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サクセスの企業風土(4)

良い企画は、会議の場では出てこない

――グループウェアを使って、ほかに成果が上がっているものはありますか?

吉成 独自に作った『企画募集』用のソフトを使って、いつでも企画を提案できるようにしたところ、提出される企画書の数がずいぶん増えました。サイボウズ上に上がった企画書は全社員が閲覧して「イイネ」ボタンを押せるようになっていますので、企画提案者はすぐに反応を見ることができます。

――企画会議の場でプレゼンする前にある程度の反応を知ることができるとなれば、企画のブラッシュアップにも役立ちますね。

吉成 どの業種でもそうかもしれませんが、良い企画っていうのは普通の会議の場ではなかなか出ないものなんです。だからこうした専用ソフトを活用するのもひとつの手だし、サクセスではほかにも、月1回会議室でビールを飲みながらブレスト会議みたいなことをやってます。これは以前からずっと続けていることで、『企画募集』用ソフトでの企画提案とは関係なく、色々な企画を自由に発言してもらってます。

――お酒を飲みながらとは、なんと素晴らしい会議(笑)!

吉成 ほどよくリラックスすれば、良い意見が交わされますよ。細かいルールは決めていないので、資料を持ち込んでプレゼンする社員もいれば、飲み食いを楽しんでいるだけの社員もいるといった気軽な感じです。メンバーは固定ではありませんが、毎回10人くらい参加してますね。 ほかにもグループごとに持ち回りで、毎月1回の「社長との飲み会」を開催しています。

――最新のシステムを導入して効率化を図るだけでなく、気軽に触れ合えるコミュニケーションの場を設けて、そこから生まれる発想も大切にしているのですね。

吉成 『企画募集』用ソフトの利用で企画や提案が出しやすくなっても、出さない社員はぜんぜん出しませんからね。どうやったら社員一人ひとりが能力を発揮しやすい組織を作れるか、あの手この手で試しています。  

社員のためにできること

――お話を伺っていると、業務改善の件にしても企画提案の件にしても、とにかくスピード感を感じます。

吉成 うちのモットーは「割り込み処理」。急な案件が発生しても「この仕事が終わったら」とか「ひと段落したら」なんて言って後回しにしていたら忘れちゃいますからね。 だから、うちの社員は何かあるたびに気軽に社長室を訪れるんですよ。僕が何か打ち合わせをしていても、たとえばハンコを押すくらいなら直ぐ処理できますから、わざわざ打合せが終わるのを待つ必要なんかありません。「巧遅を求めるな、拙速を求めよ」がサクセスのモットーです。

――吉成社長が社員に求めることが「行動指針」に記されていますが、自らも実践されているんですね。

吉成 現在の「行動指針」は7つの項目から成っていますが、最初はもっと多かったんですよ。1つ前のバージョンは12項目あったんです。でもあんまり多くてなかなか守ってもらえないから、どんどん削っていったんです(笑)。 割り込み処理は「巧遅を求めるな、拙速を求めよ」という指針に、業務改善は「問題点の指摘は不要。問題解決法を提案せよ」、『Who’s who?』は「人の名前を覚えよ」につながっています。

――これだけしっかり社内のシステムに組み込めば、「行動指針」は単なる標語として終わることなく、きちんと機能しますね。

吉成 「行動指針」はサクセスの社員に「こうあってほしい」という理想ですが、そのために会社としてサポートすべきことはいろいろあります。たくさん本を読んで知識を広げてほしいから補助金を出したり、プライベートも充実させてほしいから勤務時間や休暇の制度を整えたり、クラブ活動を奨励したりしています。

――社員のやる気を出すために、福利厚生に力を入れているのですね。

吉成 それだけではなく、社員には心身ともに健康でいてほしいからです。 じつは昔から、ゲーム業界に従事する人たちはうつ病にかかる割合が高いんですよ。ゲーム会社のなかには、午後から業務をスタートして夜通し働くようなスタイルのところもまだまだ多いんです。でも、そんな働き方を続けていては、そのうち心身のバランスを崩してしまうのは当たり前ですよね。  

行動指針
ゲーム業界で成功するための必要条件。

 

吉成社長のつぶやき(25)

ビールの出るブレスト会議。ということは、吉成社長はビール党? 『運動前に準備体操をして血液の循環を良くするのと同じで、お酒も血液の循環を良くしてブレストの効果を高める効果があるんです。そうすると、1ドリンク1アイデアです』

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