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【メインストーリー第28話】砲撃の正体

○司令室

 

マスターはトレーダーキャンプBで
聞いた話を船長に報告した。

 

マスター
「…という事で『車両センター跡地』に行って来ようと思う。」

 

オフィサー
「うむ。お父さんの情報を集めるのも重要だが
今も砲撃が続いている。」

 

オフィサー
「今のところ誘導装置でのミサイル迎撃は順調だが油断を許さない。
そちらをまず解決する事が優先だな。」

 

オフィサー
「マスター、君はこの砲撃の主犯はアラドだと思っているのか?」

 

マスター
「ああ、以前に襲撃をしてきた時も
スレッジハンマーやアイアンボアを操っていたところを見ると
今回もその可能性があると見ている。」

 

マスター
「『ランドシップ破壊計画を本格的に実行に移す』という
言葉も気になるしな。」

 

オフィサー
「しかし、アラドの仕業だとしたら姿を見せないのは妙だな。」

 

フェロー
「姿を見せられない何か理由でもあるのかな?」

 

マスター
「わからん。とにかく警戒を怠らないほうがよいな。」

 

エンジニア
「車両センター跡地って事は、列車とか保管されているのかな?」

 

ドクター
「もうすでに探索をしているハンターも多数いるみたい。
話によると残骸らしきものは発見できたけど、
列車は一両も残っていなかったらしいわ。」

 

エンジニア
「そっかぁ…。残念。
列車はすごく珍しいから、
もし何か見つけたらボクも見たいなぁ。」

 

ドクター
「もし残っていたのなら
私かエンジニアちゃんに修理の依頼が来るだろうしね。」

 

フェロー
「じゃ、何か手掛かりが無いか探してくるね~。」

 

─ 数時間後…

 

○司令室

 

車両センター跡地から戻った
フェロー達は船長の元に報告をしに来ていた。

 

フェロー
「ふぅ。ただいま~。」

 

オフィサー
「うむ、ご苦労。
何か手掛かりは見つかったかね。」

 

エンジニア
「フェローさん!列車は見つかった!?」

 

フェロー
「いやぁ~、これぐらいしか無かったよ。」

 

かつては動いていたのだろうか。
荷台に詰まれた鉄道車両のような
残骸をエンジニアに見せた。

 

エンジニア
「おお!!これはまさしく!!
とある国で運用されていた
直流特急形鉄道!189系の残骸だ!」

 

エンジニアは興奮しながら
荷台をガラガラ引きガレージへと消えて行った…。

 

フェロー
「エンジニアって鉄道マニアだったのかな…。」

 

エリシア
「ちょっと目が怖かったですね…。」

 

フェロー
「あ、そうそう。
はい、こんな物を見つけたよ」。

 

ひどく汚れたフロッピーディスクを差し出した。

 

オフィサー
「フロッピーディスクか。かなり汚れているが、
そこまで年数は経っていないようだな。」



オペレーター(子犬)
「では、このフロッピーディスクを読み込んでみますね。」

 

… … …

 

オペレーター(子犬)
「お待たせ致しました。
読み込めましたがあまりにも汚れがひどい為、
一部データが破損しているみたいです。」

 

オペレーター(子犬)
「当時の記録が残っているみたいです。
モニターに映しますね。」

 

———————————————————-

 

通信記録
207X年2月XX日
通信先:無敵鉄道組合本部

ハンターオフィスからの発表によると、
「エルピス作戦」は失敗した。

現在はグラウンド・ゼロの近辺地域のみ
影響に留まっているが、今後の被害拡大を予測し、
住民の避難およびカンパニーの撤退が決定した。

今後の指示に関しては追って連絡をする。

 

———————————————————-

 

ドクター
「『エルピス作戦』って書いてあるわね…。」

 

フェロー
「この作戦って船長さんが言っていた
三年前のとある大規模な作戦のことじゃ…。」

 

ドクター
… …。

 

オフィサー
「…そうだ。ナノパンデミックを起こした原因となった作戦。
それが…「エルピス作戦」だ。」

 

フェロー
「ハンターオフィスって書いてるけど…、
船長さんはこの避難活動には関与していたの?」

 

オフィサー
「いや、これは私がハンターオフィスに着任する前の話だ。
当時私はまだハンターだったからな。」

 

オフィサー
「もちろん、我々も当時「カンパニー」だったから
撤退については経験しているが、この事については初耳だ。」

 

オペレーター(子犬)
「まだ記録が残っています。
続きを映しますね。」

 

———————————————————-

 

