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こんなのアリ!? 仰天事件簿(2)

開発費が2倍以上に!?

――開発途中での仕様変更は頻繁に起こるということですが、その影響で納期が遅れたり、完成した作品にバグが発生したりと、連鎖的なトラブルにつながるようなこともあるのでは? 吉成 ありますね。特に費用の面は深刻で、下請けにとっては会社の存続にかかわるような資金難につながるケースもあります。元請け側が指示した仕様変更によって開発費がどんなに膨れ上がったとしても、契約書を盾にして契約時の金額で押し通す会社がこの業界では圧倒的に多いんですよ。   ――仕様を変更した側の責任であっても、追加料金を認めないのですか? 吉成 基本的には、契約外の追加料金を認めるケースは稀です。   ――契約とはいえ、厳しいですね。下請けサイドが一方的に不利を被るような条件というのは、両社の信頼関係を損なうような気がしますが・・・。 吉成 うちも以前、クライアントからあまりにも一方的なことを言われて大喧嘩をしたことがありますよ。そのときのクライアントは○○ミだったのですが、2500万円ほどで仕事を受けたところ、途中の仕様変更などで納期がどんどん遅れ、費用も5000万円ほどに膨れ上がってしまったんです。   ――実際にかかった金額が2倍ともなれば、さすがに交渉の余地はありそうですが・・・。 吉成 もちろん、事情を考慮してもらえるよう交渉に行きました。せめて、追加でかかった費用の半分くらいは負担してほしいとお願いしたんです。ところが、まったく話し合いにもなりませんでした。  

目には目を、契約書には契約書を

吉成 ○○ミは、納期が1日遅れると契約金から1%ダウン、1カ月遅れると30%ダウンというペナルティを契約書に謳っています。契約時に、この条項を外してもらえないか、とお願いしても、「現場では契約内容を変更する権限はないし、この条項に関しては交渉の余地はないです。それに実際にこれが適用されることはないですから」という説明だったんです。 当時、僕が○○ミに交渉に行くと、担当者は追加負担を認めるどころか、「契約書をよく読んでください。今回のプロジェクトは100日以上の遅れが生じたわけですから、本来だったら、うちは追加分どころか契約の残金も一銭も払わなくてもいいんですよ」と言ってきたんです。これには頭にきて、席を立って帰りました。   ――自社側の責任を認めないだけでなく、ずいぶんと恩着せがましい態度ですね。 吉成 契約書を盾に脅してくるようなやり方にあまりにも腹が立ったので、あのときはこちらもちょっとした意趣返しをしました。 サクセスが○○ミから受けていた仕事は、もともとは○○商事という会社からの受託だったんです。○○商事は「孫請けには出さない」ということを条件に○○ミと契約していたので、じつは○○ミも契約違反をしていたんですよ。僕は○○商事にも知り合いがいたから、「なんだったら、納期が遅れた原因が我が社だけにあるんじゃないということを、その人を通して、○○商事さんに証明しましょうか?」と伝えたのです。   ――ええっ!? 本当にリークしたのですか? 吉成 脅しただけで、未遂です(笑)。その担当者が「それだけは勘弁してください」と泣きついてきたので、こちらも鉾を収めました。○○ミの担当者はまだ若く、会社と下請け会社の間に立って困り切っていたので、勘弁してやりました。   ――ゲーム業界が抱える大きな問題ですね。  

吉成社長のつぶやき(14)

吉成社長が激怒したという○○ミの担当者は、その後・・・。 『それが彼、うちとのトラブルのせいで窓際に追いやられたらしい。なんで知ってるかっていうと、うちにいる元○○ミのOBのところに「いま仕事がなくて窓際にされたんです」って相談に来てたから。テレビドラマのようなことが実際にあるみたい』

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