このページはJavaScriptを使用しています。JavaScriptが無効になっている場合は、有効にしてください。

業界の問題、あれやこれや(2)

Pocket

ブラック企業が多すぎる!

――ところで、下請け会社の経営悪化にはどういった理由が考えられますか?

吉成 新しい技術に対応できずに注文が来なくなるということもありますが、もう一つ、大きな原因としては、実際にやらなくてはいけない仕事の量が受託した金額を大きく上回るというケースが挙げられます。 以前にもお話ししたとおり、最初に1千万円で契約を結んでしまえば、途中の仕様変更などで、実際にかかった金額が2千万円、3千万円と膨れ上がろうが「最初の契約は1千万じゃないですか」と言って押し通す会社が、この業界には多いんです。

 

――なにかと厳しい条件を押し付けられがちな下請け企業がブラック企業化していくのも、ある意味当然かもしれませんね。

吉成 ところが、ブラック企業は下請け企業だけの専売特許ではないんです。ある大手企業では過酷な労働環境に追い詰められた社員が何人も自殺してしまったというのは、有名な話です。

 

――耳にしたことはありますが、都市伝説かと思っていました。

吉成 いま、非正規雇用が社会問題になっていますよね。その非正規雇用を最も多く生み出している業界のひとつが、ゲーム業界です。ゲーム会社もかつては正社員を雇用していたものですが、ある時期から契約社員に切り替える会社が増えてしまったんです。ある有名なゲーム会社は、ある時期から、正社員として採用した社員を含めてすべての社員を契約社員に切り替えたんです。いちおう合意という体裁をとってはいましたが、法的にはアウトです。

 

――非正規雇用制度は企業側からすると賃金や労務コストを節約できるというメリットがありますが、労働者側からすると不満だらけでしょうね。非正規労働者のなかには正規労働者と同じ技能を持ち同じ仕事をしている人も多いと聞きますが、立場は非常に弱く、いろんな格差を受け入れなくてはならないのですから。

吉成 もちろん企業側は労働者側のメリットも謳っています。実際、ゲーム業界の非正規雇用制度は、マイクロソフトの労働形態を真似たところから始まった、と私は見ています。でも、マイクロソフトは社内に何百人という億万長者を輩出していますから、企業側にも労働者側にも利益をもたらすことに大成功したロールモデルとして喧伝されています。

 

――それを伺って少しは安心しました。

吉成 ところが、マイクロソフトは桁外れの急成長をして、見合うだけの報酬をしっかり提供していたからこそ成功したわけで、日本のゲーム業界では、企業側にとって都合の良い部分だけを採用しているようなところがありますね。

 

毎年10%のゲーム会社が倒産!?

吉成 非正規雇用制度に加え、問題にさらに拍車をかけているのが裁量労働制です。会社に来る回数や就業時間には決まりを設けず「各自の裁量で自由に働いてもいいですよ」と謳っていますが、実際には割増賃金を支払わなくてもすむようにする制度です。

 

――真っ黒ですね。そんな中でモチベーションを保つのはかなり難しそうです。

吉成 ええ、ゲーム会社で裁量労働制を取っている会社でブラックな企業は少なくないですね(笑)。

 

――ブラック企業にもさまざまなケースがあることがわかりましたが、自殺者までが出ているとなると状況はかなり深刻ですよね。せっかく能力を身につけて仕事に就いても、心身の健康を損なうまでに酷使されたり、使い捨てにされるというのでは・・・。

吉成 そうなんです。しかも資金繰りの悪化からブラック企業になったような会社は倒産の危機とも隣り合わせですから、働く人たちの不安は大きいでしょうね。

 

――サクセスの取引先でも、倒産に至ったようなケースは多いのですか?

吉成 規模の大小にかかわらず、たくさんあります。1年間でいったいでどれくらいのゲーム会社が消えてゆくのかと気になって、調べてみたことがあるんですよ。以前「ゲーム業界就職読本」という本が毎年発行されていて、その中に就職先候補であるゲーム会社一覧が掲載されていたんです。その一覧にある会社の入れ替わりを手作業で集計してみたんです。そうしたら毎年、10%前後の会社が入れ替わっていました。

 

IMG_1808

巻末に記載されていたゲーム会社約300社の内、今残っている会社は約1割。

 

――企業自体も長く存続しつづけるのが難しい業界と言えそうですね。

 

吉成社長のつぶやき(28)

毎年10%のゲーム会社が淘汰されていくと聞いて、かなり衝撃を受けたのだが・・・。

『他の業界はどうなのか、という疑問が湧いて、サクセスの旧事務所にが、国道1号線に面した場所だったんだけど、五反田駅から自社との間にある、1号線沿いの1階の店舗を全部調べたことがあるんですよ。そうしたらなんと、10年間で半数以上が入れ替わっていた』

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ホームに戻る