【メインストーリー第51話】体を蝕むキャンサー
○グラウンド・ゼロ フェロー達はシェルターK03を出て 中心部へ向かっていた。 紅葉 「はぁ… はぁ…。」 白百合 「紅葉、大丈夫ですか?」 紅葉 「大丈夫…ですの…。 少し先程のダメージが残ってるだけですわ…。」 フェロー 「紅葉ちゃん無理しちゃダメだよ~。」 紅葉 「ありがとうございます。 これぐらい何ともないですわ…。」 白百合 「しかし…中心部に近づくにつれて 毒霧のせいか酸素が薄いですね…。 砂埃もひどくなってます…。」 フェロー 「うん…。なんとかエンジニアが 開発した『ドクフセーグ』のおかげで 何とかなってるけど…。 電波障害もひどいせいか、 ランドシップとも連絡が取れなくなっちゃったよ…。」 白百合 「状況は最悪ですが、もう少しで中心部です。 なんとか持ち堪えましょう…。」 フェロー 「一応地図によるとだいたい半分ぐらいだね…。 先が長いなぁ…。」 紅葉 「…!!お姐様!!危ない!!」 白百合 …!!! 突然物陰から大型の人型機動兵器が 繰り出した攻撃を間一髪で避けた! ドガァン! 地面に拳が突き刺さり大きな音と共に砕け散った。 白百合 「…はあっ!!」 白百合は体制を立て直し、 刀を抜き人型機動兵器に向け刀で斬る! ガキンッ!! 大きな音を立て人型機動兵器は一瞬ふらついたが、 体制を立て直し、白百合に向けて拳を繰り出した。 ドカッ!! 拳は白百合の腹部にヒットし鈍い音がした。 白百合 「ぐっッ…!」 紅葉 「お姐様!!!」 拳をまともに受けた白百合は 吹き飛ばされそのまま地面に落ちるが なんとか受け身を取った。 白百合 「…はぁ…はぁ…。 こいつも…硬い…!」 フェロー 「データベースによるとこいつは『M.o.S.(Machine of Slaughter)』 大型の人型機動兵器で、大破壊の際に 人類抹殺のため生産された殺戮機械みたいだよ! 危険度は★5!」 紅葉 「危険度★5…。さっきのマンボウより強い…。 ちょっとヤバいですわね…。」 フェロー 「あっ!ここは屋外で開けた場所だから、 キミの砲撃でなんとか勝てるかもしれない。 …お願い!!」 ドッォンッ!!と放った砲撃は 大きな爆発音と共に、M.o.S.の体が揺らぐ。 フェロー 「効いてるみたい!!もう一発!!」 ドッォンッ!!とさらに放った砲撃は 大きな爆発音と共に、M.o.S.の体が崩れる。 フェロー 「紅葉ちゃん今だよ!」 紅葉 「はぁぁぁぁ!!」 紅葉はM.o.S.の懐に飛び込み 大きな薙刀で薙ぎ払った! ガシャーン… M.o.S.の身体が真っ二つになり そのまま地面に崩れ落ち動かなくなった。 フェロー 「やったー!!勝ったよ!! …って、うわわわわわわ!!」 フェローが乗った戦車に大きな衝撃が走る。 何者かに勢いよく体当たりをされたようだ。 白百合 「フェローさん!!後ろです!!」 フェローが後ろを振り返ると そこにはクモのような6脚型のロボットが3匹 戦車の後方に貼りついていた。 フェロー 「ひぃ!!気持ち悪い!!く、クモ!?」 紅葉 「バックで壁に押し潰せますわ!! そのまま後方に走ってください! 言われるがままにとっさにシフトチェンジを行い、 後方の壁に向かってバックをし、壁に向かって追突した! ガシャン… 6脚型のロボットは戦車と壁の間に挟まり動かなくなった。 フェロー 「ナーイス!!やるね~!」 紅葉 「ふぅ…。…お姐様大丈夫ですか!?」 白百合 「ええ…。大丈夫よ。 プロテクターを付けて無かったら 肋骨が砕けていたかもしれないけれど… なんとか助かったわ…。」 フェロー 「今の敵はっと…。『インセクター』 6脚型の無人攻撃機で、これも大破壊の際に 人類抹殺のため生産されたロボットみたい。 危険度は★3だけど集団で襲ってくるから厄介みたい。」 紅葉 「集団は厄介ですわね…。」 フェロー 「少し休憩しようか…。 さすがに疲れた…。 …あれ?なんか急に暗くなってきたね?」 白百合 「…フェローさん…。 うえ…、上です!!」 フェロー 「…え?」 フェローが上を見上げると 巨大な人型兵器が覗いていた。 人型兵器 「… …人類、発見。」 フェロー … …!! (驚きすぎて声が出ない) 紅葉 「…危ないですわ!!」 巨大な人型兵器がフェロー達の戦車に 殴りかかろうとした時… ドゴォン! 紅葉 「…あハッ…!!」 紅葉が飛び込みフェローをかばうが 人型兵器の攻撃が重く、衝撃で吹き飛ばされた。 フェロー 「紅葉ちゃん…!!」 紅葉 「…無事で…良かったです…わ…。」 紅葉はそう言い残し気を失った。 白百合 「紅葉ッ!!!!」 人型兵器 「人類…、抹殺…。」 白百合 「…次の攻撃、来ます!!」 その時、 ドウンッ!ドウンッ!ドウンッ!ドウンッ!ドウンッ! 