通信記録
207X年2月XX日
通信先:無敵鉄道組合本部

撤退に関してハンターオフィスより続報があった。

協議の結果、我々『無敵鉄道組合』はハンターオフィスの避難活動の支援を行い、
本部において一時的に住民およびカンパニーを避難させる事にした。

その後の動向はまだ決まっていない。

まずカベノシタ、カベノウエの住人及びカンパニーを『無敵車両センター』へ避難させる。

避難方法は、我らが保有する列車により輸送及び鉄道警備隊により護衛する事となった。

カベノオク住人及びカンパニーは
同じく列車で避難させるが、
直接本部に輸送・護衛を行う。

我々が長い間敵対していたカンパニーの護衛、
ハンターオフィスへの協力に不満の声もあがっているが、

ここはひとつ「客車に人を乗せてみる事が出来る」
チャンスだと思ってくれ。以上だ。

 

———————————————————-

 

フェロー
「『無敵鉄道組合』は避難活動に協力をしていたんだね。
良い人達じゃん。最後の一言がすごく気になるけど…。」

 

フェロー
「住人やカンパニーが本部に避難したって事は
本部に行けば、まだ避難した人達は生きているのかな?」

 

マスター
「だが、本部は封鎖されて入れないみたいだぞ。
確認のしようがない。」

 

オペレーター(子犬)
「最後にもう1つ記録が残っています。
映しますね。」

 

———————————————————-

 

通信記録
207X年3月X日
通信先:無敵鉄道組合本部

本部から連絡!本部から連絡!
こちら鉄道警備隊!応答せよ!

そちらに生き残りは誰かいるか!!
誰か生き残りがいたら返事をしてくれ…!!

突然、警備ロボットや戦車達が暴走を始め、
民間人もカンパニー達も皆殺られてしまった…。

生き残ったのは我々一部の警備隊員のみ…。
ここはもうダメだ。助けを待っていてもそのうち殺されるだろう…。

もしこれを読んでいる人間がいたら
今すぐ撤退をしてくれ!頼む…誰か…。

 

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オペレーター(子犬)
「以上が、記録の全てです…。」

 

オフィサー
「…ご苦労。」

 

フェロー
「…みんな死んでしまったみたいだね…。」

 

ドクター
「『突然、警備ロボットや戦車達が暴走を始め』と書いてあったわ…。」

 

エリシア
「マスターさん…?
…どうしたんですか…?」

 

マスター
「あの時と同じだ…。
俺とフォックスが生き残ったあの事件の時と!!」

 

ドクター
「すごい汗…。
マスター、ちょっとラボで休みましょう…。」

 

マスター
「はぁ…はぁ…。す、すまない…。」

 

フェロー
「マスター…。」

 

オペレーター(ゆるふわ)
「今、別行動で「無敵鉄道組合本部」に潜入していた
サルーンガールさんから通信が入りました。」

 

船長
「うむ、繋いでくれ。」



サルーンガール
「やっほー!」

 

フェロー
「えっ。サロンの人がどうして?」

 

オフィサー
「彼女は元は新統合軍のエージェントだ。
スパイ活動もしていたので、潜入捜査は慣れている。」

 

フェロー
「ただ者ではないと思ってたけど、
まさかエージェントだったとは…。」

 

オフィサー
「フェロー君から話を聞いた時、本部も怪しいと思い、
サルーンガールに頼んで同時に調査していたのだ。」

 

サルーンガール
「何も残って無いわぁ。
あるのは死体とロボットや戦車の残骸。
激しく争った形跡があるだけね。」

 

サルーンガール
「もう少し探索してみるわぁ。
何か手掛かりがあったら持って帰るわねぇ。」

 

オフィサー
「ご苦労。引き続きよろしく頼む。」

 

サルーンガール
「は~い。また連絡するわねぇ。」

 

ドクター
「しかし、組合が全滅しているとなると、
やっぱり砲撃は他の誰かの仕業のようね。」

 

ドクター
「機械の暴走、ハッキング…。
もしかして、ノア…。」

 

フェロー
「でもノアは、昔とあるハンター達に破壊されたんじゃ…。」

 

ドクター
「でも、ノアの端末やノアシード…。
『ノア』が作り出した遺物はこれまでに幾つも存在したわ。」

 

ドクター
「もし仮にノアだとしたら「無敵鉄道組合」が壊滅したのに関わらず
無敵列車砲が勝手に動き、砲撃を行っているのにも説明がつく。」

 

オフィサー
「可能性は無いとも言いきれないが、
不確かな情報を信じるのも良くない。」

 

オフィサー
「これ以上は推測にしかならない。
一旦サルーンガールの続報を待とう。」

 

フェロー
「そうだね。マスターの様子も気になるしね。」



エリシア
「ノア…。」

 

To Be Continued…

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