このページはJavaScriptを使用しています。JavaScriptが無効になっている場合は、有効にしてください。

サクセスの企業風土(2)

Pocket

同僚の名前を覚えない社員がいる!?

――いいゲームを生み出すには、社員の教育からというお考えなのですね。これまでどんなソフトを開発されてきたのかも気になります。

吉成 現在運用しているのは、2013年に社内のコミュニケーションの円滑化を図るために作った『顔当てクイズ Who’s who?』というソフトです。これは、ランダムに選ばれた社員の顔写真がクイズとして出題され、その社員の名前を当てるというシンプルなゲームです。サクセスでは、毎朝10問ずつ業務開始前に行うことを義務付けているのですが、不正解の場合は、その社員の出身地や趣味などの名前以外の関連情報も閲覧できるんです。

 

――あまり親しくない同僚だと、そういったささやかな情報を知る機会もなかなかありませんから、かなり新鮮でしょうね。でも、出題されるのはすべて自社に所属している方の写真なんですよね? 会社の規模にもよりますが、名前を答えるだけならそう難しくないような気もしますが。

吉成 ところが、同じ会社で一緒に働いている人間にまったく興味がないっていう社員も多いんです。うちには260人くらいの社員がいるのですが、廊下ですれ違っても、お互い、相手が社内の人間なのか他社からのお客さんなのかもわからないっていうような状況でした。僕は時々うちの社員に「彼の名前なんだっけ?」と、適当な人をさしてさりげなく尋ねてみるんですが、信じられないことに、何年も近くの席で仕事をしている同僚の名前すら答えられない者がいるんですよ。

 

――それは衝撃的ですね。

吉成 そんな状況に危機感を覚えて考えついたのが『Who’s who?』なんです。せめて同僚の名前くらいは覚えてほしくて。

 

――吉成社長はさきほど、サクセスには変わり者の社員が多いとおっしゃってましたが、どんな業種の会社であっても業務内容によっては他の部署の人間とはまったく接点がないという社員がいてもおかしくありませんし、こうしてゲーム感覚で社員の顔と名前を覚えられるというのはいいアイディアかもしれませんね。

 

img-01

『顔当てクイズ Who’s who』 サクセスの社員には、毎朝10問のノルマが課されている。

 

人事評価のパラメーター

――『Who’s who?』の導入によって、効果は表れましたか?

吉成 明らかに効果が出ています。導入したばかりの頃は正答率が3割くらいだったのですが、2年ほどで8割にまで上昇しました。

 

――劇的な変化ですね。

吉成 なんせ、うちでは『Who’s who?』の成績が悪いとお給料が上がらないシステムになってますから(笑)

 

――ええっ、本当ですか!?

吉成 もちろんです。会社によって人事評価の方法は色々ありますが、社員を評価するうえでこれほどわかりやすいパラメーターはありませんよ。実際、人の名前を覚えない社員は仕事ができない者が多いですから。

 

――そんなにはっきりと関係しているものなのでしょうか。

吉成 だって、ゲームの開発はチームを組んで行うことが多いのに、同僚の名前すら覚えないでまともにコミュニケーションが取れるわけがないでしょう。結果的に仕事上のトラブルも多くなりますし、そのせいで大きな損失につながることもあるのですから。

 

――さっきはクイズの成績が給料の額に直結するのはシビアだと感じましたが、そういったことも考え合わせると納得です。260人分の名前を覚えるくらいなら、心懸け次第でどうにかできそうですしね。

吉成 仕事のトラブルのほとんどはコミュニケーションの不足によるものです。そしてコミュニケーション・トラブルを防ぐためには何が有効かを考えたとき、いちばん手っ取り早いのは、相手を好きになり、仲良くなることだと思います。そのためにはまず名前を覚えることが最低条件で、そこからコミュニケーションを深めてゆくには、相手に付随する情報を知ることがとても重要なんです。だから『Who’s who?』には出身地や以前在籍していた会社といった、一見無駄に見えるような情報もいろいろと載せているんですよ。

 

――『Who’s who?』の導入は、同じ職場で働く人の顔と名前を「情報として記憶させる」というだけにとどまらず、社内のコミュニケーションを円滑にして仕事のトラブルを未然に防ぎ、ひいては業績アップにつなげるという効果を狙ってのものなのですね。

吉成 そうですね。社員のコミュニケーション能力不足という問題は、ゲーム会社であれば多かれ少なかれ抱えているものですが、うちの社員は『Who’s who?』のおかげでずいぶん改善できたと思いますよ。

 

吉成社長のつぶやき(23)

かつて、コミュニケーション・トラブルから小さなトラブルが連発していたころ、ある社員からの提案に吉成社長は呆れかえったという。

『「これからは直に話すのをやめて、すべてメールでやりとりしましょう」っていう提案だったんです。直ぐにそいつを呼び出して「バカか、お前は!」って、どやしつけましたよ。なんでそういう発想になるんだろ。そりゃ、言った言わないの問題は無くなるかもしれないが、相手の表情とか声のトーンとか、文字に置き換えられない情報の重要性が理解できていない』

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ホームに戻る