰かいる!!」

 

紅葉
「…敵ッ!?」

 

ロウ
「お~い。生きてるかァ~?」

 

白百合
「ロウさん!」

 

戦車の影と大きな声の主は
ロウだった。ランドシップから
再度駆けつけてくれたようだ。



ロウ
「ん?なんでお前らそんなとこに
隠れてんだ?」

 

フェロー
「いや~…。砂埃がひどくて
前に進むのも辛いんだよね…。
だからこうやって風除けして休憩しながら
進んでるんだよ~…。」

 

ロウ
「なるほどなァ。
そう思って…、ホラよ。
ゴーグルと携帯酸素ボンベ持ってきてやったぞ。」

 

フェロー
「エスパーなの!?
助かったよ~。これで前に進めるね。」

 

ロウ
「ん、なんだ?まァ、いいや。
そういや、ランドシップが爆破された。

 

白百合
「爆破?一体、誰が!」

 

ロウ
「いや、わかんねェ。とりあえず皆無事だ。」
今エンジニアちゃんが修理してくれている。

 

フェロー
「ホッ…。
そういや、マスターは無事なの?」

 

ロウ
「マスターさんは、ドクターさんが治療してくれて、
ひとまずは安心だそうだ。
無茶すんなって怒られてたけどなァ。」

 

紅葉
「良かったですわ…。
では、ロウさんも合流出来たことですし、
先に進みましょうか。」

 

…

 

しばらく歩いていると
施設と思われるガレキの下に地下に通じる通路を発見した。



フェロー
「なんか通路みたいなのがあるね。
シェルターかな?」

 

白百合
「ここが『パンドラ』に繋がる通路ですね。」

 

フェロー
「あ、ここなんだ。
なんかラスボスがいそう!って感じじゃないね…。
普通の地下通路じゃん…。」

 

紅葉
「何を期待しているんですか…。
モンスターがいるかもしれないですわ。
警戒しながら進みますわよ。」

 

ロウ
「さすがに戦車で入るのは無理そうだなァ。
仕方ねェ。降りて進むか。」

 

○パンドラ内部



白百合
「ここに来るのは『エルピス作戦』以来ですね。」

 

紅葉
「そうですわね…。
当時の惨劇が蘇ってくるようですわ…。」

 

パンドラの内部は奇妙なほどに静寂だった。

 

ロウ
「奇妙なほど静かだなァ。」

 

白百合
「はい。以前、パンドラ内部には
モンスターが蔓延っていたのですが…。」

 

紅葉
「確かに妙ですわね。
『エルピス作戦』の際には
モンスターのせいで進行にも苦労していましたのに…。」

 

フェロー
「あ、よく見るとモンスターの残骸が落ちてるよ!」

 

フェローが指を刺した先の通路には
機械のモンスターと思われる残骸が大量に落ちていた。

破壊の状況と周りの形跡から見て
相当腕の立つ者が倒したようだ。

 

紅葉
「本当ですわ…。
誰がやったんでしょうか。
作戦の時の残骸では無さそうですわね…。」

 

白百合
「しかし、まだ残党が残っている可能性があります。
注意して進みましょう。」



しばらく通路を進むと少し大きな部屋に出た。

白百合達の話では、”あの惨劇”が起こった場所のようだ。

しかし、ここも『エルピス作戦』の傷跡が残っていない。
誰かの手によって片付けられたのだろうか?

 

フェロー
「何も残ってないね~…。」

 

ロウ
「んだなァ。
明らかに誰かが掃除したような感じだよな。
もしかして、自動で動くロボット掃除機みたいなのが
徘徊してるんじャねェか?」

 

フェロー
「いやいや、ないでしょ…。
スイーパーって言う自律移動式の屋内警備用ロボットは
確かにいるけど、名前が”掃除機”なだけだしね…。」

 

白百合
「もう少し進んでみましょう。」

 

通路を進むとどんどん暗くなっていき、
不穏な空気が立ち込めている。

 

紅葉
「何が出現してもおかしくない状況ですわね。
各自警戒して前に進みましょう。」



フェロー
「さすがに暗くて前が見えないから
少し危険かもしれないけど…
ランタンに火を付けるね。」

 

