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【メインストーリー第3話】謎の少女”エリシア”

○ラボ

 

ラボのドクターから
生命維持カプセルの少女について
話があるから来てほしいと連絡があった。

 

フェロー
「やぁやぁ、君も
ドクターに呼び出されたの?
あたしもだよ。」



ドクター
「あら、二人ともようこそ。
でも、どうせ来てくれるなら
大怪我のひとつでもしてから来てほしいわ。」

 

フェロー
「あのドクター…。
あのカプセルの子の話があるっていうから
来たんだけど…。」

 

ドクター
「判っているわ。
今のはいつもの軽い冗談よ。」

 

フェロー
「ドクターの冗談は
なんか笑えないんだよ…。」

 

フェロー
「それでドクター
ひょっとしてあの子が目覚めたの?」

 

ドクター
「…いえ、残念ながら
目覚めてはいないわ。
衰弱して眠ったままよ。」

 

ドクター
「私も生命維持カプセルを軽く調べてみたけど
どうしてあの子があんなに衰弱したのか
判らないのよ。」

 

フェロー
「ええっ?
ドクターでも
判らないことってあるの?」

 

ドクター
「そもそも生命維持カプセルを
実用化したという話は聞いたことがないわ。」

 

ドクター
「だから、あれは高度な技術をもった誰かが
誰にも知らせずに独自に作り出したもの
ということになるわ。」

 

ドクター
「未知の技術が使われてる部分もあるし
私でも、時間をかけてじっくり調べないと
詳しいことは判らないわよ。」

 

フェロー
「うーん、あれって
そんなに大したものだったんだね…。」

 

ドクター
「時間のかかりそうな調査は後回しにして
それより、あの少女のことよ。」

 

ドクター
「衰弱した理由は判らなくても
対症療法的に治療はできるわ。
単純に体力を回復させればいいのよ。」

 

ドクター
「そのために薬を作ろうとしてるんだけど
ちょっと材料が足りないのよね。」

 

フェロー
「薬の材料?
何が足りないのかな?」

 

ドクター
「レンギョウの花よ。
昔から漢方薬とかにも使われてる薬草ね。」

 

ドクター
「でも、それがどこにあるかは
私にはちょっと判らないんだけど…。」

 

フェロー
「それは大丈夫!
ランドシップ一番の調査員のあたしなら
レンギョウのある場所を知ってるよ!」

 

フェロー
「東の森でレンギョウを見たって
ついこの前に聞いたところだよ。」

 

フェロー
「そう、東の森だよ。
そこで手に入るはず。
多分、ね!」

 

ドクター
「あら、それならアナタたち
レンギョウを採ってきてくれないかしら?」

 

フェロー
「もちろん。
というわけで、君!
がんばってね!」

 

─ 数時間後…

 

○ラボ

 

ドクター
「レンギョウは取ってきてくれた?」

 

フェロー
「ばっちりよ!」

 

ドクター
「それなら、さっそく薬を作ってみるわ。」

 

フェロー
「でもドクター
そんな普通の漢方薬が
あの子の回復に役立つの?」

 

ドクター
「そのまま使うわけじゃないわ。
レンギョウから体力回復の成分を抽出して
それをアレとかコレとかと合成して…。」

 

ドクターの操作でラボの機械が
怪しげな音と光を放ちながら動き出した。

 

ドクター
「うふふ…これはいいレンギョウね…。
いい感じに薬が三身合体されていくわ…。」

 

フェロー
「なんかドクターが怖い!?
大丈夫なの!?」

 

ドクター
「大丈夫よ。
合体事故なんて滅多に起きないわ。」

 

フェロー
「たまには事故起きるの!?
というか、薬で合体事故って何!?」

 

ドクター
「ふーん。こんなものかしら。」

 

ドクター
「さあ、ちゃんと薬ができたわ。」

 

フェロー
「ドクター、それ本当に大丈夫な薬?
飲んだら1日に30時間鍛錬したような
ドーピングモンスターになったりない?」

 

ドクター
「あら、失礼ね。
そういう薬も作れないこともないけど、
これはただの体力回復薬よ。」

 

フェロー
「ドーピングモンスターもできるの!?
それ本当!?」

 

ドクター
「大丈夫よフェローちゃん。
もし、そういう薬が元で
大勢が犠牲になる惨事が起きたとしても…。」

 

ドクター
「私が全員生き返らせてあげるから
何も問題は無いわ。」

 

フェロー
「そ、そういう問題かな…?」

 

ドクター
「それより、早くこの薬を
あの子に投与しましょうか。」

 

…

 

しばらくすると衰弱して眠る少女の顔に
わずかな生気が戻った。

 

ドクター
「呼吸と脈拍が安定してきたわ。
安静にしていれば大丈夫よ。」



謎の少女
「……う。」

 

フェロー
「あ、ドクター!
この子、目を開けたよ!」

 

謎の少女
「ここはどこ? あなた達は…?」

 

ドクター
「ここはランドシップ…
と言っても判らないかしらね?
まあ、ここは安全な場所よ。」

 

ドクター
「アナタの名前は?」

 

謎の少女
「…わたしは…エリシア…。
…あとは…あとは…。」

 

フェロー
「エリシアちゃん?
あと? あとは? どうしたの?」

 

エリシア
「…わからない…わからないの…。」

 

エリシア
「…っ!」

 

ドクター
「そこをどきなさい!
急に脈拍が乱れだしたわ!」

 

フェロー
「エリシアちゃん! しっかりして!!」

 

エリシア
「……」

 

エリシア
「…お父さん…。助けて…。」

 

エリシア
「……」

 

少女はそう言うと再び意識を失った。

 

To Be Continued…

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