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吉成社長が影響を受けた4人のビジネスマン(4)

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コイツの頭はどうなっているんだ!?

――吉成社長が影響を受けたという4人のうち、最後のお一人である北尾さんについて教えてください。

吉成 北尾はブリタニカ時代の後輩に当たり、お互いブリタニカを辞めた後も、20年前に彼が亡くなるまでずっと付き合いが続いていた親友の一人です。ブリタニカの後も営業マンとしての経歴が長かった僕とは違い、北尾は広告会社を立ち上げてSP(販売促進)に関わる仕事をしていました。

 

――北尾さんも経営者として活躍されていたのですね。

吉成 「経営者」というより「とんでもない企画マン」という印象のほうが強いですね。僕は営業マンとしていろんな商材を扱ってきましたが、新製品を売る時に彼に相談すると、その売り方や宣伝方法といったアイディアをその場でパパーッと、3つも4つも提示してくれるんですよ。ものすごい刺激を受けました。

 

――その商材のことを事前に知らせていたわけではないのですよね?

吉成 ええ。なんの予備知識もないのに何パターンも即答してみせるわけですから、最初の頃はなんという天才かと驚きました。実際、彼のIQは180以上ありましたしね。

ところが付き合いが長くなってくると、彼はアイディアを出す「技術」を持っていることに気づいたんです。どんなに目新しく見えるアイディアにも一定のパターンがあり、技術を修得すれば誰でも同じようにアイディアを出せるということに気づいたんです。

 

――北尾さんの思考パターンを読んで、分析したのですか?

吉成 自分ではそんな意識もありませんでした。文字通り「気づいた」という感覚です。

 

ヒラメキではなく技術!

――吉成社長が気づいた「アイディアを出す技術」とは、どんなものだったのでしょうか。

吉成 たくさんありますが、まずは数学の「組み合わせ」を意識するとわかりやすいかと思います。

 

――ええと、「nCr」とか「nPr」とかのアレですか? かなりうろ覚えで自信がないのですが・・・。

吉成 そう難しく考えることはありません(笑)。どんな新しいアイディアも、言ってしまえば既存のものの組み合わせです。元になるアイディアが多ければ多いほど、組み合わせによって生まれる新しいアイディアの数も膨れ上がるということが理解できればいいのです。

 

――そう言われてみると理解できますが、実際に使えるアイディアを自在にひねり出すにはコツが要りそうですね。

吉成 それなら誰でも試せる簡単な方法があります。ひとつは「ブレーンストーミング法」です。人間の頭の中に入っている知恵というのは自分ひとりで考えついたものではなくて、家庭や学校で教えられたり、他人やメディアから得た情報がどんどん溜まっていったものですよね。そうやってアイディアとアイディアをエクスチェンジする過程の中で新しいものがポンと生まれたり、新しい組み合わせが生まれたりするわけです。企画を考えるときも、ひとりで机に向かってじっと考えていれば出てくるというものではありません。いろんな人と向き合ってアイディアを交換し合う中で、思いがけない新しいものが出てくることが多いんです。

 

――サクセスでも月に一度、アルコールを飲みながらブレストを行っているのでしたよね。

吉成 初期の頃からずっと続けていますが、非常に効果的な方法です。ただ、やり方が悪いとグダグダに終わってしまうこともあるようですから、メンバーの中に慣れた方がいるといいと思います。また、ブレストのイベントを利用してみるのもひとつの手かもしれません。かつて御茶ノ水にある専門学校で、毎月「百式会議」というブレストが開催されていました。参加者を4、5人ずつのチームに分け、その場でお題を出してアイディアを競わせるというコンテスト形式のイベントです。限られた時間のなか、即席のチームでアイディアを出すわけですが、毎回「いったいどこからその発想が出てくるの!?」と驚くような見事なアイディアが続出したものです。

 

――最近、あるITベンチャーの社長が「ブレストは時間の無駄なので排除した」と言っている記事を読んだのですが、無駄かどうかはやり方次第なのですね。

吉成 バカバカしい(笑)。その社長は企画の仕事をやったことがないのでしょう。人間と人間が接すると、化学反応が起こって、ひとりの頭では到底考えつかないようなアイディアが出てくるものです。

 

チェックリストで効率的に発想する

――アイディアを出すための方法ですが、ブレストのほかにはどんなものがありますか?

吉成 もうひとつの簡単な方法は「チェックリスト法」ですね。これはアイディアをチェックリストの項目に従って掘り下げてゆく方法で、1つのアイディアから何パターンもの別案を派生させることができます。最初に項目を決めておきさえすればよく、漠然とこねくりまわすよりもずっと効率的です。

 

――リストにはどんな項目があるのでしょうか?

吉成 それは企画の趣旨や、企画者によってさまざまです。たとえば小説を書こうと思い立ってアイディアを1つ考えたとしましょう。そのアイディアを掘り下げるときにチェックリストを使うとすれば、その項目には「キャラクター」「テーマ」「舞台設定」などがあるはずです。「小説の舞台を日本から中国に変えたらどうなるだろう?」「時代を100年後にしてみたら?」「悪役を主人公にしてみたら?」「恋愛ではなく友情に焦点を当てるのはどうだろう?」「構成を短編連作にしてみたら?」といったように1つ1つの要素を置き換えて考えてゆくだけで、まったく新しい作品アイディアが無限に生まれます。

 

――自分でチェックリストの項目を考えること自体が、いい訓練になりそうですね。

吉成 ブレストと違い、この方法なら1人でも新しい企画を考えることができますから、企画を考えるのが苦手だという人は試してみるといいでしょう。ただし、最初のアイディアがゼロではどんな技術を使っても新しいアイディアが生み出されることはありません。普段から情報を集めること、勉強しておくことが、いいアイディアを出すための前提条件ですね。

 

順列、組合せを計算するためだけに使っている関数電卓。プランナーには必須のツール。

 

吉成社長のつぶやき(42)

インタビュー中、愛用の関数計算機を見せてくれた吉成社長。いつでも組み合わせの数を計算できるようにしているのだという。

『ソフトバンクの孫さんがアメリカに留学していた時、一年間、毎日5分使って新しいビジネスモデルを考え、「アイデアバンク」と名付けたノートにメモしていったという話は有名だよね。ノートに記された250以上のアイディアの中から実現したのが、シャープに売って資金を調達したという音声翻訳ソフトの特許なんだけど、新しいビジネスモデルを365日考え出すなんてのは、「組み合わせ」という考え方がベースにあればなんでもないわけ。誰だってできる』

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