無数の主砲から繰り出された砲撃が 巨大な人型兵器に集中砲火を浴びせる。 巨大な人型兵器は大きなうめき声をあげた。 フェロー 「この無茶苦茶な砲撃は…、ロウ!!」 ロウ 「お~う!お前ら怪我ねェか?」 フェロー 「バカー!!遅いよ!! 紅葉ちゃんが…!!」 ロウ 「なんだとォ!? …クソ野郎!!吹ッ飛べやァ!」 ドウンッ!ドウンッ!ドウンッ!ドウンッ!ドウンッ! バラララララッ!!! 無数の主砲と副砲から繰り出された砲撃が 巨大な人型兵器に集中砲火を浴びせる。 人型兵器 「オォォォォオオオオオン!!! 巨大な人型兵器はうめき声をあげ 一瞬動かなくなった。 フェロー 「キミ!今だよ!!」 ドッォンッ!!と放った砲撃は 大きな爆発音と共に、巨大な人型兵器に命中した! 白百合 「はぁぁぁぁっ!!」 砲撃が命中したのを見計らい、 下から斜めに斬り上げた! ガキインッ!! 白百合の逆袈裟を喰らい 人型兵器の左腕が壊れ落ちた。 ロウ 「やるじャねェか!」 フェロー 「この敵は『エリミネーター』 名前の通り”駆除する者”と呼ばれる 巨大な人型兵器の賞金首だよ!! 危険度は…★6! 白百合 「…賞金首…ですって?!」 エリミネーター 「人類…、抹殺…。 人類…駆除対象…皆殺シ。」 エリミネーターは再起動し、 全砲門一斉射撃の体制を取ろうとした時… ガキンッ!! 大きな音と共にエリミネーターの身体が大きく揺らいだ。 エリミネーター 「□△…○×…!?」 マスター … …。 フェロー 「マスター!?」 マスター 「ふん…。待たせたな…。はぁ…はぁ…。」 白百合 「マスターさん!その身体じゃ…!」 マスター 「大丈夫だ…。一戦ぐらいなら… なんとか…!!」 マスターは瞬時に移動し、 両手に装備したパイルバンカーを エリミネーターの頭部目掛けて叩き込んだ! ドガァァァン! その後、頭部が大きな爆発を起こした。 エリミネーター 「オォォオオン!!!」 エリミネーターの身体が 雄たけびと共にグラついた。 フェロー 「すごい…!あれ?この間と武器が違う!」 マスター 「ああ…。エンジニアに『デュアルファング』を モチーフにして改造してもらったのさ…。 杭を刺さった後、爆発する仕組みになっている。 …次ッ!!」 マスターはエリミネーターの足元に飛び込み、 両手のパイルバンカーを連続で叩きこんだ。 マスター 「オラオラオラオラオラオラッ!!」 ドカンドカンドカンドカンドカンドカンッ! マスターが杭を叩きこむ度に爆発を繰り返す。 エリミネーター 「ウ”オォォオオン!!!」 エリミネーターの身体が 雄たけびと共にグラつき、 そのまま地面に倒れ込む。 フェロー 「す、すごい…。 まるで学ランを着た能力使いみたい…!!」 マスター 「白百合…!今だ!トドメを刺せ!」 白百合 「…はい!!」 てやぁあっ!! 白百合はエリミネーターの頭部目掛けて 飛びかかりそのまま刀を振り下ろした! チュドーン!! エリミネーターの頭が真っ二つになり 大きな爆発と共に粉々になり そのまま膝をつき倒れこんだ。 白百合 「ふぅ…。」 カチャ 白百合は刀を鞘に収め、 ふと目をやるとマスターが倒れていた。 白百合 「マスターさん!!大丈夫ですか…!!」 マスター 「あぁ…。さすがにキャンサーの影響で 限界のようだ…。身体が思うように動かない…。」 白百合 「本当に助かりました。 マスターさんが来てくれなかったらわたくし達は 負けていたかもしれません…。」 ロウ 「ったく無理しやがって…。しゃらくせェ。 俺は一旦こいつ連れてランドシップに戻るわ。」 白百合 「お手数をお掛け致します。 できればそこに倒れている紅葉も一緒に…。」 紅葉 「私は大丈夫ですわ…。少し気を失っていましたが、 傷もそこまで深くはありませんし…。」 ロウ 「まァ、本人が大丈夫ってんなら大丈夫だろ。」 白百合 「しかし…。」 フェロー 「さすがに連戦もあってシロちゃんも疲弊してるから 一旦この近くのシェルターで休憩しようよ。」 白百合 「わかりました。」 フェロー 「んじゃロウお願いするね。 そういえばそれホバークラフト戦車?珍しいね。 エンジニアが作ってくれたの?」 ロウ 「おう。見た目がダイオウグソクムシに似てるから 『海の掃除屋』の異名から取って 『デリーター』って名前を付けた。かっこいいだろ。」 フェロー 「相変わらず安直なネーミングだし、 やっぱり大砲は積みまくってるのね…。」 ロウ 「んじゃ…連れていくわ。 後でまた合流するからよォ。」 ブロロロロロロオオッ!!! 砂塵を撒き散らしホバークラフト戦車は マスターを連れてランドシップの方向に走って行った。 フェロー 「ケホケホケホッ…。 豪快なのか、気遣いが出来ないのか…。 よし、私達もシェルターへ向かおう。」 To Be Continued…
2018年5月15日 19:55