ロウ
「ん…?
少し先にまた部屋があるみたいだな。」

 

通路を進むと少し大きい部屋に出た。
部屋には何か大きなロボットのような残骸が転がっている。
しかも二体だ。

 

フェロー
「これって…シロちゃんが襲われた
人型機動兵器じゃ…。」

 

白百合
「確かに…そうですね。
でもカラーリングが少し違うような…。」

 

フェロー
「ちょっと待ってね…。
えーっと…こいつは『M.o.S.Ⅱ』
名前の通り前の人型機動兵器の強化版だね。
危険度は★6だね。」

 

紅葉
「★6って…『エリミネーター』と同じですわね。
しかも状況から推測すると、
二体同時に襲ってきたはずですのに…。」

 

ロウ
「相当腕の立つヤツが倒した…か、
複数の人間で倒したかのどちらかだなァ。
どちらにせよ、強いヤツには違いねェ。」

 

フェロー
「でも助かったね…。
もしこのロボットが倒されていなかったらって考えると…。
ここじゃ戦車も入れないしね。」

 

さらに通路を進むと、
他の部屋とは違う綺麗な大部屋に出る。
ここが一番奥の部屋のようだ。

目の前には、厳重そうで異質な大きな扉がある。

 

フェロー
「うわぁ~…。
なんかラスボス前の部屋って感じだね。」



紅葉
「ここは『エルピス作戦』でも
到達出来なかった部屋ですわ。

 

白百合
「フェローさん!!
人が倒れています!!」

 

フェロー
「人?!…あ!!
エリシアちゃん!!
それに…レッドフォックス!?」

 

倒れているエリシアと
レッドフォックスに駆け寄った。

 

エリシア
… …。



エリシアは気を失っているが、
フォックスは多少意識があるようだ。

 

フェロー
「レッドフォックス!!大丈夫!?」

 

レッドフォックス
「…うっさいな……
そんな大きい声を出すなよ…。
耳に響くだろ…。」

 

フェロー
「ご、ごめん!」

 

ロウ
「この姉ちゃんボロボロじゃねェか…。
大丈夫かァ、おい。」

 

紅葉
「私の治癒能力で回復してみます。

紅葉が回復を試みるも、フォックスの体は
サイバーウェアの為治療が不可能のようだ。」

 

紅葉
「ダメです…。私の力では…。」

 

レッドフォックス
「…大丈夫だよ。すまないね。」

 

フェロー
「ここで一体何があったの?」

 

レッドフォックス
「そうだね…。」

 

レッドフォックスはアラドのこと、扉のこと、
ここであったことを皆に話した。

 

白百合
「ホログラムのように消えた…?
実体じゃなかったってことですか…?」



レッドフォックス
「…いや、確かに斬った感触は
あったんだけどねぇ…。」

 

フェロー
「あのおっさん神出鬼没だし、
よくわからないよね…。

ところで、どうして
レッドフォックスがここにいるの?」

 

レッドフォックス
「…なぜここにいるの…?って?
……プッ、アッハッハッハ!
……面白いなぁ、キミは。

……ま、いっか。」

 

フェロー
「… えっ…?」



レッドフォックス
「そんなことよりもアタシは怒ってるんだ。
またこの子を危険な目にあわせて…。

今回は私が助けたから良かったけど、
今後こうなるとは限らないよ。」

 

フェロー
「ごめんなさい…。」

 

レッドフォックス
「常に傍に置いておけ、よ。」

 

レッドフォックスはそのまま気を失った。

 

ロウ
「気を失ったみたいだな。
さすがに限界だったか。」
よし、俺はコイツら担いで一旦外出てるわァ。

 

フェロー
「ロウ、ごめんね。
私達も少し調べたらそっちに行くよ。」

 

ロウ
「お~う。早くしろよォ。」

 

ロウはそう言い、二人を軽々担いで
外へと向かって行った。

 

紅葉
「すごいですわね…。」

 

白百合
「しかし、今の話では
『パンドラの扉』を開く鍵はエリシアさんでは
無かったという事ですよね。」

 

フェロー
「うん…。じゃぁ鍵は一体どこにあるんだろう…。」

 

To Be Continued…

 

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